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ANNEXA-4:Andexanetは第Xa因子阻害薬内服患者の止血を達成する [2018-03-27] |
ANNEXA-4: Andexanet achieves hemostasis in patients taking Factor Xa inhibitors |
治験薬andexanetが第Xa因子阻害薬として知られる一般的な抗凝固薬を内服している患者の重篤な出血を制御できた、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表された。中間解析の結果、第Xa因子阻害活性中央値がリバーロキサバン内服患者で88%、アピキサバン内服患者で91%、およびエノキサバン内服患者で75%、それぞれ低下したことが示された。エドキサバン内服患者は、今回のスタディでは非常に少数であった。臨床的に非常に良好、あるいは良好に止血が達成できたのは、患者全体の83% であった。承認されれば、andexanetは出血時に第Xa因子の効果を直接リバースできる初めての薬剤となるであろう。 |
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CANTOS:心血管系には有益であるものの、抗炎症薬は糖尿病発症予防には効果がない [2018-03-27] |
CANTOS: Despite cardiovascular benefits, anti-inflammatory drug does not impact onset of diabetes |
前糖尿病の人々において抗炎症薬は糖尿病の新規診断率には効果がない、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表され、同時にJournal of the American College of Cardiology オンライン版に掲載された。糖尿病の進行予防には効果はなかったが、抗炎症薬を内服した前糖尿病の人々においては、高感度C反応性蛋白(hsCRP)およびインターロイキン6などの主要な炎症マーカーの有意な低下が認められた。この研究は、心筋梗塞歴を有しhsCRP上昇を認める患者において、canakinumabが主要な心血管イベントを有意に減少させたことを報告した大規模トライアルであるCANTOSスタディの、重要な副次的評価項目である。 |
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TREAT:効果的で即効性のある抗血小板薬は線溶療法を施行された患者の出血リスクを上昇させない [2018-03-27] |
TREAT: Potent, fast acting anticoagulant does not raise risk of bleeding in those taking fibrinolytic therapy |
心筋梗塞治療目的で線溶療法を施行された75歳未満の患者において、より効果的な抗血小板薬チカグレロルは標準的な抗血小板薬クロピドグレルと比較し、大出血(主要評価項目)のリスクを上昇させなかった、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表され、同時にJAMA Cardiology オンライン版に掲載された。TIMI出血基準の大出血は両群ともに約0.7% の患者に発現し、二群間に統計学的有意差はなかった。今回の新たなスタディと過去のスタディとの大きな違いは、患者が線溶療法を受けていたことである。 |
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mSToPS:自己装着胸部パッチは一般的な不整脈を従来の方法よりもより迅速に捕捉できる [2018-03-27] |
mSToPS: Self-applied chest patch catches common irregular heartbeat more quickly than usual care |
心房細動(AFib)が高リスクの人々において、心調律を記録する着用型自己装着胸部パッチは、従来の方法に頼るよりも不整脈の検出に優れより迅速な治療を促進する可能性があるとの1年間のデータが、American College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表された。mHealth Screening to Prevent Strokes (mSToPS) トライアルの対象患者は心電図を持続的に記録するパッチを装着し、その結果研究者らは連続14日間のデータを得ることができた。AFibは、装着型パッチ群の6.3% およびコントロール群の2.3% において新たに診断された。パッチを用いた積極的なモニタリングにより、抗凝固薬開始率が有意に高まった(5.4% vs. 3.4%)。 |
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一部の乳がん患者に対しハーセプチンによる心血管系障害を一般的な心臓治療薬で予防できる [2018-03-27] |
Popular heart medications can prevent Herceptin-induced cardiovascular issues for certain patients with breast cancer |
心血管障害と関連があるとされている分子標的薬トラスツズマブの内服開始と同時に、よく知られる2つの心臓治療薬のうちの1つを内服し始めた乳がん患者は、心機能低下予防の面では恩恵がなかった、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表された。しかし、トラスツズマブにアントラサイクリン系薬剤ベースの化学療法を同時併用された患者では、ACE阻害薬リシノプリルまたはβ遮断薬カルベジロールを内服している患者においてプラセボ内服患者に比べ2年後の追跡時の心障害発現が半分であった。 |
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化学療法による心障害に対するβ遮断薬の心保護に関する結果は様々である [2018-03-27] |
Beta-blocker shows mixed results in protecting against chemotherapy-induced heart damage |
新たに乳がんと診断され化学療法施行中に心毒性保護目的でβ遮断薬カルベジロールを投与された患者を6か月追跡した結果、心機能低下についてはプラセボ群と差がなかった。しかし、カルベジロールを内服した患者は血漿トロポニンI上昇を来す確率が有意に低かった(41.6% vs. 26%)と、American College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表され、同時にJournal of the American College of Cardiology オンライン版に掲載された。 |
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PHARMCLO:個別化遺伝子アプローチを用いた抗血小板薬選択は転帰を改善する [2018-03-20] |
PHARMCLO: Personalized genetic approach to selecting antiplatelet drugs improves outcomes |
抗血小板薬選択に遺伝情報を用いた急性冠症候群患者は、12か月後の心筋梗塞(MI)、脳卒中、心血管疾患による死亡および大出血の発現率が大幅に低かった、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表され、同時にJournal of the American College of Cardiology オンライン版に掲載された。12か月後、複合エンドポイントの発現率は標準治療群で25.9% であり、遺伝子検査を受けた群では15.8% であった(イベント42% 減)。遺伝子検査はまた、異なる処方パターンをもたらした。 |
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TRIUMPH: 3種の低用量内服は標準治療よりも血圧を低下させる [2018-03-20] |
TRIUMPH: Triple low-dose pill lowers blood pressure more than usual care |
3種の降圧薬の配合剤は標準治療よりも降圧目標を達成した患者数を有意に増加させた、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表された。TRIUMPHトライアルにおいて、6か月後の血圧低下は3種配合剤で平均8.7 mmHgであったのに対し、標準治療群では4.5 mmHgであった。3種配合剤群において、有意な副作用増加はなかった。この配合剤はテルミサルタン(20 mg)、アムロジピン(2.5 mg)およびchlorthalidone(12.5 mg)で構成される。 |
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SECURE PCI:ACSを発症しPCIが予定されている患者に対する高用量スタチンローディングドーズ投与はMACEを減少させない [2018-03-20] |
SECURE PCI: Large loading dose of statin does not reduce MACE in patients with ACS and planned PCI |
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を予定されている広範な患者群に対する高用量スタチン投与は、主要心血管イベントに影響を及ぼさなかった、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表され、同時にJAMA オンライン版に掲載された。すべての患者における主要評価項目発現率は、スタチン内服群で6.2%、プラセボ内服群で7.1% であり、統計学的に有意差はなかった。しかし、実際にPCIを施行されたサブセットにおいて、スタチンはそれらイベント発現率を有意に低下させた(6.0 vs. 8.2%)。 |
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DEFENSE-PFO:デバイスによる閉鎖は潜在性脳卒中後の再発を予防する [2018-03-20] |
DEFENSE-PFO: Device closure prevents secondary strokes after cryptogenic stroke |
卵円孔開存(PFO)患者のうち、脳卒中後に開存閉鎖デバイスを植え込まれた者は、薬物療法のみの患者に比べ転帰が良好であった。この結果はAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表され、Journal of the American College of Cardiology に掲載された。オープンラベルトライアルであるDEFENSE-PFOにおいて、PFO患者120人がカテーテルによる経皮的PFO閉鎖術と薬物療法の併用、または薬物療法単独群にランダムに割り付けられた。2年間の追跡調査中に、主要評価項目を発現した者は閉鎖術併用群ではいなかったが、薬物療法単独群では6人(13.0%)であった(p=0.013)。 |
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MANAGE:非心臓手術後にダビガトランを投与された患者において死亡率および心血管イベント発現率は低下する [2018-03-20] |
MANAGE: Reduced mortality and cardiovascular events in patients receiving dabigatran after noncardiac surgery |
死亡、心筋梗塞(MI)、脳卒中およびその他の心臓または血管合併症の高リスク患者において、抗凝固薬ダビガトランによる治療は非心臓大手術後に発現する心損傷によるこれらのリスクを有意に軽減させた、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表された。平均追跡期間16か月後、1つ以上の主要評価項目を発現した患者は、ダビガトラン投与患者の11.1% に対し、プラセボ投与患者では15.2% であった。この結果は、ダビガトラン投与患者においてリスクが28% 低下したと解釈される。 |
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SMART-DATE:6か月間の抗血小板薬2剤併用療法により心筋梗塞が増加する [2018-03-20] |
SMART-DATE: Myocardial infarction increases with six-month dual antiplatelet therapy |
薬剤溶出性ステント植え込み後、6か月または最低12か月の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)にランダムに割り付けされた急性冠症候群(ACS)患者において、18か月以内の総死亡、心筋梗塞(MI)または脳卒中の複合発現率には有意差がなかった。しかし、DAPTを6か月しか施行されなかった患者は、12か月以上継続した患者に比べMIリスクが2倍以上高かった、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表され、同時にLancet に掲載された。 |
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ODYSSEY:PCSK9阻害薬は特に高コレステロール血症患者においてベネフィットがある [2018-03-13] |
ODYSSEY: Benefits of PCSK9 inhibitor especially pronounced in patients with highest cholesterol levels |
高強度のスタチン治療にもかかわらず高コレステロール血症が持続する患者群において、PCSK9阻害薬アリロクマブはプラセボに比べ、主要心血管イベント(MACE)を15% 軽減した、とのODYSSEY Outcomes 試験の結果がAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表された。薬剤の効果は、LDLコレステロール値100mg/dL以上の高リスク群でさらに大きく、プラセボに比べ心筋梗塞、脳卒中などの心血管イベントにおいて24%の減少を示した。患者は少なくとも2年間追跡され、そのうち44% は3年以上追跡された。 |
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VEST:着用型自動除細動器は全死亡率を軽減するが心筋梗塞後の突然死には影響しない [2018-03-13] |
VEST: Wearable defibrillator reduces overall mortality but not sudden deaths after myocardial infarction |
推奨薬剤の投与に加え、心臓の異常なリズムを検出する除細動器を装備した軽量のベストを着用することで、駆出率が低下した患者における心筋梗塞後最初の90日間の死亡確率を低下させる、とのVEST試験の結果が American College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session で発表された。主要評価項目である心臓突然死に関しては顕著なベネフィットはなかったが、着用型自動除細動器を着用した患者は全死亡率が35% 減少した。 |
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季節毎のインフルエンザワクチンは心不全患者の死亡リスクを半減する [2018-03-13] |
Seasonal Flu vaccine cuts risk of death in half for people with heart failure |
心不全患者において、季節毎のインフルエンザ(flu)ワクチン接種を受けることにより、接種を受けた年のインフルエンザ流行期の全死亡リスクが50% 低下し、その後の年の死亡リスクが20% 低下した、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Sessionで発表された。心不全患者78,000人超を対象としたこのメタ解析は、fluワクチン接種により心血管系の原因により入院するリスクを22% 低下させることも示した。 |
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運動負荷試験中にアップビートの音楽を聴くことにより運動耐容能が増加する可能性がある [2018-03-13] |
Listening to upbeat music may help improve exercise tolerance during cardiac stress test |
通常の運動負荷試験中に音楽を聴くことにより、運動時間が延長し患者の心血管系の健康状態や運動耐容能の重要な情報が得られる可能性がある、とAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Sessionで発表された。今回の単一施設ランダム化研究において、音楽群ではコントロール群に比べ、有意に運動時間が長かった(505.8 vs. 455.2秒)−差の絶対値は約50.6秒。さらに、非音楽群に比べ有意ではないが代謝等量(METs)が大きい傾向にあった。 |
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心筋梗塞は屋外温度の劇的な変化の後にしばしば増加する [2018-03-06] |
Increase in myocardial infarctions often follows dramatic changes in outdoor temperature |
日々の大きな温度変化は心筋梗塞(MI)を有意に増加させたとのスタディ結果が、American College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session において3月10日に発表される。MIリスクは温度差が摂氏5度急変する毎に約5% 増加した。摂氏25度を超える温度変化は、摂氏10〜25度の温度変化よりもMI率をより上昇させた。一部の気候モデルが地球温暖化と極端な気候イベントとを関連付けていることから、これらの結果は気候変動がMI発症増加に繋がり得ることを示唆している。 |
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心筋梗塞リスクは特に若年の炎症性腸疾患患者において上昇する [2018-03-06] |
Risk of myocardial infarction raised in patients with inflammatory bowel disease especially in young |
炎症性腸疾患(IBD)患者は、高コレステロール、高血圧および喫煙など従来の心疾患リスクファクターの有無にかかわらず心筋梗塞(MI)リスクが高い、との研究結果がAmerican College of Cardiology's 67th Annual Scientific Session において3月11日に発表される。IBD患者はMI発症リスクが約23% 高かった。40歳未満の女性IBD患者は、同年代の男性IBD患者に比べMIリスクが高かった。リスクは、18〜24歳の患者において最大であった。 |
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