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乾癬治療に用いられる抗体は大動脈の炎症も軽減する [2018-02-27] |
Antibody used to treat psoriasis also reduces aortic vascular inflammation |
乾癬治療に用いられる抗体は、将来の主要心血管イベントリスクの重要なマーカーである大動脈の炎症を軽減するのにも有効である、と2018 American Academy of Dermatology Annual Meeting で発表された。実薬群においては大動脈の炎症が6.6% 減少したが、プラセボ群では12% 増大し、つまりこの薬剤は非治療群に比べ19% 改善させたことを意味する。予想通り、ウステキヌマブは皮膚の炎症もまた、劇的に改善した。いずれの結果も高度に統計学的有意であった(p=0.001)。 |
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心停止後生存者はバイスタンダーが自動体外式除細動器を用いた場合に大幅に増加する [2018-02-27] |
Cardiac arrest survival greatly increases when bystanders use an automated external defibrillator |
心停止後の生存は、救急隊員到着前にバイスタンダーが自動体外式除細動器(AED)を使用することにより2倍になる、とCirculation に掲載された。研究者らは心停止を有するサブグループ−公衆の面前で発症し、バイスタンダーがおり電気ショック可能な者−を解析した。バイスタンダーにより電気ショックを施行された者のうち、生存して退院したのは約66% であったのに対し、電気ショックを施行されなかった者におけるその割合は43% であった。バイスタンダーによりAEDを施行された者は、救急隊員が到着して初めてAEDを施行された者に比べ、生存して退院する確率が2.62倍高く、機能的転帰が良好な確率は2.73倍高かった。 |
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若年者において、肥満などのリスクは心臓突然死に多大な影響を及ぼす [2018-02-20] |
Obesity and other risks play large role in sudden cardiac arrest among the young |
若年者において、肥満やその他の一般的な心血管系リスクファクターは、これまで認識されていたよりもはるかに大きな影響を及ぼし、より早期の検査の重要性が強調される、とCirculation に掲載された。若年患者の突然心停止において運動はしばしば注目を集めるが、スタディ対象の5〜34歳の人々においては、ほんの小さな割合を占めるに過ぎなかった。それよりむしろ、突然心停止を来した若年者において、標準的な心血管系リスクファクターの保有率が予想外に高いことが明らかにされた。肥満、高血圧、高コレステロール、糖尿病および喫煙の組み合わせは、調査症例の60% 近くに認められた。 |
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小児期の身長は成人期の脳卒中リスクと関連がある [2018-02-20] |
A person's height in childhood associated with risk of stroke as an adult |
小児期に低身長であることは成人期の脳卒中リスクが高いことと関連がある、とのデンマークの研究結果がStroke に掲載された。小児期に同年代の平均身長より2〜3インチ低かった者は、男女いずれも成人期の虚血性脳卒中のリスクが高く、男性においては脳出血リスクが高かった。成人期の身長は遺伝子的に決定されるが、母親の妊娠中の食事、小児期の食事、感染症および心理的ストレスなどの修正可能な脳卒中リスクファクターにも影響される。研究者らは、高所得国において特に女性では、成人期身長の全般的な上昇と同時に脳卒中発症率および死亡率の低下を認めた、と指摘している。 |
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重篤な妊娠高血圧腎症はしばしば妊娠後の未検出高血圧に繋がる [2018-02-13] |
Severe pre-eclampsia often leads to undetected hypertension after pregnancy |
妊娠中に重篤な妊娠高血圧腎症を来した女性において高血圧が残存することは多く、気付かれないままになる可能性がある、とHypertension に掲載された。研究者らは、妊娠中に重篤な妊娠高血圧腎症と診断された女性200人を調査した。41% 超の女性が妊娠1年以内に高血圧を発症した。検出された高血圧のうち最も多かったのが仮面高血圧(17.5%)であり、次に持続性高血圧(14.5%)、白衣高血圧(9.5%)の順であった。スタディ参加者の42.5% が夜間高血圧を有していた。24時間血圧モニタリングが行われなければ、高血圧女性の56% は見落とされていたであろう。 |
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迅速血管スキャンは長時間の検査に耐えられない閉所恐怖症の患者において忍容性がある [2018-02-13] |
Rapid blood vessel scan is tolerated by claustrophobic patients unable to stand longer tests |
従来の長時間の検査に忍容性のない閉所恐怖症患者に対し、希望を与える5分間の磁気共鳴血管造影法(MRA)による血管検査を医師らが開発した。このスタディは、検査時間を短くしても画像の質は高いまま維持することを目的とされた。研究者らは、ガドリニウム造影剤よりも血管系に長く残存するferumoxytolを、造影剤として使用した。撮影にかかった時間は平均6.27分(4〜10分)であった。全ての画像は高画質であり、頸部から大腿までの動静脈の解剖学的構造が可視化された。この研究結果はCMR2018 で発表された。 |
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医療従事者による指鼻試験は後頭葉脳卒中の検出率をほぼ2倍にした [2018-02-06] |
Finger-to-nose test by medical professionals almost doubled recognition of posterior stroke |
医療従事者による簡便な指鼻試験は、脳後部の循環に関係する脳卒中の可能性の検出をほぼ2倍にした、との予備研究の結果がAmerican Stroke Association's International Stroke Conference 2018 で発表された。後頭葉の脳卒中は全ての脳卒中による入院の最大4分の1を占めるが、患者が典型的な脳卒中症状を呈さないことがあるため、しばしば診断が遅延する。指鼻試験を含むトレーニングを行った後、救命救急士は後頭葉脳卒中16件中12件(75%)を検出したのに対し、トレーニング前12か月間におけるその割合は26件中9件(38%)であった。 |
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腎嚢胞は脳内血管の障害および脳卒中リスク上昇を示す可能性がある [2018-02-06] |
Renal cysts may signal blood vessel damage in the brain and a heightened risk of stroke |
腎嚢胞は脳内血管の障害もあり脳卒中リスクが高いことを示す可能性がある、との予備研究の結果がAmerican Stroke Association's International Stroke Conference 2018 で発表された。腎超音波検査を施行された2,984人(平均年齢72歳、女性57%)を対象としたスタディにおいて、研究者らはカルテを調査し、腎嚢胞を1つ有する者(参加者の17%)は嚢胞を有さない者に比べ、脳卒中罹患率が1.63倍高いことを明らかにした。腎嚢胞を複数有する者(参加者の6.6%)においては、脳卒中罹患率はより高かった(リスクが2.14倍)。 |
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