◆ |
無症候性発作性心房細動患者は症候性患者に比べ心血管疾患リスクが高い [2018-01-30] |
Cardiovascular risks higher for patients with asymptomatic paroxysmal atrial fibrillation that symptomatic disease |
無症候性発作性心房細動(PAF)の患者は症候性患者に比べ、高齢で、男性に多く、併存疾患をより多く有し、脳卒中リスクが高い傾向にある、とCHEST® に掲載された。無症候性AF患者の臨床的特徴と転帰は、PAFと持続性心房細動(SAF)患者群とで異なっていた。追跡期間中の総死亡率は無症候性の方が症候性よりも高かったが、これはPAF群のみに限られた。今回のスタディではまた、PAF群においては無症候性患者の臨床転帰が症候性患者の転帰に比べ不良であったが、SAF群ではそうではないことも明らかにされた。 |
 |
◆ |
自然発症くも膜下出血が若年妊婦で増加している [2018-01-30] |
Spontaneous subarachnoid hemorrhage increasingly being seen in young pregnant women |
自然発症くも膜下出血(sSHA)と呼ばれるまれなタイプの脳卒中の割合が妊婦において増加している、との予備研究の結果がAmerican Stroke Association's International Stroke Conference 2018 で発表された。2002〜2014年に15〜49歳の妊婦3,978人から得られた診療録のレビューにおいて、研究者らは脳卒中で入院した妊婦の割合が4% から6% に増加したことを示した。sSAHの妊婦の割合は、20〜29歳で最も高く20% であり、40〜49歳では最も低く1% 未満であった。 |
 |
◆ |
小児の高血圧を正確に診断するには2回以上の血圧測定が必要である [2018-01-23] |
Correctly diagnosing hypertension in children requires more than one blood pressure measurement |
かかりつけ医に血圧をスクリーニングされた、小児及び10代の若者の約4分の1は高血圧の範囲であったが、再度の血圧測定で高血圧の範囲内であることが確認されたのはその半数未満であった、とJournal of Clinical Hypertension に掲載された。研究者らは、3〜17歳の対象者のうち、24.7% が1回目の血圧値が高血圧の範囲内であることを明らかにした。受診時の初回血圧値のみを基準にすると、血圧をスクリーニングされた小児の半分未満しか正確に分類されないであろう。 |
 |
◆ |
慢性虚血性心疾患患者の約4分の1が、6か月以内に死亡するか入院する [2018-01-23] |
Nearly a quarter of chronic ischemic heart disease patients are dead or hospitalized within six months |
慢性虚血性心血管疾患患者の4分の1近くが6か月以内に死亡するか入院する、とEuropean Journal of Preventive Cardiology に掲載された。このスタディには、安定冠動脈疾患または末梢動脈疾患患者2,420人が含まれた。24% が、6か月以内に死亡または入院した。死亡または再入院リスクと有意に関連があった因子は、高齢(10歳ごとにハザード比(HR)1.17)、末梢血管血行再建術歴(HR 1.45)、慢性腎臓病(HR 1.13)(全てp<0.05)であった。死亡および再入院の大半は心血管疾患であった。 |
 |
◆ |
多重遺伝子検査は標準的な遺伝子検査よりも有意に多くの早期心疾患症例を予測する [2018-01-16] |
Polygenic test predicts significantly more cases of early heart disease than standard genetic tests |
複数の遺伝子の違いに基づくリスクスコア、つまり多重遺伝子リスクスコアは、標準的な単一の遺伝子変異検査に比べ、有意により多くの早期発症心疾患を予測する、とCirculation: Genomic and Precision Medicine に掲載された。研究者らは、冠動脈疾患に関連した182の遺伝子差異に基づき、多重遺伝子リスクスコアを開発した。その後、早期発症心疾患を有するスタディ参加者と、有さない参加者とのリスクスコアを比較した。多重遺伝子検査は、早期発症心疾患の高リスク者を53人に1人の割合で予測したのに対し、最も頻度の高い単一遺伝子変異検査でのその割合は、256人に1人であった。 |
 |
◆ |
中年期の週4〜5回の運動は運動不足による心臓への影響を逆戻りさせる可能性がある [2018-01-16] |
Exercising 4 to 5 times a week during middle age may reverse cardiac consequences of a sedentary lifestyle |
運動不足の中年は定期的な有酸素運動トレーニングを2年間行うことで、数年間の座りがちな生活による心不全リスクを軽減または逆戻りさせることができる可能性がある、とCirculation に掲載された。概して、熱心に取り組んだ運動介入は人々をより健康にさせ、VO2max(運動中の最大酸素摂取量)を18% 増加させた。コントロール群では酸素摂取量の改善はなかった。熱心な運動プログラムはまた、心筋スティフネスを著明に低下させた。筆者らは、2年間の運動トレーニングは、老化した心臓を若返らせ心不全リスクを軽減させるのに有効な生活習慣改善であろう、と結論付けている。 |
 |
◆ |
非空腹時採血を施行された人々において新たなコレステロール評価法はより正確であることが示された [2018-01-09] |
New cholesterol assessment shown to be more accurate than standard test for people who are not fasting |
直接比較試験により、非空腹時に採血を施行された人々において、LDLコレステロール値の新たな算定法は従来の方法より正確である、とのエビデンスが加わった。どの方法を用いた場合でも、LDLコレステロール値解析においては空腹時の方が非空腹時よりも正確であったが、この新たな方法を用いることで、大多数の症例においてその差は臨床的に有意ではないとのことである。Circulation に掲載されたこの研究結果から、多くの人々においてコレステロール検査を行う際の空腹時採血が不要となり、スクリーニング検査がより簡便になることが示唆された。 |
 |
◆ |
飲酒と心血管死との関連は社会経済状態に依存する [2018-01-09] |
Link between alcohol consumption and cardiovascular death depends on socioeconomics |
飲酒頻度が非常に高い(週4〜7回)ことは心血管疾患による死亡リスクを上昇させるが、それは社会経済的地位が最も低い人々に限られる、とPLOS Medicine に掲載された。中等度(週2〜3回)の飲酒頻度は頻回の飲酒に比べ、心血管疾患による死亡リスクは低く、この関連性は社会経済的地位が最も高い人々においてより顕著であった。毎週の多量飲酒者は前年に多量飲酒がなかった者に比べ、心血管疾患による死亡リスクは高かったが、これは社会経済的地位と関係がないようであった。 |
 |