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家族で一緒に食事をすることは、子供の身体およびメンタルヘルスに長期的な恩恵をもたらす [2017-12-26] |
Eating together as a family helps children experience long-term physical and mental health benefits |
日常的に家族で一緒に食事をする子供は、身体およびメンタルヘルスに長期的な恩恵を受ける可能性が高い、と Journal of Developmental & Behavioral Pediatrics に掲載された。出生コホートを用いたこのスタディは、6歳時に経験した家族の食事に関する環境の質と10歳時の幸福度との関連を前向き調査した。6歳時の家族の食事環境の質が良好であるほど、10歳時の全身の健康状態レベルが高く、清涼飲料水摂取が少なかった。これらの子供はまた、身体的に攻撃的であったり反抗的であったり、または怠慢であったりすると報告する確率が低く、社会的技能をより身につけているようであった。 |
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若年期の介入は人生後期の認知機能低下または認知症を予防しない [2017-12-26] |
Early-in-life interventions do not protect against cognitive decline or dementia in later life |
人生後期の認知症を予防することが証明されている介入法はない、との4つのシステマティックレビューが Annals of Internal Medicine に掲載された。研究者らは、出版された研究をレビューし、運動、処方薬、市販のビタミン剤およびサプリメント、または認知機能トレーニングによる介入が、認知症予防に役立ち得るか否かを検討した。大多数の研究は、役立つ介入法ではないことを示した。これらの介入が不成功であった理由は完全に明らかにされてはいないが、これらの介入法が単に認知機能を改善しない、介入法がはじめられた時期がすでに遅かった、患者がこれらを使用した期間が十分でなかった、または多くのスタディに欠陥があった、などが理由と考えられる。 |
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学歴が高いことを予測する遺伝子多型はアルツハイマー病リスクも低下させる [2017-12-19] |
Genetic variants that predict higher educational attainment also reduce risk for Alzheimer's disease |
教育がアルツハイマー病を予防するとの説が、BMJ に掲載された新たな研究によりさらに重みを増した。CoSTREAMとして知られるプロジェクトの一部として、研究者らは、様々な異なる環境リスクファクターのリスクを上昇させる遺伝子多型を調査し、アルツハイマー病患者17,000人においてこれらがより多く見られるかを調べた。その結果、高学歴を予測する遺伝子多型との関連が最強であることが明らかになった。エビデンスから、教育が脳の神経回路およびネットワークを向上させ、それによって認知的予備力を増加させ得ることが示唆された。喫煙、ビタミンD、飲酒およびコーヒー摂取などの他の環境リスクファクターとの関連は決定的ではないことが証明された。 |
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既存のがん治療薬が神経変性疾患治療への道筋の可能性を提供する [2017-12-19] |
Existing cancer medication offers potential pathway to treat neurodegenerative diseases |
一部の型のがん治療として既に用いられている薬剤が、ハンチントン病にも有効な可能性がある、と Science Translational Medicine に掲載された。ハンチントン病のマウスをベキサロテンまたはKD3010を用いて治療したところ、ミスフォールディングされた蛋白質の損傷除去増加に加え、神経細胞内ミトコンドリアの健康状態改善が認められた。ミトコンドリア機能障害や蛋白質のミスフォールディングと同様の因子が、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症(ALS)、およびパーキンソン病などの疾患においてますます重要になっていることが認識されている。まとめると、ベキサロテンおよびKD3010は低用量であっても、細胞内で良好な結果をもたらした。 |
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認知症発症前数年間のBMIが高い人はアルツハイマー病を発症する確率が高い [2017-12-12] |
People with high BMI years before dementia onset are more likely to develop Alzheimer's disease |
長期地域住民研究において認められたBMIと認知症の連関は、実は2つの過程に起因すると考えられる。1つは、過剰な体脂肪の認知症リスクに対する有害な影響である。2つ目は、認知症発症以前の体重減少である。認知症の症状発現20年前、BMIが高いことは認知症発症の予測因子であった:BMIが5単位増加するごとに認知症リスクは16〜33% 上昇した。また、認知症発症直前でその後認知症に移行した人々は、認知症のない人々に比べ体重が少ない傾向にあることも明らかにされた。このスタディ結果はAlzheimer's & Dementia に掲載された。 |
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小児の成長曲線に類似した新たな使いやすいツールは、アルツハイマー病リスクの高い人々を同定するのに役立ち得る [2017-12-12] |
New easy-to-use tool that is similar to pediatric growth curves can help identify people at high risk for Alzheimer's disease |
成人の認知能力を追跡する新たなツールは、アルツハイマー病やその他の型の認知症への過程にいる可能性のある人々を、医師が同定するのに役立つことを目指している。QuoCo(認知指数)と呼ばれるこのツールは、Canadian Medical Association Journal に掲載された。小児に用いられる成長曲線と同様に、QuoCo認知機能チャートにより医師は、年齢、教育およびMini-Mental State Examinationのスコアに基づき、どの患者においても認知機能をプロットし、経時的な認知機能を追跡することができる。これにより認知機能が通常のカーブから外れた高齢者に、医師が介入し治療できる可能性がある、と筆者らは述べている。 |
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うつ病および社交不安障害を有する人々において注意力を統治するネットワーク内の灰白質異常が認められた [2017-12-05] |
Gray matter abnormalities in networks that govern attention found in people with depression and social anxiety |
MRIを用いることで、大うつ病性障害(MDD)および社交不安障害(SAD)を有する人々における脳の構造異常の典型的なパターンが明らかにされた、と2017 annual meeting of the Radiological Society of North America で発表された。MDDおよびSADの患者においては、コントロールに比べ、脳の顕著性および背側注意ネットワークにおける灰白質に異常が認められた。MDDおよびSAD患者と健常人との差は、皮質の肥厚または菲薄化と関連した。研究者らはまた、SAD患者において脳の"恐怖回路"が障害特異的に関わっており、MDD患者では視覚認知ネットワークが関わっていることを明らかにした。 |
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片頭痛患者の脳脊髄液中ナトリウム濃度が高いことが明らかにされた [2017-12-05] |
Higher cerebral sodium concentrations found in cerebrospinal fluid of migraine sufferers |
ナトリウムMRI法を用いて片頭痛患者を観察した初めてのスタディの結果、片頭痛患者は非片頭痛患者に比べ、脳脊髄液(CSF)中のナトリウム濃度が高いことが示された。片頭痛患者の前方のCSF領域における全体的なナトリウム濃度は、健常人に比べ有意に高かった(p=0.0001)。同様の結果が後方のCSF領域においても認められた(p=0.0013)。灰白質および白質、脳幹および小脳のナトリウム濃度では、統計学的に有意な差はなかった。この結果は2017 annual meeting of the Radiological Society of North America で発表された。 |
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MRI検査時のガドリニウム曝露は認知機能低下率における独立したリスクファクターではない [2017-12-05] |
Gadolinium exposure for MRI is not an independent risk factor in the rate of cognitive decline |
脳内のガドリニウム蓄積が認知機能低下を加速させるエビデンスはない、と2017 annual meeting of the Radiological Society of North America で発表された。近年のスタディでは、ガドリニウムが血液脳関門を通過し、MRI検査後数年間脳内に残存し得ることが示された。今回の研究では、認知機能の正常な男女4,261人中、25.6% がガドリニウムベースの造影剤を1用量以上使用された経験があった。ガドリニウムへの曝露は認知機能低下、認知症、神経心理学的パフォーマンス低下または運動能力低下の有意な予測因子ではなかった。これらの測定基準においては、用量依存性の影響は認められなかった。 |
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