◆ |
高齢者において自己申告による視力障害は認知機能低下と関連がある [2017-08-29] |
Self-reported visual impairment associated with worse cognitive function among older adults |
高齢者において視力障害は認知機能低下と関連があった、とJAMA Ophthalmology に掲載された。研究者らは、認知能力を計測する検査を終了した、60歳以上の2,975人を対象とした。その結果、自己申告による視力障害は、患者背景、健康およびその他の因子で補正後の認知機能低下と有意に関連があった。これらの所見は、少し離れたところで計測した自己申告による視力において、最も顕著であった。この解析で示された結果は観察によるものであり、自己申告による視力障害と認知機能低下との因果関係は長期研究を行わない限りは確立できない、と筆者らは指摘している。 |
 |
◆ |
非侵襲的アイスキャンは、患者が症状を示す数年前にアルツハイマー病の重要な徴候を検出する [2017-08-29] |
Noninvasive eye scan could detect key signs of Alzheimer's disease years before patients show symptoms |
アルツハイマー病は、脳と同様に網膜に影響を及ぼす、とJCI Insight に掲載された。スタディの結果、臨床試験での非侵襲的アイスキャンが、アルツハイマー病の症状を来す数年前に、この疾患の重要な徴候を検出することができることも示した。このスタディ用に特別に開発された高解像度アイスキャンを用いて、研究者らはアルツハイマー病の決定的な警告徴候(アミロイドβ沈着)を検出した。彼らは、過去に見逃された網膜周辺部にアミロイドのプラークを検出した。網膜のプラーク量は脳の特定領域のプラーク量と関連があった。 |
 |
◆ |
セロトニントランスポーターレベルが低いことは、認知症により生じた副産物というよりも、認知症の促進因子である可能性がある [2017-08-22] |
Lower serotonin transporters may be drivers of dementia rather than a byproduct |
軽度認知障害患者の脳画像を観察したスタディにおいて、セロトニントランスポーター(SERT)レベルが低いとのエビデンスが報告された、とNeurobiology of Disease 9月号に掲載された。軽度認知障害患者は、年齢をマッチさせた健常コントロールに比べ、脳内のSERTが最大38%少なかった。また、軽度認知障害患者で健常コントロールよりもSERTレベルが高い者は一人もいなかった。軽度認知障害患者は健常コントロールに比べ、言語記憶スコアが37%低く、脳の海馬内のSERTレベルが18%低かった。 |
 |
◆ |
家庭血圧測定における血圧変動が大きいことは全てのタイプの認知症リスクが高いことと関連がある [2017-08-22] |
Large variations in blood pressure readings during home monitoring associated with higher risk of all types of dementia |
高血圧の有無にかかわらず、血圧が日によって大きく変動する場合、認知症リスクが高い可能性があるとCirculation に掲載された。他の認知症リスクファクターおよび平均血圧値そのもので補正した結果、血圧が最も安定していた者に比べ、収縮期血圧の変動が最大であった者は、全てのタイプの認知症またはアルツハイマー病を発症するリスクが2倍以上(それぞれ2.27倍、2.2倍)であり、血管性認知症を発症するリスクが3倍近かった。 |
 |
◆ |
うつ病の心疾患患者はうつ病ではない患者に比べ死亡率が倍である [2017-08-08] |
Death rate for depressed cardiac patients double that for non-depressed patients |
冠動脈疾患の診断後にうつ病を発症した患者は、うつ病ではない心疾患患者に比べ死亡リスクが2倍も高い、とEuropean Heart Journal - Quality of Care & Clinical Outcomes に掲載された。研究者らは、冠動脈疾患後のうつ病は単独では最大の死亡リスクであり、他の危険因子をコントロールしても残存することを明らかにした。この相関関係は、心疾患の診断前にうつ病と診断されていても、冠動脈造影を行った理由が安定狭心症、不安定狭心症、または心筋梗塞など様々であっても違いはなかった。 |
 |
◆ |
非侵襲的な技術でアルツハイマー病と前頭側頭型認知症とが鑑別できる [2017-08-08] |
Non-invasive technique distinguishes between Alzheimer's disease and frontotemporal dementia |
アルツハイマー病と前頭側頭型認知症を鑑別するのに新たな方法が役立つ可能性がある、との予備研究がNeurology® オンライン版に掲載された。経頭蓋磁気刺激(TMS)を用いて、研究者らは、脳内の様々な回路の電気シグナルを伝導する能力を計測することができた。アルツハイマー病の人々は主にあるタイプの回路に問題を有していたが、前頭側頭型認知症患者では他の回路の問題を有していた。これにより、前頭側頭型認知症とアルツハイマー病を90%の精度で鑑別でき、健康脳とアルツハイマー病を87%の精度で、前頭側頭型認知症と健康脳を86%の精度で鑑別することができた。 |
 |
◆ |
メンタルヘルスが不良な鼻形成術前の患者は鼻閉を過剰に報告するようである [2017-08-01] |
Preoperative rhinoplasty patients with poor mental health may over-report nasal obstruction |
鼻形成術前の患者を対象としたスタディにおいて、精神的に満たされた状態になく自己肯定感が低いことと、鼻機能の認識が不良であることに関連があることが示唆された、とJAMA Facial Plastic Surgery に掲載された。オーストラリアの研究者らは呼吸困難を有する患者を対象とし、彼らは評価を受け、手術を考慮または施行されていた。スタディ対象の495人(女性302人)中、精神的に満たされた状態になく自己肯定感が低い患者は、メンタルヘルスが良好な患者に比べ、鼻機能の認識が不良であった。鼻腔通気度解析の結果は同様であった。身体醜形懸念は患者の報告する鼻機能とは関連がなかった。 |
 |
◆ |
健康状態がまずまず、またはすぐれないと自己報告する人々にとって神経症傾向は死亡リスクを軽減するようである [2017-08-01] |
Neuroticism appears to reduce risk of death for people who self-report fair or poor health |
50万人超を対象とした縦断的研究のデータから、神経症傾向の性格特性が高いことは、健康状態がまずまずか、すぐれないと報告する人々の死亡リスクを軽減する可能性があることが示された。概して、このデータから重度の神経症傾向を有する参加者の死亡率はやや高いことが示された。しかし、参加者の自己評価による健康状態で補正したところ、神経症傾向が高いほど総死亡およびがんによる死亡のリスクがやや低いことが示された。不安や傷つきやすさに関連している神経症傾向の特定の側面は、自己報告による健康状態にかかわらず、死亡率が低いことと関連があった。この研究結果はPsychological Science に掲載された。 |
 |