◆ |
自然災害に曝露された若者においてPTSDとアルコール乱用は多く認められる [2017-05-30] |
PTSD and alcohol use disorder common in adolescents exposed to natural disasters |
自然災害や環境災害に高度に曝露された若者は、そうでない者に比べ、高レベルのアルコール乱用および心的外傷を示す、との新たな研究結果が2017年American Psychiatric Association 年次集会で発表された。ハリケーン・カトリーナおよびメキシコ湾原油流出事故に高度に曝露された若者(14〜18歳)は、これらの災害への曝露が低レベルであった者に比べ、高度のアルコール乱用や心的外傷を有していた。PTSDの最も強力な予測因子はうつ病であり、次に怒りおよび孤独であった。この結果は、心的外傷を経験した若者に対するメンタルヘルスサービスの重要性を示唆している。 |
 |
◆ |
ネットいじめは若者のうつ病および精神的虐待と関連がある [2017-05-30] |
Cyberbullying linked with depression and emotional abuse in adolescents |
ネットいじめは、特に過去に精神的虐待を経験したティーンエイジャーの精神疾患を悪化させる可能性がある、との新たな研究結果が2017年American Psychiatric Association 年次集会で発表された。研究者らは、精神疾患による入院患者50人(13〜16歳)のソーシャルメディア使用およびネットいじめに関するデータを収集した。50人中10人は、ネットいじめの被害者であった。ネットいじめはうつ病や解離、および怒りの症状と関連した。過去の精神的虐待の経験は、ネットいじめと有意に相関があった。人生早期における身体的および性的虐待や、身体的および感情的ネグレクトなどの他のタイプのトラウマは、ネットいじめとは関連がなかった。 |
 |
◆ |
パーキンソニズムを伴うシヌクレイン症と臨床診断された患者における生存率と死因 [2017-05-23] |
Survival and causes of death among patients with clinically diagnosed synucleinopathies with Parkinsonism |
JAMA Neurology に掲載された新たな研究において、パーキンソン病、レビー小体型認知症、パーキンソン病における認知症、およびパーキンソニズムを伴う多系統萎縮症などのシヌクレイン症患者と、一般人口における生存率が比較されている。シヌクレイン症患者461人中、316 人(68.6%)が追跡期間中に死亡し、比較対照の452人においては220人(48.7%)が追跡期間中に死亡した。全体で、シヌクレイン症を有する患者はこれを有さない者よりも、約2年早く死亡した。死亡リスクが最も高かったのはパーキンソニズムを伴う多系統萎縮症患者であり、次いでレビー小体型認知症、パーキンソン病における認知症、さらにパーキンソン病であった。 |
 |
◆ |
ADHD治療薬の使用が自動車事故リスクを減少させた [2017-05-23] |
Use of ADHD medications associated with reduced risk for motor vehicle crashes |
注意欠如/多動性障害(ADHD)患者230万人余りを対象とした観察研究において、患者が薬剤を内服していると自動車事故(MVC)率が低かった、とJAMA Psychiatry に掲載された。対象のADHD患者(平均年齢32.5歳)のうち190万人(83.9%)が追跡期間中に少なくともADHD処方薬を1剤内服していた。11,224人(0.5%)の患者がMVCにより少なくとも1回は救急外来を受診した。ADHD患者における薬剤使用は、男女いずれにおいてもMVCのリスクを軽減した。 |
 |
◆ |
妊娠中の母親の喫煙と子の重篤な精神疾患との関連は家族要因で説明できる [2017-05-16] |
Family-related factors explain link between maternal smoking in pregnancy and severe mental illness in offspring |
妊娠中の喫煙と子の重篤な精神疾患との関連は、催奇形効果の因果関係よりも家族要因で説明できる、とJAMA Psychiatry に掲載された。研究者らは、地域住民レベルのデータと家族ベースの従妹および兄弟の比較を用いて、妊娠中の喫煙と子の重篤な精神疾患(双極性障害および統合失調症スペクトラム障害)について調査した。地域住民レベルでは、妊娠中に中等度および高度の喫煙にさらされた子は、喫煙にさらされなかった子に比べ、重篤な精神疾患を有する割合がはるかに高かったが、家族要因を考慮すると、これらの関連は低下した。この関連性は兄弟間の比較では一層弱く、統計学的に有意ではなかった。 |
 |
◆ |
高齢者の認知機能と社会的つながりの関係についてのエビデンスの増加 [2017-05-16] |
Growing evidence of the relevance of social relationships for cognitive health in older age |
成人した子供による積極的なソーシャルサポートは認知症の発症リスクを低下させる、との新たな研究結果がJournal of Alzheimer's Disease に掲載された。English Longitudinal Study of Ageing の10年間の追跡調査によると、これとは逆にソーシャルサポートが消極的であると、認知症リスクは上昇する。積極的ソーシャルサポートスコアが1ポイント上昇すると同時に、認知症発症リスクは17%低下した。しかし、サポートが消極的であることはより強力な影響を及ぼし、消極的サポートスコアが1ポイント上昇すると認知症リスクは31%上昇した。 |
 |
◆ |
糖分‐特に加糖飲料のフルクトース‐の過剰摂取は脳の老化を加速させる可能性がある [2017-05-02] |
Excess sugar – especially the fructose in sugary drinks – may accelerate brain aging |
加糖飲料を頻繁に摂取する人々は、記憶力低下、全脳容積低下、海馬の顕著な萎縮の傾向が強い、とのFramingham Heart Study の結果がAlzheimer's & Dementia に掲載された。研究者らは、炭酸飲料、果汁、および他のソフトドリンクのいずれかを1日2本超または炭酸飲料のみで週3本超摂取する人々を観察した。"大量摂取"するグループでは、全脳容積の低下、エピソード記憶低下、および海馬の萎縮などの早期アルツハイマー病のリスクファクターとなる脳老化加速の様々な徴候が認められた。 |
 |
◆ |
不安、罪悪感、および苦悩は乳がん生存者をより健康的なライフスタイルへと導くことができる [2017-05-02] |
Anxiety, guilt, and distress can inspire breast cancer survivors to lead a healthier lifestyle |
不安、罪悪感、および苦悩は、がんと診断されることによる一般的な副作用である。しかしHealth Psychology に掲載された最近のスタディの結果、これらの一見否定的な感情が、実は患者にとってよいものであり得ることが示された。研究者らは乳がん生存者145人を調査し、患者の感情、新たな目標に向き合う能力および身体活動レベルを評価した。その結果、怒りや罪悪感などの感情が、新たな目標を設定し、もっと積極的な運動をする気持ちを奮い立たせることができることを明らかにした。否定的な感情が、これらの感情を引き起こすこともあり身体機能を低下させることもある、ストレスホルモンであるコルチゾールの上昇を抑えるのに役立っている。 |
 |