睡眠は不安障害やうつ病を患う人々がネガティブな感情を調整するのに役立つ可能性がある [2017-04-25]
Sleep may help regulate negative emotions in people who suffer from anxiety or depression

うつ病や不安障害を有する睡眠障害のある人々において、ネガティブな情動反応を調整するために脳の背側前帯状皮質(DACC)は過度に働く必要がある可能性がある、とDepression and Anxiety に掲載された。研究者らは機能的MRIを用いて、被検者が感情調節課題に取り組んでいる間の異なる脳領域の活性を計測した。不安障害、大うつ病、またはそれら両者を有すると診断され、質問票で睡眠障害を訴えた者は、再評価課題中のDACC脳活性が少なかった。不眠(アクチグラフデータで睡眠効率が低い)を有する者は、DACC活性が高かった。

妊娠中の抗うつ薬使用は子供の自閉症やADHDのリスクを上昇させない [2017-04-25]
Antidepressant use during pregnancy does not increase risk of autism or ADHD in children

JAMA に掲載された2つのスタディにおいて、妊娠中に抗うつ薬を使用する女性における子供の自閉症およびその他の出生時有害事象のリスクが調査された。1つ目のスタディにおいて、セロトニン作動性抗うつ薬に曝露された子供は自閉症スペクトラム障害のリスクが高かったが、交絡因子で補正した結果、その差は統計学的に有意ではなくなった。もう1つのスタディでは、妊娠期間、母親および父親の特性、および兄弟が共有する全ての(測られない)不変の家族の特性を考慮した結果、妊娠初期の母親の抗うつ薬使用は、早産リスクをやや上昇させたが、低出生体重、自閉症スペクトラム障害、または注意欠如/多動性障害(ADHD)のリスクは上昇させなかった。

Valbenazineは統合失調症、統合失調症様障害および気分障害における遅発性ジスキネジアを減少させる [2017-04-18]
Valbenazine decreases tardive dyskinesia in schizophrenia, schizoaffective disorder and mood disorder

Valbenazineを1日1回投与することにより、統合失調症、統合失調症様障害および気分障害の患者における遅発性ジスキネジアを有意に減少させることができる、とAmerican Journal of Psychiatry に掲載された。Valbenazineは、小胞モノアミントランスポータータイプ2阻害薬である。統合失調症、統合失調症様障害または気分障害の患者225人が、この第3相ランダム化二重盲検プラセボコントロールトライアルに参加した。Valbenazineを1日80 mg投与された患者の40%が少なくとも50%改善したのに対し、プラセボ群におけるその割合はわずか8%であった。研究者らはまた、valbenazineの忍容性は良好であると判断した。

アルツハイマー病発症における血管疾患の影響を支持する結果が得られた [2017-04-18]
Findings support role of vascular disease in development of Alzheimer's disease

25年以上前のスタディに参加した成人において、中年期での肥満、高血圧、糖尿病、高コレステロールおよび喫煙などの血管疾患リスクファクターが多いことは、のちの脳内アミロイドレベル上昇と関連がある、とJAMA に掲載された。老年期ではなく中年期の血管リスクファクターの累積数は、脳内アミロイドの増加と関連があった。APOE ε4アレルの有無によるこの関連性の有意差はなかった。これらの結果は、アルツハイマー病発症における血管疾患の影響と一貫している。

認知機能の平均的な高齢者と記憶力の優れた高齢者における脳萎縮を比較したスタディが施行された [2017-04-11]
Study compares brain atrophy between cognitively average elderly and those with superior memory

認知機能の平均的な高齢者は、平均的な中年と同様に良好な記憶力を有する80歳以上の"スーパー高齢者"と比較し、18か月にわたり観察された年当たりの全脳皮質容積の減少が大きいことが示された、とJAMA に掲載された。研究者らは、スーパー高齢者24人と認知機能の平均的な高齢者12人において、脳皮質容積の変化を18か月にわたり定量化した。両群とも、統計学的に有意な平均的年間全脳皮質容積減少を示した(スーパー高齢者、1.6%;認知機能の平均的な高齢者2.24%)。しかし、全脳皮質容積の年あたりの変化率は、認知機能の平均的な高齢者においてスーパー高齢者よりも有意に大きかった。

10年以上前の気分障害既往歴はアルツハイマー病リスクを上昇させない [2017-04-11]
History of mood disorder 10 or more years ago does not increase risk of Alzheimer's disease

精神疾患はアルツハイマー病リスクを上昇させないが、アルツハイマー病と診断される前に精神疾患と診断される率は上昇する。これは、精神疾患がアルツハイマー病の前駆症状である可能性があるためである。アルツハイマー病と診断される少なくとも5年前に発症した精神疾患を考慮すると、うつ病やその他さまざまな気分障害の既往歴は、アルツハイマー病の高リスクと関連があった。しかしこの関連性は、時間枠を10年に延長すると消失した。これらの結果はEuropean Psychiatry に掲載された。