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一部の男性はパートナーの妊娠中にうつ症状が増加する [2017-02-28] |
Depression symptoms increase among some men when their partners are pregnant |
ストレスを感じたり健康状態が不良な男性は、パートナーの妊娠時および出産9か月後にうつ症状が増加した、とJAMA Psychiatry に掲載された。パートナーが出産予定または出産した男性を対象としたスタディの結果、2.3%(82人)がパートナーの出産前にうつ症状が増悪し、4.3%(153人)が出産9か月後にうつ症状が増悪した、と筆者らは報告している。パートナーの妊娠中に男性のうつ症状が増悪することは、ストレスを感じたり健康状態が不良であることと関連があった。 |
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軽度の冠動脈狭窄を有する女性は同様の男性に比べ健康状態が不良であり、不安が強く消極的である [2017-02-28] |
Women with mild heart blockage report poorer health, more anxiety and negativity than men |
軽度の冠動脈狭窄を有する女性は同様の病態の男性に比べ、健康状態が不良で不安が強く消極的である、とCirculation: Cardiovascular Quality and Outcomes に掲載された。研究者らは、52〜70歳の患者において非閉塞性冠動脈疾患と心理社会的苦痛との関連を調査した。スタディの結果、非閉塞性冠動脈疾患患者において、健康不良、不安、およびタイプDパーソナリティ(否定的感情と社会的抑制の組み合わせ)の割合が、非閉塞性冠動脈疾患を有さない者よりも有意に高いことが示された。女性の方が男性よりも身体的障害や心理社会的苦痛をより多く訴えた。 |
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アンチセンスオリゴヌクレオチドはタウ関連疾患治療として有用なツールである可能性がある [2017-02-21] |
Antisense oligonucleotides may be effective tools for tackling tau-associated disorders |
毒性型タウ蛋白により引き起こされる一部の脳損傷を、予防および逆戻りさせることが可能であることが示された。Science Translational Medicine に掲載されたこの知見は、細胞のタウ産生ラインを阻害する様に遺伝子組み換えされたタウアンチセンスオリゴヌクレオチドと呼ばれる化合物のスタディが、様々な疾患の有効な治療として行われる可能性があることを示唆している。これらの化合物をマウスの脳内の液体で満たされた空間に注射することにより、6〜8月齢マウスにおいてタウクラスタリングが予防され、高齢マウスではクラスタリングが逆戻りするようであった。この化合物はまた高齢マウスの長期生存、および脳の健康をもたらした。 |
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典型的な解剖学的男性脳は自閉症スペクトラム障害の可能性が高いことと関連がある [2017-02-21] |
Typical male brain anatomy associated with higher probability of autism spectrum disorder |
高機能自閉症スペクトラム障害(ASD)の研究の結果、解剖学上特徴的な男性脳はASDの可能性を上昇させることが示唆された、とJAMA Psychiatry に掲載された。この研究は脳皮質厚解析に基づいたものであるが、脳皮質厚は男女間で差がある可能性があり、ASD患者においても変化している可能性があるためである。解剖学上特徴的な男性脳は、解剖学上特徴的な女性脳よりもASDリスクが高かった。例えば、解剖学上典型的な男性脳を有する生物学的女性は、解剖学上特徴的な女性脳を有する生物学的女性よりもASDを有する確率が3倍高かった。 |
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重度の先天性心疾患を有する小児の親は心的外傷後ストレス障害、不安症またはうつ病のリスクが高い可能性がある [2017-02-14] |
Parents of children with serious heart defects may be at risk of post-traumatic stress, anxiety or depression |
少なくとも1回の心臓手術を必要とする先天性心疾患を有する子供の親−特に母親−は精神疾患、特に心的外傷後ストレス障害(PTSD)、不安症およびうつ病のリスクが高い可能性がある、とJournal of the American Heart Association に掲載された。重度の先天性心疾患を有する小児の親のうち、30%はPTSDに合致する症状を有し、80%以上は心的外傷の顕著な症状を示したことが明らかにされた。25〜50%はうつ病、不安症のいずれかまたは両方の症状が増大した、と報告した。30〜80%は重度の心理的苦痛を経験した、と報告した。 |
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加齢により体重が大きく減少することは軽度認知障害リスクが高いことと関連がある [2017-02-14] |
Greater weight loss during aging associated with increased risk of mild cognitive impairment |
中年期から老年期にかけて、10年当たりの体重減少が大きいことは軽度認知障害(MCI)のリスクが高いことと関連がある、とJAMA Neurology に掲載された。平均4.4年の追跡期間中に、認知機能が正常な1,895人中524人(約50%が男性、平均年齢78.5歳)がMCIを発症した。MCI発症者は、認知機能が正常なままであった者に比べ、中年期以降の10年当たりの平均体重減少が大きかった(-4.4ポンド対-2.6ポンド)。リスクは体重減少が大きくなるにつれて上昇した:10年間で11ポンド減少すると、MCIリスクは24%上昇した。 |
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知的活動は高齢者の軽度認知障害リスクを減少させる [2017-02-07] |
Mentally stimulating activities reduce risk of mild cognitive impairment in older adults |
認知機能の正常な70歳以上の人々を対象としたスタディにおいて、何らかの知的活動に参加することは軽度認知障害(MCI)の発症リスクを低下させた、との新たな論文がJAMA Neurology オンライン版に掲載された。研究者らは、1,929人の高齢者を、MCIが発症するまでの期間中央値4年間にわたり追跡した。この時点で、参加者のうち456人がMCIを発症していた。ゲームをすること、工作、コンピュータを用いて社会活動に参加することは、MCIリスクが低いことと関連があった。本研究は、知的活動に参加することとMCIリスクとの関連における可能性のあるメカニズムについて調査したものではない、と筆者らは述べている。 |
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脳内のグルコース欠乏は認知機能低下の引き金となる [2017-02-07] |
Glucose deprivation in the brain triggers onset of cognitive decline |
Translational Psychiatry オンライン版に掲載されたスタディの結果、脳内のグルコース欠乏がリン酸化タウとして知られる蛋白の蓄積を介して認知機能低下、特に記憶障害発症の引き金となることが示された。リン酸化タウは脳内に沈殿集積し、タングルを形成し神経の死を誘発する、と筆者らは説明している。一般的に、神経原線維変化が大量であるほど認知症が重度である。このスタディではまた、アルツハイマー病における代替標的薬となり得るp38として知られる蛋白も同定した。 |
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