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新薬が多発性骨髄腫と慢性リンパ性白血病における死亡リスクを劇的に減少させる [2017-12-26] |
New drugs dramatically reduce risk of death in multiple myeloma and chronic lymphocytic leukemia |
多発性骨髄腫と慢性リンパ性白血病(CLL)に対し新薬は標準治療よりも著明に優れている、と59th American Society of Hematology Annual Meetingのlate breaking clinical trial sessionで発表された。新たに診断された多発性骨髄腫の治療に対し、モノクローナル抗体を使用し評価した初めてのランダム化試験の結果、標準治療の1つにダラツムマブを併用することにより、増悪または死亡を50% 減少させることが示された。第III相試験において、分子標的薬venetoclax とリツキシマブの併用治療は、CLL患者に対し、がんの増悪なしに2年間生存する確率を2倍以上に上昇させた。 |
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直接経口抗凝固薬は、がん関連静脈血栓塞栓症に対する実行可能な治療選択肢である [2017-12-26] |
Direct oral anticoagulants are viable option for treating cancer associated venous thromboembolism |
標準的な抗凝固療法と直接経口抗凝固薬(DOAC)を比較した初めての大規模ランダム化比較試験の結果、エドキサバンは低用量ヘパリンと同等に有用であり、がん関連静脈血栓塞栓症の代替治療となり、またより好ましい治療戦略となり得ることが示唆された。DOACエドキサバンは大出血率をわずかに上昇させたが、これは静脈血栓塞栓症の再発率がやや低いことで相殺された。今回のスタディ対象者は、広範囲ながんのタイプを有し、さまざま化学療法を受けていた。このlate breaking clinical trial の結果は、59th ASH Annual Meeting and Exposition で発表された。 |
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運動負荷エコー上、心機能容量が良好であることはがん死リスクが低いことと関連する [2017-12-19] |
Good functional capacity on exercise echocardiography associated with lower risk of cancer death |
運動能力の高い心臓疾患患者はがんで死亡する確率が低い、との12,000人超を対象とした観察研究が EuroEcho-Imaging 2017 で発表された。平均4.7年間の追跡期間中、669人の患者ががんで死亡した。心機能容量が低いほど、有意にがん関連死リスクが高かった。心機能容量が良好な患者のがん関連死は、心機能容量が不良な患者の半分であった(0.8% vs. 1.5%; 0<0.001)。高齢、男性および喫煙もまた、がんによる死亡リスクを上昇させ、ハザード比はそれぞれ1.05(年間差)、2.15、および1.52であった。 |
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CAR-T細胞療法は再発または難治性リンパ腫の患者に対し有望である [2017-12-19] |
CAR T-cell therapies hold promise for people with refractory and relapsed lymphoma |
59th American Society of Hematology (ASH) Annual Meeting and Exposition で発表された3つの試験は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法が、進行の速い難治性の血液がんに対し高い臨床的有効性を示し、患者を助ける新たな役割に注目した。2つの異なる長期追跡解析の結果、悪性リンパ腫細胞に頻回に発現するCD-19を標的とした、遺伝子組み換えによるT細胞を投与された患者において、初期応答が持続することが示された。3つ目の第I相試験−BCMAバイオマーカーを標的としたCAR-T細胞療法を評価した最大規模の試験の1つ−は、あらゆる抗がん剤治療歴を有する多発性骨髄腫患者において有望な早期結果を示した。 |
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中等度リスクの前立腺がん患者において、より短期の放射線療法は転帰を改善する可能性がある [2017-12-12] |
Shorter course of radiation therapy may provide better outcome in intermediate-risk prostate cancer |
一部の中等度リスク前立腺がん患者においては、高線量の放射線を用いた短期の放射線療法が好ましい可能性がある、とEuropean Urology Focus に掲載された。研究者らは、少分割放射線療法(HRT)と従来の分割高線量体外放射線療法(CRT)を比較した、3つのランダム化試験の対象者計5,000人余りのデータを解析した。1か月間のHRTは、2か月間のCRTに比べ、再発リスクが13% 低かった。膀胱の副作用のリスクファクターを有さない中等度リスク前立腺がん患者において、HRTを考慮することは妥当であろう、と研究者らは提言している。 |
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PSMA PET陰性であることは、前立腺がんに対する救済放射線療法の奏効度が高いことを予測する [2017-12-12] |
Negative PSMA PET predicts a high response to salvage radiation treatment for prostate cancer |
Journal of Nuclear Medicine で取り上げられたスタディによると、68Ga-PSMA PET/CT画像により救済放射線療法(SRT)が有益である患者を見極めることができる。PSMA陰性または前立腺窩限局PSMA(fossa-confined PSMA)の前立腺がん男性は、SRTの奏効率は高いが、リンパ節転移または遠隔転移を有する患者の奏効率は低い。特に、PSMA PET陰性であることは、SRTに対する奏効率が高いことを予測する。SRTを施行されたPSMA陰性群における治療奏効率は85% であり、一方、PSMA陰性でSRTを施行されなかった患者では65% において前立腺特異抗原が上昇した。 |
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過体重の女性においてはマンモグラフィーが異常なしとされてから2年以内に検出されたがんが大きい [2017-12-05] |
Cancers detected within two years of a normal mammogram are larger in overweight women |
ボディーマスインデックス(BMI)が高値の女性は、乳房の腫瘍が大きくなるまで検出されないリスクが高い、と2017 annual meeting of the Radiological Society of North America で発表された。スクリーニングで検出されたがんに関しては、診断時に大きい腫瘍であることとBMIおよび乳腺密度の両者が関連した。しかし、中間期がん(マンモグラフィーで正常とされてから2年以内に検出されるがん)の場合、BMIのみが腫瘍が大きいことと関連があった。BMIが高値の中間期がん女性は、BMIが低値の中間期がん女性に比べ、予後は不良であった。乳腺密度は疾患増悪とは有意な相関を示さなかった。 |
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