ヨガは進行肺がん患者およびその介護者にとって有効な支持療法となり得る [2017-10-31]
Yoga can be an effective supportive therapy for people with advanced lung cancer and their caregivers

放射線療法を受けている進行肺がん患者およびその介護者を対象としたfeasibility 試験において、ヨガは両者にとって有益であった、と2017 ASCO Palliative and Supportive Care in Oncology Symposium で発表された。ヨガペアーとコントロールペアーを比較した結果、ヨガを実践した患者は、6分間歩行試験で評価した身体機能(ヨガ478点 対 コントロール402点)、仕事や日常活動に対する持久力が有意に良好であり、メンタルヘルスも改善した。一方、ヨガの指導を受けた介護者は、仕事中の疲労や持久力が改善した。

レジリエンスに関する簡潔な対面介入は若年がん患者の心理社会的健康を改善する [2017-10-31]
Brief in-person resilience intervention improves psychosocial health in young patients with cancer

レジリエンスに関する簡潔な対面介入は、特に脆弱な立場の集団‐がんを患う青少年患者‐の心理社会的健康を改善する。多くのプログラムが患者や家族に対し、ある程度の心理社会的サポートを提供するが、このストレスに対処する標準化した方法を提供するプログラムはほとんどない。Promoting Resilience in Stress Management (PRISM) と呼ばれるこの介入により、大部分の患者において回復力およびQOLを改善し、希望を増大させ、苦痛を軽減させた。さらに、うつ病発症率は、通常ケア群に比べ介入群でより低かった(6% vs. 21%)。これらの結果は2017 ASCO Palliative and Supportive Care in Oncology Symposium  で発表された。

機械学習技術は不必要な乳房手術を1/3減少させる可能性がある [2017-10-24]
Machine learning technology has potential to reduce unnecessary breast surgeries by one-third

機械学習法はがん化しやすい高リスク乳房領域を同定する助けになる、とRadiology オンライン版に掲載された。研究者らは、生検で高リスク領域であることが立証され、手術を受けたか2年間の追跡画像検査を受けた患者群について、疾患モデルをトレーニングした。高リスク領域3分の2において機械学習によるモデルトレーニングを行った後に、研究者らは残りの335領域について検査を行った。その結果この疾患モデルは、がんに進行した38領域中37領域、つまり97% を正確に予測した。彼らはまた、このモデルを用いることにより、良性病変の約3分の2の手術を回避するのに役立つことも明らかにした。

クライオセラピーは化学療法による末梢神経障害の他覚症状および自覚症状を予防する [2017-10-24]
Cryotherapy prevents both objective and subjective symptoms of chemotherapy-induced peripheral neuropathy

Journal of the National Cancer Institute に掲載されたスタディの結果、化学療法を施行される患者が凍結手袋と靴下を90分間装着するクライオセラピーは、神経障害症状の予防に有用であることが明らかにされた。このスタディは、臨床的および統計学的に患者の主観的症状が有意に軽減したこと、客観的徴候(触覚および温覚)が軽減したこと、手先の器用さの低下の予防などを裏付けとして、化学療法による末梢神経障害の予防に対するクライオセラピーの有用性を支持している、と研究者らは報告している。神経障害の自覚症状は、パクリタキセル治療の経過中に臨床的および統計学的有意に遅延し、累積用量960 mg/m2時点での神経障害の自覚症状は、ほぼ完璧に予防された。

乳がんにおけるBRCA依存性DNA修復経路のメカニズムが明らかにされた [2017-10-17]
Researchers define mechanism of BRCA-dependent DNA repair pathway in breast cancer

BRCA1遺伝子変異が、女性の乳がんを発症しやすくすることが明らかにされて20年以上が経過した後に、これらの変異が破壊をもたらす分子的メカニズムが明確に示された。研究者らは、内因性ストレスや放射線曝露など周囲の環境によって引き起こされたDNA損傷を修復するために、正確な遺伝子配列を補充するのにBRCA1とそのパートナーであるBARD1が必要であることを示した。Nature に報告されたこれらの結果は、乳がんや卵巣がんと闘う薬剤開発のみならず、これらのがん発症リスクの高い女性を同定するためにも役立つ。

免疫反応スコアは前立腺がんの再発や生存率の予測因子である [2017-10-17]
Immune response score predictive of disease recurrence and survival outcomes in prostate cancer

前立腺がんにおける免疫反応は、がんの再発率や生存率に加え、放射線療法の奏効率を予測することができる可能性がある、と59th Annual Meeting of the American Society for Radiation Oncology で発表された。9,393の組織検体のクラスター分析により、免疫関連経路が高発現している患者群が同定された。免疫スコアが高レベルであることは、がんの進行がないこと(p=0.0002)、遠隔転移がないこと(p=0.0006)、前立腺がん特異的生存率(p=0.0003)および全生存率(p=0.006)などの生存率が低いことと関連があった。

治療中および治療後の血中循環腫瘍DNAの存在は、肺がん再発および長期生存率不良と関連がある [2017-10-10]
Presence of circulating tumor DNA during and after treatment associated with lung cancer recurrence and worse long-term survival

がんを検出する血液検査により、局所進行非小細胞肺がん患者の治療転帰が予測でき、医師にとってがん再発に対する個別化治療を行うまでの追加リードタイムを得られる可能性がある。治療直後の血中循環腫瘍DNA(ctDNA)が検出可能なレベルであったスタディ対象者全員が、2年以内に再発した。一方で、治療直後のctDNAが検出されなかった患者では、一人を除いて再発がなく長期生存した。逆に言うと、従来の画像検査は再発や生存の予測にはならなかった。これらの結果は、59th Annual Meeting of the American Society for Radiation Oncology 年次集会で発表され、Cancer Discovery に掲載された。

適切に選択された中咽頭がん患者に対する標準線量の半分を照射する術後放射線療法の実行可能性 [2017-10-10]
Viability of half the standard dose for appropriately selected patients with oropharynx cancer following surgery

ヒトパピローマウイルスにより引き起こされた中咽頭がん患者の一部に対し、積極的に線量を減らした術後放射線療法のがんコントロールは優れており、同時に治療後副作用を軽減し、QOLを向上させ治療費を減少させる、と 59th Annual Meeting of the American Society for Radiation Oncology の late breaking clinical trial session で発表された。この第II相臨床試験の対象者は標準線量の半分を照射されたが、術後2年の同等に高い治癒率を達成した。

化学療法に放射線療法を併用することにより進行非小細胞肺がんの生存率が劇的に改善する可能性がある [2017-10-03]
Adding radiation to chemotherapy may dramatically improve survival for advanced non-small cell lung cancer

限局型転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する放射線療法と化学療法の併用は、化学療法のみと比べ、がんの進行を劇的に抑制するとのlate breaking 第II相臨床試験の結果が、59th Annual Meeting of the American Society for Radiation Oncology で報告され、JAMA Oncology に掲載された。研究者らは、地固め放射線療法後に化学療法を行った場合の無増悪生存期間中央値が9.7か月であったのに対し、維持化学療法のみでは3.5か月であったと報告した(p=0.01)。治療に関連した副作用は、2つの治療法で差がなかった。

より高線量の放射線治療を短期間行うことは、50歳未満の乳がん患者において美容上優れた治療法である [2017-10-03]
Shorter course of higher dose radiation treatment shows good cosmesis for breast cancer patients under age 50

高線量で短期間の放射線療法は安全かつ効果的であり、50歳未満の乳がん患者においては、50歳以上の患者に比べ乳房組織への損傷は同程度である、と59th Annual Meeting of the American Society for Radiation Oncology で発表された。研究者らは、寡分割照射が若年患者において安全かつ効果的であり、治療5年後に94.5% の患者において再発を認めず、晩期有害事象が重篤(グレード3〜4)であったのは、3.3% の患者のみであった。また、寡分割照射の長期の美容上の評価も、50歳以下の患者の92% において良から優良であった。