他の治療に不応であったCLL患者において分子学的長期寛解が達成された [2017-07-25]
Durable molecular remissions achieved in patients with CLL who had failed other treatments

Journal of Clinical Oncology に掲載された早期臨床試験において、他の治療に不応であった慢性リンパ性白血病(CLL)患者の腫瘍が、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞免疫療法後に、縮小または消失した。このスタディに参加した患者24人(年齢中央値61歳)は、過去に少なくて3つ、多くて9つもの他の治療を受けていた(中央値5つ)。その結果、治療4週間後のCTスキャンで計測した標準的なリンパ節計測値によると、24人中17人(71%)の患者において、CAR T細胞療法後に腫瘍が縮小または消失していた。

一部の女性は乳房切除術後の乳房再建を遅らせることによる利益を受ける [2017-07-25]
Some women may benefit from delaying breast reconstruction following mastectomy

肥満、糖尿病または喫煙などのリスクファクターを併せ持つ一部の患者は、乳房切除術直後に乳房再建術を施行しないことで、重篤な創合併症のリスクを減らすことができる、と JAMA Surgery に掲載された。17,293人の女性(平均年齢50歳)において乳房切除術が施行された。手術部位感染(SSI)および非感染性創傷合併症(NIWC)発生率は、直後のインプラント再建(IR;乳房切除術後7日以内)において、遅らせて施行したかまたは二次インプラント再建に比べ、やや高かった。インプラントIR後SSIまたはNIWCを発生した者は、二次再建およびさらなる乳房手術後の合併症リスクが高かった。

新しくより正確な早期警告システムにより膀胱がん再発が検出できる [2017-07-18]
New and more accurate early warning system detects bladder cancer recurrence

既存の方法よりもより早期かつより正確な膀胱がん再発のための検査が考案された、とBritish Journal of Cancer に掲載された。このスタディにおいて、膀胱尿路上皮がんの治療歴を有する患者348人の尿検体が、がん再発のマーカーであるTERT変異解析を実施され、細胞診/膀胱鏡検査の結果と比較された。TERTは、がんが再発しそうな段階になると、80%超の患者において予測することができた。細胞診は、わずか34%の患者において、再発を検出したのみであった。さらに、TERTはがんと尿路感染症を正確に鑑別した。

卵巣がんの既往を有するBRCA変異キャリアの多くにおいては、予防的乳房切除術による延命効果はほとんど認められなかった [2017-07-18]
Little survival benefit seen with prophylactic mastectomy in most BRCA mutation carriers with prior ovarian cancer

卵巣がんの既往を有する、BRCA変異キャリア女性のサブセットに対する予防的乳房切除術は、実質的な延命効果をもたらさず費用対効果も高くない、とAnnals of Surgical Oncology に掲載された。BRCA 1および2の変異を有し、卵巣がんと診断されてから少なくとも5年経過した40〜50歳女性において、予防的乳房切除術により生存期間はスクリーニングに比べ、2〜5か月延長した。他のすべての女性(年齢に関係なく卵巣がん診断後4年以内、および診断後の期間に関係なく60歳以上の女性)においては、予防的乳房切除術による生存期間の延長は、わずかなものであった。

がん経験者の女性は一般集団の女性に比べ妊娠達成率が3分の1少ない [2017-07-11]
Female cancer survivors are one-third less likely to achieve pregnancy than women in general population

2017年European Society of Human Reproduction and Embryology年次集会で発表された大規模住民研究の結果、がん経験者の女性は一般集団の女性に比べ妊娠達成率が38%低いことが示された。解析の結果、妊娠率は全ての年齢層で低く、がんの部位によりかなりの変動があり、特に子宮頸がん、乳がん、および白血病の女性において低いことも明らかにされた。この解析結果は、がんとその治療が全ての妊娠可能年代に及ぼすその後の影響について、地域住民をベースにした初めての強固なエビデンスを提供している。

リキッドバイオプシーは薬剤耐性獲得の多様で不均一な同時発現機構を効果的に同定する [2017-07-11]
Liquid biopsies effectively identify multiple heterogeneous and co-occurring mechanisms of acquired drug resistance

European Society for Medical Oncology's 19th World Congress on Gastrointestinal Cancerで発表されたスタディの結果、血中腫瘍DNA(ctDNA)を検出する"リキッドバイオプシー"は、治療効果低下に早期の注意喚起を促すだけではなく、その理由を説明するのにも役立つ可能性があることが示された。初期には治療が奏効した様々な型の消化器がん患者に対し、疾患が進行し始めた時にリキッドバイオプシーが施行された。特に、同時に従来の組織生検を施行された患者の約3分の2において、リキッドバイオプシーは組織内には認められなかった遺伝子変異を検出した。

MET活性型乳頭状腎細胞がんの患者においてsavolitinibは抗腫瘍活性を有する [2017-07-04]
Savolitinib has antitumor activity in patients with MET-driven papillary renal cell carcinoma

単一群、多施設共同、第II相臨床試験において、MET伝達経路の過活動により腫瘍が活性化する転移性乳頭状腎細胞がん(PRCC)患者に対し、savolitinibは臨床的有効性を示した、と Journal of Clinical Oncology に発表された。MET活性型がん患者の18%において、腫瘍の有意な縮小が認められ、50%は安定していた。一方、MET非依存性腫瘍患者で腫瘍が縮小した者はおらず、安定していたのはわずか24%であった。治療後、がんが進行し始めるまでの時間は、MET活性型腫瘍群において有意に長かった(6.2か月対1.4か月)。

ニボルマブは進行頭頸部がん患者のQOLをよりよく維持する [2017-07-04]
Nivolumab maintains better quality of life for patients with advanced head and neck cancer

進行頭頸部がん患者に対し、ニボルマブによる免疫療法は、患者のQOLに関する好ましくない影響の多くを軽減し化学療法よりも優しい、と Lancet Oncology に掲載された。ニボルマブ投与患者の評価は、第III相臨床試験期間中、一貫して高かった。9週後、ニボルマブ投与患者は、化学療法を受けた患者に比べ、疼痛、感覚に関する問題、食欲不振、疲労感および呼吸障害など、広範にわたる症状について経過が良好であった。15週後、ニボルマブ投与患者はまた、悪心、不眠および体重減少などが軽度であった。