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ナッツ類を食べる人は大腸がん再発リスクが半減する [2017-05-30] |
Chance of colon cancer recurrence nearly cut in half in people who eat tree nuts |
ステージIII大腸がん患者826人を対象とした観察研究の結果、1週間のナッツ摂取量が2オンス(約57g)以上であった者は、ナッツを摂取しない者に比べ、がん再発率が42%低く、死亡リスクが57%低かった。ピーナッツまたはピーナッツバターを摂取した者においては、がんの再発または死亡の有意な減少はなく、筆者らはこの有益性は木の実(アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツ、カシューナッツ、およびペカンナッツなど)に限られると結論付けた。これらの結果は、2017年ASCO年次集会のポスターセッションで発表される。 |
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すべてのがんの中で、肺がんは患者の自殺リスクを最大にするようである [2017-05-30] |
Among all cancers, lung cancer appears to put patients at greatest suicide risk |
肺がんの診断は、皮膚がん以外の最も一般的なタイプのがんの診断に比べ、自殺リスクを最大にするようである、とAmerican Thoracic Society 2017 International Conference で発表された。一般人口に比べ、どんな種類のがんであっても、患者の自殺リスクは60%高かった。肺がん患者は420%、大腸がん患者は40%、乳がん患者は20%、そして前立腺がん患者は20%、それぞれ高かった。肺がん患者のうち、自殺リスクがアジア人は13倍高く、男性はほぼ9倍高かった。 |
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BRCA 遺伝子変異キャリアにおける前立腺がん発症率は一般人口を大幅に上回る [2017-05-23] |
Prostate cancer rates in BRCA mutation carriers substantially higher than for the general population |
ある遺伝子変異の前立腺がんリスクおよび発症、特に転移性疾患に対する影響に関する新たな事実が、第112回American Urological Association 年次集会で発表された。あるスタディにおいて、BRCA1 遺伝子変異患者の8%、およびBRCA2 遺伝子変異患者の5%において前立腺がんが同定された。この割合は、一般人口において報告されているよりも大幅に高かった。他のスタディにおいては、24.4%の患者においてDNA修復遺伝子に少なくとも1つの機能的変異の可能性が認められた。DNA修復パスウェイにおいて最も一般的に変異していた遺伝子はBRCA2 (11%)、ATM (66%)、MSH6 (2.5%)、MSH2 (2%)、ATR (1.6%)、MLH1 (1.3%)、およびBRCA1 (1.2%)であった。 |
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喫煙強度が高いことは膀胱がん患者における死亡リスクが高いことと関連する [2017-05-23] |
Higher smoking intensity associated with increased risk of mortality in bladder cancer patients |
第112回American Urological Association 年次集会で発表された研究の結果、膀胱がん患者は一般的なタバコ喫煙量を少し減量するだけで、寿命が延長する可能性があることが示された。1日の喫煙本数が1パック未満の患者と、1〜2パック喫煙する患者および2パック超喫煙する患者における全生存期間中央値および5年生存率が比較された。多変量解析において、1日の喫煙が最低1〜2パックの患者は、1日の喫煙が1パック未満の患者に比べ、死亡リスクが高かった(p<0.001)。 |
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電子タバコは膀胱がんリスクを上昇させる可能性がある [2017-05-16] |
E-cigarettes linked to potential increased risk for bladder cancer |
第112回American Urological Association 年次集会で発表されたデータの結果、電子タバコ喫煙と膀胱がんリスクとに有害な関連性が示された。あるスタディにおいて、電子タバコ喫煙者の92%の尿が、既知の膀胱がん発がん物質検査5つのうち2つで陽性であった。他のスタディでは、電子タバコの煙が膀胱粘膜における腫瘍化の原因となるDNA損傷を誘導することが示された。筆者らは、尿路上皮細胞内においてニコチンがニトロソ化され、その後さらに発がん性ニトロソアミンおよびホルムアルデヒドに代謝されることを指摘している。電子タバコはまた、DAN修復を阻害し突然変異の起こりやすさを増強した。これらの結果から研究者らは、電子タバコ喫煙者は膀胱がんリスクが高いことを予測した。 |
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注意深く選別された低リスク前立腺がん患者において、アクティブサーベイランスは妥当な選択肢の可能性がある [2017-05-16] |
Active surveillance may be a reasonable option in carefully selected men with low-risk prostate cancer |
注意深く選別された60歳未満の低リスク前立腺がん患者において、アクティブサーベイランスは妥当な選択肢である可能性がある、と第112回American Urological Association 年次集会で発表された。研究者らは、アクティブサーベイランスのプロトコールに従った男性432人(年齢中央値55歳)の臨床転帰を解析した。このグループのうち、131人(30.3%)は、最終的には治療された(大部分は病理学的進行、PSA上昇、腫瘍容積の増加または患者の希望)。5人の患者が転移を来した(前立腺全摘術時リンパ節陽性2例、遠隔転移3例)。5年間の無転移生存率は99.7%であり、10年間では97.5%であった。前立腺がんによる死亡はなかった。 |
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不妊治療後に妊娠した子供は小児がんのリスクが高い [2017-05-02] |
Children conceived after fertility treatments are at increased risk for pediatric cancers |
不妊治療を行った母親から生まれた子供は様々なタイプの小児がんや腫瘍の発生リスクが高い、と American Journal of Obstetrics & Gynecology に掲載された。スタディ対象の新生児242,187人のうち、237,863人(98.3%)が自然妊娠した。2,603人(1.1%)は体外受精(IVF)により妊娠し、1,721人(0.7%)は排卵誘発(OI)剤の使用により妊娠した。約10.6年の追跡期間中に、1,498人(0.6%)が新生物の診断を受けた。新生物の発生率は自然妊娠の小児(0.59/1,000)に比べ、IVF後で最高であり(1.5/1,000)、OIによる出生でやや低かった(1.0/1,000)。 |
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便潜血検査陽性後の大腸内視鏡検査の遅れは大腸がんリスクを上昇させる [2017-05-02] |
Delay in colonoscopy following positive screening test associated with increased risk of colorectal cancer |
免疫化学的便潜血検査(FIT)陽性の患者において、フォローアップの内視鏡検査を8〜30日後に受けた者に比べ、10か月後に受けた者は大腸がんリスクが高く、診断時の病期がより進行していた、と JAMA に掲載された。FITの結果が陽性の患者において、10か月以内に内視鏡検査を受けた場合、大腸がんや進行がんのリスクは有意に上昇しなかった。あらゆる大腸がん、進行がんおよびステージIIおよびIV大腸がんのリスクは、10〜12か月以上後に検査を受けた場合、有意に高かった。 |
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