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平均的乳がんリスクの女性において補助的なスクリーニングツールとしてのMRIは有用な可能性がある [2017-02-28] |
MRI screening improves early diagnosis of breast cancer in all women not only those at high risk. |
MRIによるスクリーニングは全ての女性−高リスク女性のみならず−において、乳がんの早期診断を改善する、とRadiology オンライン版に掲載された。研究者らは、生涯乳がんリスクが15%未満の40〜70歳の女性2,120人を対象に、乳房MRIの効果を調査した。スタディ対象は、スクリーニングマンモグラムで異常はなく、高密度乳腺症例では超音波スクリーニングで異常はなかった。スタディ対象から検出された乳がん60症例のうち、40例は浸潤性がんであり、59例は乳房MRIのみで検出され、1例はマンモグラフィーでも検出され、マンモグラフィーまたは超音波のみにより検出されたものはなかった。 |
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一部の患者においては免疫療法を早期に中断しても、長期の腫瘍コントロールは良好である [2017-02-28] |
Some patients experience long-term tumor control even after discontinuing immunotherapy early |
新たな研究に関する早期知見は、現在の免疫チェックポイント阻害薬による標準的な治療法(がんが悪化するまで治療を継続)に疑問を投げ掛けている。副作用のためPD1/PD-L1免疫療法を早期に中止した転移性腎細胞がん患者のうち、42%が長期にわたる有効性を示し、すなわち追加の全身治療を6か月以上休むことができた。さらに広い意味では、この知見は一部の患者における免疫療法中断の影響に関する懸念を軽減するのに役立つ可能性がある。このスタディは、American Society of Clinical Oncology's 2017 Genitourinary Cancers Symposium で発表された。 |
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頭皮冷却装置は化学療法を受けている女性乳がん患者の脱毛を軽減する可能性がある [2017-02-21] |
Scalp cooling device may help reduce alopecia for women with breast cancer receiving chemotherapy |
JAMA 2月14日号に掲載された2つのスタディにおいて、化学療法前、治療中および治療後に頭皮冷却を受けた乳がん患者の脱毛が調査された。両スタディにおいて、頭皮冷却患者の半数以上において毛髪を維持できたのに対し、コントロール群においては毛髪が残存した者はいなかった。頭皮冷却は毛嚢への血流を減少させ、化学療法薬の取り込みを減少させるとの仮説が立てられている。脱毛を予防する最新の方法は、冷却帽子の中に冷凍液を循環させる装置を用いる。女性たちは、脱毛を最も辛い化学療法の副作用の1つに挙げている。 |
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高額な抗がん剤を低脂肪食とともに服用することにより有効性を変化させることなく医療費を75%削減できる [2017-02-21] |
Taking a high-priced cancer drug with a low-fat meal can cut cost by 75 percent without changing efficacy |
広く用いられている前立腺がん治療薬の標準用量の4分の1を、低脂肪の朝食とともに服用することで、推奨されている標準用量を服用した場合と同様の有効性を示し、価格は4分の1になる。ASCO's 2017 Genitourinary Cancers Symposium で発表されたこの第II相試験の結果、アビラテロン酢酸エステル 250 mgを低脂肪の朝食とともに服用した患者36人の転帰は、標準用量である1,000 mgを空腹時に服用した患者36人のそれと事実上同等であった。アビラテロン酢酸エステル服用患者は、通常12〜18か月にわたり服用を続けるため、用量を削減することにより医療費を大幅に削減できる。 |
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小児がん長期生存者における心理性的発達および満足度 [2017-02-14] |
Psychosexual development and satisfaction in long-term survivors of childhood cancer |
成人の小児がん既往者は、がんの既往のない者に比べ、性生活および恋愛関係に関して全体的には差はないが、特に神経系に対し毒性のあるがん治療を受けた者は性交をしたり、交際したり、または子供を持ったりする割合が最も低かった。生涯における性的パートナーの数が少ないことを除けば、がん既往者はコントロールと差がなかった;しかし、脳腫瘍既往者および、がんの種類に関係なく神経毒性のある高用量治療を受けた者は、心理性的発達の一里塚を達成する割合が最も低かった。このスタディはCANCER に掲載された。 |
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意図的な減量は閉経後女性の子宮内膜がんリスク低下と関連がある [2017-02-14] |
Intentional weight loss linked to decreased risk of endometrial cancer in postmenopausal women |
閉経後女性において、意図的な減量は子宮内膜がんのリスクが有意に低いことと関連がある、との観察研究の結果がJournal of Clinical Oncology に掲載された。50歳以降に5%以上減量した女性では、年齢およびどれだけ減量したかに関わらず、子宮内膜がんリスクは29%低かった。肥満を有し意図的に体重を5%以上減量した女性は、リスクが56%低下した。一方、10ポンド以上体重が増加した女性は、子宮内膜がんリスクが26%高かった。 |
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糖尿病またはその急激な悪化は膵がんの早期警告兆候であり得る [2017-02-07] |
Diabetes or its rapid deterioration can be an early warning sign for pancreatic cancer |
糖尿病の発症、またはより積極的な治療を必要とする既存の2型糖尿病の急性増悪は、早期の潜在性の膵がん兆候であり得る、とEuropean Cancer Congress 2017 で発表された。今回のスタディ対象において、すべての膵がん症例の50%が、2型糖尿病と診断されそれをコントロールするために初めて処方されてから、1年以内に膵がんと診断された。既に2型糖尿病を有し経口血糖降下薬で管理されている患者において、インクレチン製剤やインスリンへの変更は、その後膵がんと診断された者の方が早かった。 |
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非侵襲的な呼気検査は食道がんおよび胃がんのがんシグネチャを同定できる可能性がある [2017-02-07] |
A non-invasive breath test identifies cancer signature for esophageal and stomach cancer |
呼気中の5つの化学物質レベルを計測する検査が、食道がんや胃がんの検出において有望な結果を示した、とEuropean Cancer Congress 2017の大規模臨床試験で発表された。研究者らは、335人から呼気検体を収集した。そのうち、163人は胃がんまたは食道がんと診断されており、172人は内視鏡検査においてがんの所見はないとされていた。研究者らは各々の呼気検査検体内の5つの化学物質レベルを計測し、がんを示唆する化学物質のシグネチャとどれが合致するかを観察した。この検査の精度は全体で85%であり、感度は80%、特異度は81%であった。 |
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