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MRIで観察した脳活動パターンは、メンタルストレステストに対する血圧および心拍反応を高い信頼性で予測する [2017-08-29] |
Brain activity pattern seen on MRI reliably predicts blood pressure and heart rate reactions to mental stress tests |
脳はストレスフルな出来事の最中に、心血管疾患リスクを上昇させる血圧上昇などの体内反応を予測する、特有の活動パターンを示す可能性がある、との新たな概念実証試験がJournal of the American Heart Association に掲載された。研究者らは機械学習を用いて、特有の脳活動パターンが、被検者の心理的ストレステストに対する血圧や心拍反応の程度を、高い信頼性で予測できると判断した。ストレスに関連する心血管系の反応を特異的に予測する脳領域には、環境からの情報が生命を脅かすものかを判断したり、自律神経系を介して心拍や血管を調節する領域が含まれた。 |
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コレステロール結晶は冠動脈の炎症を引き起こす分子の産生を活性化させる [2017-08-29] |
Cholesterol crystals activate production of inflammation molecules which inflame coronary arteries |
救急外来患者240人を対象とした新たなスタディの結果、結晶化したコレステロールが心筋梗塞(MI)に際してどの程度の役割を果たしているかが示された。研究者らは、MI既往者の冠動脈を閉塞した物質を解析し、うち89%においてコレステロール結晶と呼ばれる結晶化構造物が過剰に認められたことを明らかにした。これらの結晶は、冠動脈の炎症を引き起こす、インターロイキン1-βとして知られる物質の産生を活性化する。この研究結果はAmerican Journal of Cardiology に掲載された。 |
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大気汚染への曝露による心血管系への悪影響が空気清浄機を使用することにより軽減した [2017-08-22] |
Negative cardiovascular effects of air pollution exposure decreased with use of air purifiers |
高レベルの大気汚染への曝露は、基本的に健康な若年成人のストレスホルモンおよび代謝系の好ましくない変化を増加させる、とCirculation に掲載された。空気清浄機は、この悪影響を軽減するようである。若年の健常ボランティアが、本物の空気清浄機とシャムの空気清浄機による治療を、寮でランダムな順で受けた。その結果、微粒子への曝露後の血清中代謝物97検体において、顕著な変化が示された。空気清浄機使用後には、ストレスホルモン値の短期の低下が認められた。大気汚染による悪影響は、室内空気清浄機を9日間使用することにより低下した。 |
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心血管系の推定リスクはマリファナの方がタバコよりも高い [2017-08-22] |
Higher estimated cardiovascular risks associated with marijuana use than cigarette smoking |
マリファナは高血圧による死亡のリスクを3倍上昇させる、とEuropean Journal of Preventive Cardiology に掲載された。計1,213人の参加者のうち、34%がマリファナもタバコも使用せず、21%はマリファナのみ、20%はマリファナとタバコ両方を使用、16%はマリファナを使用し過去に喫煙歴があり、5%は過去に喫煙歴があり、4%はタバコのみ使用していた。マリファナの平均使用期間は11.5年であった。非使用者に比べ、マリファナ使用者は高血圧による死亡リスクが3.42倍高く、使用期間1年ごとにリスクは1.04倍上昇した。マリファナ使用と心疾患死または脳血管死とに関連はなかった。 |
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初回の虚血性脳卒中直後にスタチンを中止することにより脳卒中再発リスクが上昇する [2017-08-08] |
Stopping statin drug therapy soon after first ischemic stroke increases risk of recurrent stroke |
初回の虚血性脳卒中後3〜6か月以内にスタチン系薬剤内服を中止した患者は、1年以内の脳卒中再発リスクが高かった、とJournal of the American Heart Association に掲載された。スタチン中断は、死亡や入院リスクの上昇とも関連していた。1年の追跡期間中にスタチン内服を継続した患者に比べ、スタチン内服を中断した患者においてさらに脳卒中を発現するリスクは42%上昇した。スタチンの用量を下げることはリスクには影響しないようであった。総死亡リスクは、スタチン中断後37%上昇した。 |
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成人における肺炎や敗血症は心血管疾患リスクを上昇させる [2017-08-08] |
Pneumonia or sepsis in adults is associated with increased risk of cardiovascular disease |
成人における入院を要する肺炎や敗血症は、1年以内の心血管リスクを6倍上昇させた、とEuropean Journal of Preventive Cardiology に掲載された。感染後2年目および3年目の心血管疾患リスクは、2.47倍および2.12倍高いままであった。リスクは時間経過とともに低下したが、感染後少なくとも5年は依然としてリスクが2倍近かった(ハザード比1.87)。冠動脈疾患、脳卒中、および致死的心血管疾患においても同様の所見が認められた。リスクが上昇し続けたままであることは、その後の重症感染症では説明できなかった。 |
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カルシウム高値に対する遺伝的素因を有する人々は心筋梗塞のリスクが高い [2017-08-01] |
Myocardial infarction more likely in people with a genetic predisposition to higher calcium levels |
遺伝的に血中カルシウムが高値になり易いことは、冠動脈疾患(CAD)および心筋梗塞(MI)リスクが高いことと関連がある、とJAMA に掲載された。この解析は、184,305人(CADが60,801症例、約70%がMI)および血清カルシウム値と関連する6つの遺伝子多型を対象とした。その結果、血清カルシウム高値になり易い遺伝的素因は、CADおよびMIいずれのリスクも上昇させた。生涯にわたる遺伝的血清カルシウム高値への曝露と関連したCADリスクが、短期から中期のカルシウムサプリメントに関連したリスクに当てはめられるか否かは、不明である。 |
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子供を対象とした栄養指導は母親のコレステロールレベルも改善する [2017-08-01] |
Child-oriented dietary counselling improves cholesterol levels in mothers |
子供を対象とした栄養指導は親の食事も改善する、とEuropean Journal of Preventive Cardiology に掲載された。この縦断的ランダム化スタディでは、飽和脂肪酸摂取を減らし、不飽和脂肪酸に富む食品を摂取する様に推奨することで、心血管系の健康を改善した。この子供を対象とした食事指導は、9〜19歳の子供の親である対照群と比較し、介入された母親および父親の多価不飽和脂肪酸および一価不飽和脂肪酸摂取を増加させ、飽和脂肪酸摂取を減少させた。さらに、子供を対象としたこの栄養指導は、介入を受けた母親の血清総コレステロールおよびLDLコレステロール濃度を減少させる傾向にあった。父親においては、有意ではないが同様の傾向が認められた。 |
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