◆ |
経時的なわずかな体重増加が心筋の構造や機能を変化させる可能性がある [2017-07-25] |
Modest weight gain over time may alter the structure and function of heart muscle |
脂肪過多が経時的に増大することはMRIで評価した病的な心臓リモデリングと関連があった、と Journal of the American Heart Association に掲載された。研究者らは、スタディ開始時点で心疾患を有さない成人1,262人(平均年齢44歳、女性57%、肥満36%)を追跡した。7年後に、体重が増加した者は、例え5%であっても、左室肥大および軽度の拡張機能障害を有する確率が高かった。体重が減少した者は、心室壁厚が減少する確率が高かった。スタディ開始時の体重は、これらの変化には影響しなかった。 |
 |
◆ |
甘い物や精製された穀物を多く摂取するプラントベースの食事は心血管リスクを上昇させる可能性がある [2017-07-25] |
Plant-based diets with high intake of sweets and refined grains may increase cardiovascular risk |
心疾患リスク軽減のためにはプラントベースの食事が推奨される;しかし、一部のプラントベースの食事は心疾患リスクを上昇させる、と Journal of the American College of Cardiology に掲載された。全体的に、プラントベースの食事を遵守することにより、心疾患リスクが低下した。より健康的なプラントベースの食事−全粒粉、果物、野菜などの豊富な食事−は心疾患リスクを大幅に低下させた。しかし、加糖飲料、精製された穀物、ジャガイモおよび甘い物などの、不健康な植物性食品に重点を置いたプラントベースの食事は、逆効果をもたらした。 |
 |
◆ |
コーヒーは心血管疾患やがんなどの多くの原因による死亡リスクを軽減する [2017-07-18] |
Coffee reduces risk of death from many causes including cardiovascular disease and cancer |
Annals of Internal Medicine に掲載された180,000人超の参加者を対象としたスタディにおいて、コーヒーを飲むことにより心疾患、がん、脳卒中、糖尿病、および呼吸器疾患や腎疾患による死亡リスクが低下した。1日に1杯のコーヒーを飲む人は、コーヒーを飲まない人に比べ死亡率が12%低かった。この関連性は、1日に2〜3杯飲む人において、さらに強く認められた−死亡率が18%低下した。この死亡率低下は、コーヒーが通常のものかカフェイン抜きかに関係なく認められ、この関連性はカフェインとは関連しないことが示唆された。 |
 |
◆ |
勃起不全治療薬溶出性ステントは血栓および動脈狭窄予防に役立つ可能性がある [2017-07-18] |
Stents coated with an erectile dysfunction drug may help prevent blood clots and artery narrowing |
勃起不全治療薬であるシルデナフィル溶出性ステントは、将来的に動脈再狭窄予防に役立つ可能性があるとの予備研究の結果が、American Heart Association's Basic Cardiovascular Sciences 2017 Scientific Sessionsで発表された。研究室における実験で、シルデナフィルは血小板凝集を30%減少させた。ラットにおいてシルデナフィルは、ステント留置後の症状に似た動脈壁肥厚を予防するのに役立つ酵素(プロテインキナーゼG、PKG)の活性を増加させた。人間を対象とした試験で確認されれば、シルデナフィルは将来的に、薬剤溶出性ステントに採り入れられるか、狭窄動脈を開通させるためにステント留置直後に経口投与される可能性がある。 |
 |
◆ |
10代にBMIが増加することと数十年後の脳卒中リスクとの関連が認められた [2017-07-11] |
Association found between increased BMI during teen years and risk of stroke decades later |
10代に過体重になった子供は、この年代に過体重にならなかった子供に比べ、数十年後に脳卒中を発症する確率が高い可能性がある、とNeurology オンライン版に掲載された。この観察研究は、8歳および20歳時にBMIを計測され、平均38年追跡されたスウェーデン人男性37,669人を対象とした。小児期から20歳時にかけて、BMIが2ポイント増加するごとに、脳卒中を発症する確率は20%上昇した。8歳時には正常体重であり20歳時に過体重となった男性は、脳卒中を発症する確率が80%高かった。 |
 |
◆ |
過体重であると脳卒中後の生存率が良好なようである [2017-07-11] |
Carrying extra weight appears to offer better survival following a stroke |
肥満は脳卒中および死亡のリスクを上昇させるとの事実にも関わらず、Journal of the American Heart Association に掲載された新たなスタディの結果、過体重または軽度の肥満の人々であっても、正常体重の人々に比べ、脳卒中後の生存率が高いことが示された。Framingham Heart Study 参加者のうち、過体重または軽度肥満者は正常体重者に比べ、脳卒中後の生存率が良好であった。この延命効果は70歳未満の男性において最大であった。研究者らは、これらの結果は肥満が全ての人々において保護効果を有しているわけではない、と警告している。 |
 |
◆ |
母乳育児は母親のその後の心筋梗塞および脳卒中リスクを低下させる可能性がある [2017-07-04] |
Breastfeeding may reduce mother's later risk of myocardial infarction and stroke |
母乳育児は母親のその後の心筋梗塞および脳卒中リスクを低下させる可能性がある、と Journal of the American Heart Association に掲載された。母乳育児をしたことのない女性に比べ、母乳育児をした母親は心疾患リスクが9%低く、脳卒中リスクが8%低かった。子供1人当たり母乳育児を2年以上行った母親は、心血管疾患リスクが18%低く、脳卒中リスクは17%低かった。子供1人当たりの母乳育児期間が6か月延長されるごとに、心疾患および脳卒中リスクは低下した(それぞれ4および3%)。 |
 |
◆ |
乳房インプラント手術を受けた患者においてECGが誤読されMIの誤診につながる可能性がある [2017-07-04] |
ECG interpretation can be misleading and lead to false MI diagnosis in patients with breast implants |
乳房インプラントは心電図(ECG)の障害となり得る、と EHRA EUROPACE - CARDIOSTIM 2017 で発表された。乳房インプラント後の女性28人、およびインプラントを受けていない女性20人(コントロール群)を対象に、ECGが施行された。すべての女性は健常で、既知の器質的心疾患を有していなかった。コントロール群に対し、1人目の電気生理学専門医は全員の心電図を正常と判断し、2人目の専門医は1人(グループ全体の5%)のECGを異常と判断した。乳房インプラント後の女性に対し、1人目の専門医は38%の心電図を異常と判断し、2人目の専門医は57%の心電図を異常と判断した。 |
 |