2014
COPDの発作はMIおよび脳卒中リスクを上昇させる(ATS, Abstract 5060)
心不全と脳卒中は致死的な結果を招く組み合わせであることが示された(EuroHeartCare, Abstract 149)
食事は末梢動脈疾患に影響を与える
心不全において治療継続が重要である
動脈壁硬化を自然由来の物質で軽減する(American Heart Association's Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology | Peripheral Vascular Disease 2017 Scientific Sessions, Session 15 - Poster Presentation 164)
ストレッチ運動で末梢動脈疾患を緩和する(American Heart Association's Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology | Peripheral Vascular Disease 2017 Scientific Sessions, Poster Session 2 - Poster Presentation 319)
運動は心損傷を回避させる可能性がある
腸内細菌は血栓形成化合物の一般的な栄養に変化し得る
SUMMIT:心血管疾患を有する者におけるCOPD増悪はMIおよび脳卒中リスクを上昇させる [2017-05-30]
SUMMIT: COPD exacerbations in those with cardiovascular disease increases risk of MI and stroke

心血管疾患(CVD)歴を有する人々またはCVDリスクの高い人々は、慢性閉塞性肺疾患、つまりCOPDの急性増悪後に心筋梗塞(MI)または脳卒中を起こす確率が高いようである、とAmerican Thoracic Society 2017 International Conference で発表された。Study to Understand Mortality and MorbidiTY (SUMMIT)トライアルの結果、急性増悪後30日以内のMIまたは脳卒中の確率は、ほぼ4倍高かった。増悪後31日から1年以内の確率は、ほぼ2倍であった。増悪から1年後、リスクに有意な差はなかった。

COACH:脳卒中既往歴のある心不全患者はうつ病、入院および死亡のリスクが高い [2017-05-30]
COACH: Heart failure patients with previous stroke have greater risk of depression, hospitalization and death

脳卒中既往歴と心不全の組み合わせはうつ病、入院および死亡のリスクを上昇させるようである、とEuroHeartCare 2017 で発表された。脳卒中既往歴のある心不全患者は、心不全のみ有する患者に比べ、3年後の総死亡率が最大56%高かった。脳卒中既往歴のない者に比べ、既往歴のある心不全患者は、心血管系の再入院が84日、全ての理由による入院が78日、心不全による再入院が2か月、それぞれ早かった。退院1年後、両疾患を有する患者は心不全のみを有する患者に比べ、うつ病である確率が2倍であった。

果物や野菜を多く摂取することにより末梢動脈疾患リスクが低下する可能性がある [2017-05-23]
Eating more fruits and vegetables may lower risk of peripheral artery disease

1日当たりの果物および野菜摂取量が3人前以上であることにより、末梢動脈疾患(PAD)発症リスクが低下する可能性がある、とArteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology に掲載された。過去の研究において、果物および野菜の摂取量が少ないことと、冠動脈疾患および脳卒中の発症が多いことが関連付けられた。しかし、食事とPADとの関連に関する研究は少なかった。370万人を対象としたデータを調査した結果、果物や野菜を1日に3人前以上摂取する人々は、摂取量がそれよりも少ない人々に比べ、PADの割合が18%低いことが明らかにされた。果物および野菜の摂取量が少ないことは、特に喫煙者のPADと関連があった。

同じ病院に再入院した患者は予後が良好な可能性がある [2017-05-23]
Heart failure patients readmitted to the same hospital may have better outcomes

心不全患者が1か月以内に再入院した場合、同じ病院に戻った患者は退院が早く生存率が高かった、とJournal of the American Heart Association に掲載された。研究者らは、患者217,039人(平均年齢76.8歳、男性50.1%)の再入院データを調査した。これらの患者のうち、18.1%が30日以内に再入院していた−83.2%はもとの病院に入院し、16.8%は別の病院へ入院した。同じ病院に再入院した患者は、平均1日早く退院し入院中の死亡率が11%低かった。

抗酸化物質レスベラトロールは一部の2型糖尿病患者において動脈壁硬化を減少させる [2017-05-16]
Antioxidant resveratrol reduces arterial stiffness in some people with Type 2 diabetes

天然の抗酸化物質レスベラトロールは、一部の2型糖尿病患者の動脈壁硬化を減少させる可能性がある、とAmerican Heart Association's Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology | Peripheral Vascular Disease 2017 Scientific Sessions で発表された。スタディ対象群全体で、レスベラトロール治療により動脈壁硬化が軽減する傾向にあった;しかし、この変化は統計学的に有意ではなかった。スタディ開始時点で動脈壁硬化度が高かった患者23人においては、300 mgのレスベラトロールは動脈壁硬化度を9.1%低下させ、100 mgでは4.8%低下させたが、プラセボ治療では硬化度が上昇した。

ストレッチ運動は末梢動脈疾患患者の歩行時痛を軽減する可能性がある [2017-05-16]
Stretching may reduce walking pain among people with peripheral artery disease

簡単な腓腹筋ストレッチが、末梢動脈疾患患者の歩行時痛を軽減し血流を増加させる可能性がある、とAmerican Heart Association's Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology | Peripheral Vascular Disease 2017 Scientific Sessions で発表された。毎日の腓腹筋ストレッチを1か月行うことで、血流依存性血管拡張反応が3.7%から5.2%に改善し、患者を健常高齢者の正常範囲にまで移動させた。またストレッチ運動は6分間歩行距離および苦痛なく歩ける距離も延長させた。

潜在的心筋障害に対する運動の予防的関連性は心不全に対しても認められる可能性がある [2017-05-02]
Protective association of exercise against subclinical myocardial damage may also protect against heart failure

中年以降の肥満成人において、運動は心損傷のリスクを低下させそのレベルを軽減し得る、と JACC: Heart Failure に掲載された。研究者らは45〜64歳の心血管疾患を有さない、BMIが18.5 kg/m2超の9,427人を調査した。全スタディ対象者のうち7.2%において、高感度トロポニンTの上昇が認められた。運動レベルが低い人々は、高感度トロポニンレベルが有意に上昇する確率が高く、心損傷の度合いが大きいことが示唆された。

一般的な欧米食の一部としてコリンを過剰摂取することは血栓形成傾向を増大させる [2017-05-02]
Consuming excess choline as part of a common Western diet increases tendency of clot formation

肉類、卵、および牛乳などの様々な食品に含まれるコリン含有食品を摂取すると、腸内細菌が血栓形成化合物を産生し得る、と Circulation に掲載された。このスタディは、ヒトにおいて過剰なコリン摂取は、細菌代謝産物トリメチルアミンNオキシド(TMAO)や血小板凝集および血栓形成の傾向を上昇させることを直接示す、初めてのエビデンスを提供した。ビーガン/ベジタリアンおよび雑食の人々において、1〜2か月のコリン補充後、血中TMAO値は10倍以上に上昇した。TMAO高値は、心疾患リスク上昇と関連する。