スタチンの副作用はコレステロール値の目標達成を妨げる最強の予測因子である [2017-02-28]
Statin side effects are strongest predictor of failure to meet cholesterol targets

スタチンの副作用は、低比重リポ蛋白(LDL)コレステロールの目標値が達成できない最強の予測因子である、とEuropean Journal of Preventive Cardiology に掲載された。その他の予測因子は、スタチンのノンアドヒアランスと低強度スタチンの使用であった。副作用を有する患者は副作用のない患者に比べ、コレステロールの目標値を達成できない確率が3倍以上であった。スタチン非服用者は服用者に比べ、目標値を達成できない確率が3倍であった。中〜低強度のスタチンを処方された患者は、高強度のスタチンを処方された患者に比べ、目標値を達成できない確率が62%高かった。

大量の飲酒は動脈硬化リスクを経年的に加速させ増加させる [2017-02-28]
Heavy alcohol consumption over time increases risk for accelerated rates of arterial stiffness

長年にわたる大量飲酒の習慣は、早期に動脈を老化させ、特に男性において、心疾患リスクを増加させる可能性がある、とJournal of the American Heart Association に掲載された。研究者らは、参加者の飲酒量と、頸動脈−大腿動脈間脈波伝播速度(PWV)計測値とを比較した。その結果、過去の大量飲酒歴を有する男性は初老の中等量飲酒者に比べ、動脈硬化が加速するリスクが高かった。今回のスタディ参加者3,869人中73%は男性であったが、この関連性は女性においては認められなかった。

ICDによる電気ショックは、その必要性の有無にかかわらず侵襲的な心血管系手技を増加させる可能性がある [2017-02-21]
ICD shock may increase invasive cardiovascular procedures regardless if shock was needed or not

植込み型除細動器(ICD)による電気ショックは、その医学的な必要性の有無にかかわらず、多くの人々において医療の必要性を増大させるきっかけとなる、とCirculation: Cardiovascular Quality and Outcomes に掲載された。電気ショックを経験した全患者の半数近く(46%)が、電気ショックに関連した医療を必要とした。3分の1は救急治療室、または外来診療のみを要した。7人に1人は入院した。適切および不適切な電気ショックの両方の後に、侵襲的な心血管系手技(電気生理学的検査、心臓カテーテルおよび心臓アブレーション)が一般的に施行された。筆者らは、ICDショックを減らすプログラミング戦略により医療費を軽減し患者の健康が改善する可能性がある、と結論付けている。

若年成人における冠動脈石灰化の存在は致死的心疾患リスク増大と関連がある [2017-02-21]
Presence of coronary artery calcium among younger adults associated with increased risk of fatal heart disease

32〜46歳の成人における冠動脈石灰化(CAC)の存在はどのようなものであっても、12.5年間の追跡期間中の致死的および非致死的冠動脈疾患イベントと関連があった、とJAMA Cardiology に掲載された。患者背景、リスクファクター、および治療で補正後、何らかのCACを有する者は冠動脈疾患(CHD)イベントが5倍多く、心血管疾患イベントが3倍多かった。筆者らは、若年期からのリスク軽減や根本的な予防の必要性を勧告している。

青年期に心肺適応能力や筋力が高いことは中年期以降の心不全リスクを低下させる [2017-02-14]
High cardiorespiratory fitness and muscle strength in adolescence lowers risk of heart failure later in life

120万人の若者を対象とした調査の結果、心肺適応能力および筋力が高いことは50歳前の心不全リスクが低いことと関連することが示された。European Journal of Preventive Cardiology に掲載されたこの観察研究は、若年期に始める運動の心臓に対する保護効果を示唆している。46年の追跡期間中に、心肺適応能力が低い者は高い者に比べ、心不全リスクが60%増加した。また、筋力が低い者は高い者に比べ、心不全リスクが45%増加した。

初潮が早いことと脳卒中リスクに関連がある可能性が示された [2017-02-14]
Possible link found between early menstruation and risk of stroke

初潮が早かった女性は後の脳卒中リスクが高い可能性がある、とNeuroepidemiology に掲載された。初潮年齢が13歳以下の女性は、初潮年齢が15歳であった女性に比べ、脳卒中の罹患率が1.8倍高く、脳梗塞リスクも高かった。閉経が45歳以下の女性もまた、50歳で閉経した女性に比べ脳梗塞を発症するリスクが高かったが、脳卒中はそうではなかった。

居住地の標高が高いほどメタボリックシンドロームを発症するリスクが低い [2017-02-07]
The higher the altitude, the less likely you are of developing metabolic syndrome

オープンアクセスジャーナルFrontiers in Physiology に掲載された新たなスタディの結果、メタボリックシンドローム発症率は、その人が居住する場所の標高と関連があり得ることが示された。スペインのSUNプロジェクトのデータを用いて研究者らは、標高457〜2,297mに居住する人々は、海面レベル(0〜121m)に居住する人々に比べ、メタボリックシンドロームを発症するリスクが低いことを明らかにした。この結果は、人々の遺伝子背景とは関係がなかった。この研究は、標高の高い所への居住と、当初は健康であった人々がメタボリックシンドロームを発症するリスクとの関連を評価した、初めてのものである。

閉経後女性において心外膜脂肪は心疾患リスク上昇と関連がある [2017-02-07]
Pericardial fat is associated with higher risk of heart disease in postmenopausal women

閉経後女性および中年期エストロゲンレベルが低い女性において、心外膜脂肪容積が多いことは心疾患リスクの増加と大いに関連がある、とJournal of the American Heart Association に掲載された。スタディ対象女性において、心外膜脂肪容積が25パーセンタイルから75パーセンタイルに増加することにより(60%の増加に匹敵)、閉経後女性において閉経前または早期閉経女性に比べ、冠動脈石灰化リスクが160%、石灰化領域が45%増加した。