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中年男性においてサウナ浴と認知症およびアルツハイマー病とは逆相関関係にある [2016-12-27] |
Sauna bathing is inversely associated with dementia and Alzheimer's disease in middle-aged men |
頻回のサウナ浴は認知症リスクを低下させる可能性がある、とのKuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor (KIHD)スタディの結果がAge and Ageingに掲載された。20年の追跡期間中、週4〜7回サウナ浴をする男性は週1回サウナ浴をする男性に比べ、認知症と診断される確率が66%低く、アルツハイマー病と診断される確率が65%低かった。サウナ浴が頻回であるほど、認知症リスクは低かった。過去のKIHDスタディの結果から、頻回のサウナ浴はまた、心血管死や総死亡率も低下させることが示されている。 |
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尿中蛋白は認知機能障害および認知症リスクの上昇と関連する [2016-12-27] |
Protein in urine linked to increased risk of cognitive impairment and dementia |
アルブミン尿を有する人々は後に、思考および記憶能力の障害、さらには認知症を発症する確率も高い、とのメタ解析の結果がNeurology に掲載された。今回のレビューには、このテーマに関する計22のスタディが含まれた。5つのスタディ(対象27,805人)は、アルブミン尿の影響を評価した。その結果、アルブミン尿を有する人々は、尿中に蛋白を検出しない人々に比べ、認知機能障害または認知症を発症する確率が35%高いことが示された。他の腎機能マーカーである推算糸球体濾過量に関する結果は様々であり、関連は示されなかった。 |
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抗精神病薬使用と死亡率の関係 [2016-12-20] |
Antipsychotic drug use increases risk of death among persons with Alzheimer's disease |
アルツハイマー病患者における抗精神病薬の使用は死亡リスクを60%上昇させることが最近のスタディによって示され、Journal of Alzheimer's Disease に掲載された。ハロペリドールによる死亡リスクが最大であり、高用量のハロペリドールおよびリスペリドンの使用は、低用量のリスペリドン使用に比べ死亡リスクが高かった。2種類以上の抗精神病薬を同時に使用することにより、単剤療法よりも死亡リスクは約2倍上昇した。死亡リスクは薬物開始後初期に最も高く、長期にわたり上昇したままであった。 |
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10代前半における若年発症大うつ病は、しばしばイライラや不安が先行する [2016-12-20] |
Early onset major depressive disorder often preceded by irritability and anxiety in adolescents |
大うつ病(MDD)の家族性リスクの高い10代前半の子供は、MDD発症前に悲哀よりもイライラ、恐怖および/または不安を感じやすい、とJAMA Psychiatry に掲載された。研究者らによると、イライラ(p=0.03)や恐怖および/または不安(p< 0.001)は、新規若年発症MDDの有意な独立した臨床的前駆症状として出現した一方で、破壊的行動(p=0.14)や 気分の落ち込み(p=0.65)はそうではなかった。親のうつ病重症度や貧困などの社会的リスクファクターもまた、新規若年発症MDDに強く影響した。 |
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サイロシビンの単回投与は進行がん患者の不安やうつ症状を軽減する [2016-12-14] |
Single dose of psilocybin relieves anxiety and depression in patients with advanced cancer |
Journal of Psychopharmacology に掲載された2つの小規模スタディの結果、がんによる不安やうつ症状に苦しむ患者のかなり多くが、サイロシビン(幻覚誘発"マジックマッシュルーム"の活性成分)単回投与後6か月以上の間、大幅に苦痛を緩和された、と報告された。視覚、感情や思考の変化を経験することに加え、心理的洞察を経験したり、あらゆる人々の相関性について深く有意義な経験をしたことを、参加者は報告した。研究者らは、この薬剤は臨床的に訓練された監視の下、厳格にコントロールされた状態で投与されたことに注意を促しており、他の状況下でこの化合物を使用することは推奨していない。 |
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有酸素運動は脳容積を保持し認知機能を改善する [2016-12-14] |
Aerobic exercise preserves brain volume and improves cognitive function |
新たなMRI技術を用いて、研究者らは、週4回の運動を6か月にわたり行った軽度認知機能障害患者において、脳局所領域の容積が増加したことを明らかにした。解析の結果、有酸素運動およびストレッチのいずれの群においても、脳容積の増加はほとんどが側頭葉を含む灰白質であったが、ストレッチ群では白質の萎縮がいくらか認められたことが示された。有酸素運動群ではまた、6か月後に実行機能の改善も認められた。このスタディ結果は、2016年Radiological Society of North America年次集会で発表された。 |
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音楽に関する研究の結果は自閉症やADHD治療の標的戦略を生み出すのに役立つ [2016-12-06] |
Results of music study could help create targeted strategies for treating autism and ADHD |
小児において音楽レッスンを受けることは脳線維結合を増加させ、自閉症や注意欠如・多動性障害などの治療に有用である可能性がある、と2016年Radiological Society of North America年次集会で発表された。研究者らは、芸術的なトレーニングの経験のない健常小児23人(5〜6歳)を調査した。対象小児は、音楽トレーニング前後に脳の拡散テンソル画像(DTI)による評価を受けた。9か月の音楽教育後のDTIの結果、異なる脳領域における異方性比率および軸索伸長が示され、それは特に小鉗子領域において著明であった。 |
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白質および灰白質の変化は脳損傷後の認知および感情コントロールに重要である [2016-12-06] |
Changes in white and gray matter critical for cognitive and emotional control after brain injury |
拡散協調MRIおよび安静時fMRIを用いた結果、脳の認知‐感情経路内の回路崩壊が、戦闘で軽度外傷性脳損傷(mTBI)を被った一部の兵士における、うつ症状の身体的基礎を形成している可能性がある、と2016年Radiological Society of North America年次集会で報告された。研究者らは、mTBI患者の臨床症状に独特な、破壊された神経回路部位に一貫性があることを発見した。画像から、中等度から重度のうつ症状を有する患者では白質路が破壊されており、これらの患者では灰白質の認知−感情ネットワークが変化していることが示された。 |
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