妊娠中のSSRIへの曝露は発語や言語障害のリスク上昇と関連がある [2016-10-25]
Exposure to SSRIs during pregnancy associated with increased risk of speech and language disorders

うつ病関連の精神疾患を有し、妊娠中に選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)を購入した母親の子供は、発語/言語障害のリスクが高い、とJAMA Psychiatry に掲載された。スタディ対象には56,340人(男児51%)の幼児が含まれた。妊娠中に2回以上SSRIを購入した母親の子供は、妊娠中にSSRIを服用しなかった群の子供に比べ発語/言語障害のリスクが37%高く、曝露されなかった小児に比べ63%高かった。臨床的意義の可能性を引き出す前に、さらなる研究が必要である。

前立腺がんに対するアンドロゲン除去療法と認知症リスクとの関連が明らかにされた [2016-10-25]
Association found between androgen deprivation therapy for prostate cancer and risk of dementia

アンドロゲン除去療法(ADT)は前立腺がんに対する延命効果を示すが、この治療法は健康上有害な影響や神経認知障害の可能性との関連があることも知られている。JAMA Oncology に掲載された新たな研究の結果、ADTを受けた男性における5年後の認知症発症絶対リスクが、4.4%増加することが示された。さらなる解析の結果、ADTを12か月以上施行された男性は、認知症の絶対リスク増加が最大であることが示唆された。70歳以上の男性は、認知症を発症しない割合が最も低かった。アンドロゲンが神経の健康および成長に役割を果たすなどの、ADTと認知症の関連に関する説得力のあるメカニズムがいくつか説明されている。

心理療法セッションはコルチゾールレベルの高い午前中の方が有効である [2016-10-18]
Psychotherapy sessions are more effective in the morning when levels of cortisol are high

24人の患者を対象としたスタディの結果、心理療法セッションは午前中に予定する方が、不安、恐怖および恐怖症の克服に向かってより進歩することが示唆された、とPsychoneuroendocrinology に掲載された。一般的に、曝露療法は有意な改善をもたらす。しかし、午前中のセッションは、心理療法を受ける患者がパニックや不安および恐怖症回避を克服するのにより役立ち、その理由の一つがコルチゾール−自然分泌されるホルモン−レベルが午前中に最も高いためである。コルチゾールは、過去のつらい出来事に遭遇した恐怖記憶を抑制すると同時に、患者が新たに是正された情報をより多く吸収し記憶することに役立つようである。

妊娠中の行動および一部の出産時合併症は強迫性障害リスクと関連する [2016-10-18]
Pregnancy behaviors and certain childbirth complications linked with risk of obsessive compulsive disorders

ある範囲の周産期因子は、子供が後に強迫性障害(OCD)を発症するリスクが高いことと関連するようである、とJAMA Psychiatry オンライン版に掲載された。240万人から成る、地域住民を対象としたコホート研究において、17,305人が平均年齢23歳時にOCDと診断された。共通の家族の軽減因子とは関係なく、母親の妊娠中の喫煙、逆子での分娩、帝王切開による出産、早産、低出生体重児、胎児発育過剰およびApgarスコアは、OCD発症高リスクと関連があった。OCDと周産期因子とを関連付けるメカニズムは未だ解明されていない。

認知機能障害およびうつ病の存在は経口抗がん剤治療のアドヒアランスに影響する [2016-10-11]
Existence of cognitive disorders and depression impacts adherence to oral cancer therapy

認知機能障害およびうつ病の存在は経口抗がん剤治療のアドヒアランスに影響する、と2016年ESMO Congressで発表された。スタディは、新たな経口抗がん剤治療を開始した患者を対象とし、半数は70歳を超えていた。治療開始前に、自律性、抑うつ、および不安の評価を神経心理学的検査バッテリーで測定した。研究者らは、ワーキングメモリ障害およびうつ病はノンアドヒアランスの予測因子のようである、と結論付けた。また、経口抗がん剤治療開始前に認知機能に注目することにより、抗がん剤治療に対する自己管理ができない可能性のある患者を同定するのに役立ち、ひいては臨床上の方針決定に役立つであろう、と結論付けている。

ホルモン避妊薬の初回使用はうつ病リスクと関連する [2016-10-11]
First time use of hormonal contraception associated with risk of depression

JAMA Psychiatryに掲載された研究の結果、ホルモン避妊薬を用いている、特に青少年層の女性において、抗うつ薬の初回使用およびうつ病の初回診断リスクが上昇することが示唆された。複合経口避妊薬を用いた女性は、非使用者に比べ、抗うつ薬初回使用リスクが1.23倍高かった。プロゲステロンだけのピルを内服した女性では、そのリスクは1.34倍であった。リスクが最も高かった者の一部は青少年層の女性であり、抗うつ薬初回使用リスクは複合経口避妊薬を内服した者で1.8倍高く、プロゲステロンだけのピルを内服した者で2.2倍高かった。非経口避妊品を用いた青少年層の女性は、抗うつ薬初回使用リスクが3倍高かった。

高齢者における幸福と健康とのユニークな社会的関連がスタディにより明らかにされた [2016-10-04]
Study finds unique social link between happiness and health among older adults

少なくとも中年および高齢者においては配偶者が幸福であることは健康と関連がある、との新たなスタディ結果がAmerican Psychological AssociationのジャーナルHealth Psychology®に掲載された。1,981組の50〜94歳の中年および高齢の異性カップルを対象としたスタディにおいて、幸福、自分の健康および運動についての6か月間にわたる自己評価を依頼した。その結果、幸福な配偶者を有する人々は、長期にわたり健康状態が良好である割合が高かった。これは、本人自身の幸福度を上回った。スタディにおいて、夫と妻で差はなかった。

精神病院退院後の短期自殺リスクはうつ病患者において最も高い [2016-10-04]
Short-term risk of suicide after discharge from psychiatric hospital highest for patients with depression

精神病院から退院した患者で、うつ病、統合失調症または双極性障害と診断され、メンタルヘルスシステムのケアと連携していなかった場合は短期自殺リスクが高い、とJAMA Psychiatry に掲載された。精神疾患を有する成人の短期自殺率は、10万人年当たり178.3であったのに対し、人口統計学的にマッチさせた精神疾患を有さない群では10万人年あたり12.5であった。短期自殺率が最も高かったのはうつ病と診断された成人患者であり、次いで双極性障害、統合失調症およびその他の精神疾患であり、一方、最も低かったのは薬物乱用患者であった。