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脳卒中前リスクファクターは患者の精神的および身体的健康の悪化の原因となる [2016-07-26] |
Pre-stroke risk factors predispose patients to worsening mental and physical health |
初発脳卒中発症前に心血管疾患リスクファクターを有していた患者は、その後最長5年間の脳卒中および認知症リスクが高い、とStrokeに掲載された。脳卒中発症1年後の時点で、既往者の脳卒中再発または認知症リスクは、5年以上高いままであった。脳卒中既往者は既往のない者に比べ、認知症発症率は約2倍高かった。また、既往者のうち脳卒中再発の39%および脳卒中後認知症の10%は、脳卒中前の心血管リスクファクター(高血圧、糖尿病、HDL低値、喫煙、および一過性脳虚血発作)によるものであった。 |
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認知トレーニングは実行機能を改善させ有酸素運動は記憶力を向上させる [2016-07-26] |
Cognitive brain training improves executive function whereas aerobic activity improves memory |
認知トレーニングに参加した健常成人は実行機能の好ましい変化を示し、有酸素運動プログラムに参加した対照に比べ全体的な脳血流が7.9%増加した。有酸素運動群では即時および遅延記憶が向上したが、これは認知トレーニング群では見られなかった。研究チームは、脳全体の血流量の増加は、推論トレーニング中の集中した精神的努力によるものであるとした。有酸素運動群においては脳全体の血流量の増加はなかったが、記憶力の向上を伴うエクササイズにより、両側海馬の脳血流の増加が示された。この研究結果はFrontiers in Human Neuroscienceに掲載された。 |
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アルツハイマー病の遺伝子的リスクファクターは若年成人であっても検出可能である [2016-07-19] |
Genetic risk factors for Alzheimer's disease may be detectable even in young adults |
遺伝子的リスクスコアにより、アルツハイマー病リスクの高い者を症状出現よりずっと前に検出できる可能性がある、とNeurology®に掲載された。研究者らは、認知症の有無における、多遺伝子リスクスコア(高リスク遺伝子多型の数に基づく数値スコア)を算出した。認知症を有さない高齢者において、多遺伝子リスクスコアが高いほどスタディ開始時の記憶能が低く海馬が小さかった。3年間にわたり、高スコアであることは、長期記憶および実行機能の低下と、疾患の進行が大であることに関連があった。若年者群では、リスクスコアが高いことは海馬容積が少ないことと密接に関連していた。 |
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アルツハイマー病において短く簡便な検査による認知機能障害スクリーニングの有効性が示された [2016-07-19] |
Study shows effectiveness of brief, simple test to screen for cognitive impairment in Alzheimer's disease |
短く簡便な数で回答する検査は、認知的に健常な高齢者と、軽度認知機能障害およびアルツハイマー型認知症を含む認知機能障害のあるアルツハイマー病患者とを鑑別できる。King-Devick検査は、脳震盪および他の神経学的疾患の障害レベルを検出するのに有用であることが過去に示された、1〜2分の間に数で回答する迅速な検査である。スタディにおいて、この検査はコントロール群と認知機能が障害された者とを、90%以上の確率で正確に鑑別した。この検査の結果はまた、より長期の標準化された神経心理学的検査と強い相関があった。このスタディ結果はAlzheimer's Disease and Associated Disordersに掲載された。 |
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人工知能技術をMRI潅流マッピングと組み合わせることにより早期の認知症を検出できる [2016-07-12] |
Coupling artificial intelligence technique with MRI perfusion mapping detects early forms of dementia |
機械学習は、プログラムされていない新たなデータに曝露された時に、コンピュータプログラムを学習させることができるタイプの人工知能である。今回研究者らは、早期の認知症を検出するために、機械学習法を、潅流マップを作成する技術である動脈スピンラベリングMRI画像と結合させた、とRadiologyオンライン版に掲載された。この自動化システムはアルツハイマー病、軽度認知機能障害および自覚的認知機能障害を有する参加者を、効果的に区別することができた。研究者らはさらに、個々の患者のアルツハイマー病の診断または進行を、82〜90%の高精度で予測することができた。 |
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緩和ケア主導のミーティングは慢性重症疾患患者家族の不安や抑うつを軽減しない [2016-07-12] |
Palliative care-led meetings do not reduce anxiety or depression of families of patients with chronic critical illness |
慢性重症疾患患者の家族において、緩和ケア主導の情報提供および精神的サポート目的のミーティングは、通常ケアに比べ不安やうつ症状を軽減しなかった、とJAMAに掲載された。研究者らは7日間の人工呼吸を要する成人患者とその代理意思決定者を、緩和ケア専門家主導の2回以上の構造化された家族ミーティング、または通常の家族ミーティングの群にランダムに割り付けた。代理意思決定者の3か月後の不安やうつ症状は、2群間で差はなかった。心的外傷後ストレス障害の症状は、介入群の方が強かった。 |
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メチレンブルーは注意力持続および短期記憶に関連した一部の脳ネットワークを調節する [2016-07-05] |
Methylene blue regulates certain brain networks related to sustained attention and short-term memory |
メチレンブルーの単回経口投与により、短期記憶や注意力をコントロールする脳領域のMRI上の反応が増強した、とRadiologyオンライン版に掲載された。メチレンブルーは、視覚刺激に対する反応時間を計測する課題中の、両側島皮質の反応を増強させた。fMRIの結果もまた、短期記憶課題中の前頭前皮質、頭頂葉、および後頭葉皮質の反応が増強することを示した。さらに、メチレンブルーは記憶想起中の正しい反応を7%増加させた。 |
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高齢COPD患者のアドヒアランス低下における併存うつ病の役割 [2016-07-05] |
Role of concomitant depression on reduced medication adherence in older adults with COPD |
Annals of the American Thoracic Societyに掲載されたスタディの結果、新たに慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断された高齢患者集団(平均年齢68歳)において、維持療法薬へのアドヒアランスが、新たなうつ病エピソードにより低下することが示された。組み入れ基準に合致した患者31,033人中、20%がCOPDの診断後にうつ病と診断された。アドヒアランスは、調合された処方数に基づき評価された。COPD維持療法薬に対する1月当り平均アドヒアランスは低く、処方開始後1か月の57%をピークに、6か月後には25%に低下した。 |
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