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小規模トライアルにおいて、プレテスト・ポストテストからアルツハイマー病による記憶障害の逆戻りが示された [2016-06-28] |
Pre and post testing show reversal of memory loss from Alzheimer's disease in small trial |
定量的MRIおよび神経心理学的検査の結果、10人の早期アルツハイマー病(AD)患者またはその前段階にある者において、神経変性に対する代謝亢進と呼ばれるプログラム化された個別化治療後に、前例のない認知機能の改善が示された。例えば、プロトコール開始後10か月の時点で、ある男性では海馬容積が開始時の17パーセンタイルから75パーセンタイルへと劇的に増加し、容積の絶対的増加はほぼ12%であった。他の患者においては、長期想起が3パーセンタイルから84パーセンタイルへと増加し、全ての認知機能カテゴリーの著明な改善が示された。このスタディ結果はAging に掲載された。 |
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PET研究の結果、脳内タウタングルはアルツハイマー病の病理メカニズムを解明する可能性がある [2016-06-28] |
PET study finds tau tangles in the brain may be the driving mechanism of Alzheimer's pathology |
新たな分子画像研究により、アミロイド沈着よりもむしろタウ蛋白が、どのようにアルツハイマー病の神経機能障害をより直接的に引き起こす可能性があるか、が2016年Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging年次集会で明らかにされた。このスタディにおいて、アルツハイマー病患者10人が、3つの放射性トレーサーを用いてPETを施行された。その結果、タウの増加が脳内の代謝低下(神経機能障害を反映)と直接的に関連があることが示された。アミロイド沈着に関しては、代謝低下との強力な関連は見られなかった。しかし、タウとアミロイドとの間接的な相互作用性が、特に頭頂葉皮質において観察された。この部位において局所タウ沈着の代謝における負の影響は、アミロイド負荷の高い部位において強かった。 |
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早期アルツハイマー病患者における全体的な血液脳関門での漏出は認知機能低下と関連がある [2016-06-07] |
Global blood-brain barrier leakage in patients with early Alzheimer's disease associated with cognitive decline |
造影MRIを用いることにより、早期アルツハイマー病(AD)患者の血液脳関門(BBB)での漏出が同定された、とRadiologyオンライン版に掲載された。BBB漏出率はAD患者において年齢をマッチさせた健常コントロールよりも有意に高く、漏出は大脳全体に分布していた。AD患者は、脳皮質を含む灰白質への漏出、および脳白質の非常に微細なBBB障害の割合が有意に高かった。BBB障害の程度と認知機能低下には相関があり、BBB透過性亢進は早期ADにおける重要なメカニズムである可能性があることを示唆している。 |
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血液細胞内のY染色体欠失はアルツハイマー病発症と関連がある [2016-06-07] |
Loss of Y chromosome in blood cells associated with developing Alzheimer's disease |
血液細胞がY染色体を保有していない男性は、多くのがんを含む他の死因による死亡リスクが上昇することに加え、アルツハイマー病と診断されるリスクが高い。Y染色体の欠失は、80歳超の男性の最大20%が有し、男性が生涯において獲得する最も多い遺伝子変異であることが知られている。これらの所見は、アルツハイマー病発症リスクを有する者を同定する、簡便な検査につながる可能性がある。この研究結果は、European Society of Human Genetics年次集会で発表され、American Journal of Human Geneticsに掲載された。 |
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