プロトンポンプ阻害薬は認知症リスク上昇と関連する可能性がある [2016-02-23]
Proton pump inhibitors may be associated with increased risk of dementia

胃食道逆流症や消化性潰瘍の治療に一般的に用いられているプロトンポンプ阻害薬の使用は認知症リスク上昇と関連する可能性があることが、ドイツの大規模な健康保険会社のデータを用いたスタディで示されたとの論文がJAMA Neurologyオンライン版に掲載された。スタディの結果、PPI常用者(2,950人、大部分女性、平均年齢84歳)はPPI非投与者(70,729人、大部分女性、平均年齢83歳)に比べ認知症リスクが44%高かった。

脳震盪歴を有する成人において長期の自殺リスクは3倍上昇する [2016-02-23]
Long-term risk of suicide increased three-fold in adults after a concussion

脳震盪歴を有する成人における長期の自殺リスクは一般人口よりも3倍高く、脳震盪が週末に発生した場合にリスクはさらに上昇する、との新たなスタディ結果がCanadian Medical Association Journalに掲載された。オンタリオ州における20年間の脳震盪患者235,110人のうち、平日に脳震盪と診断された患者では519件の自殺が認められ(計667件中)、絶対自殺リスクは一般人口の3倍であった。週末に脳震盪と診断された患者は148件であり、絶対自殺リスクは一般人口の4倍であった。

一部の慢性ウイルス感染は加齢に伴う認知機能低下の原因になり得る [2016-02-16]
Some chronic viral infections could contribute to cognitive decline with aging

一部の慢性ウイルス感染は、一見健常な高齢者において微細な認知機能低下の原因となり得る、とAlzheimer's Disease and Associated Disordersに掲載された。研究者らは、65歳以上の参加者が5年間にわたり毎年評価を受けた"Monongahela-Youghiogheny Healthy Aging Team"(MYHAT)スタディ期間中に採取された血液検体におけるウイルス曝露徴候を検索した。その結果、サイトメガロウイルス(CMV)、HSV-2またはトキソプラズマへの曝露は高齢者における異なる認知機能低下症状と関連があり、このことはしばしば加齢による認知機能低下と考えられているものの説明に役立ち得る。

乳がん生検中の女性において瞑想は疼痛、不安および倦怠感を緩和する [2016-02-16]
Meditation eases pain, anxiety and fatigue for women during breast cancer biopsy

乳がん生検を施行される女性において瞑想は不安、倦怠感および疼痛を緩和する、とJournal of the American College of Radiologyに掲載された。研究者らは、乳がんの診断を受ける女性121人を、定位的およびエコーガイド下生検を施行される際に3つの方法(瞑想、音楽、または標準ケア)のうちの1つを受ける群にランダムに割り付けた。瞑想および音楽群の患者は標準ケア群の患者に比べ、生検後の不安や倦怠感が顕著に軽減した、と報告した。標準ケア群患者では生検後に倦怠感が増悪した、と報告した。瞑想群ではまた、音楽群に比べ生検時の疼痛が顕著に減少した。

脳内の水銀レベルが高いことはアルツハイマー病リスク上昇とは関連しない [2016-02-09]
Higher levels of mercury in brain not linked with increased risk of Alzheimer's disease

死亡した人々を対象としたスタディにおいて、中等量の魚介類摂取はアルツハイマー型神経病変との関連は少なく、魚介類摂取は脳内水銀高レベルと関連はあるが水銀レベルが高いことはアルツハイマー型神経病変とは関連がなかった、とJAMAに掲載された。魚介類摂取(週1食以上)は、老人斑密度が低いこと、重度で広範な神経原線維変化が少ないこと、および神経病理学的に定義されたアルツハイマー病変が少ないことと有意に関連があったが、アポリポ蛋白E(APOEε4)保有者においてのみ、遺伝子変異がアルツハイマー病発症リスク上昇と関連した。魚油サプリメントは、いずれの神経病理学的マーカーとも有意な関連はなかった。

高齢者において重度のうつ症状は脳卒中や心疾患リスクを上昇させる [2016-02-09]
Serious depression symptoms increase risk for stroke and heart disease in older adults

うつ病とその症状は心疾患および脳卒中と関連があるとされているが、うつ病がこれら2つの心血管疾患のリスクファクターであるか否かは不明である。Journal of the American Geriatrics Societyに掲載された論文によると、65歳以上の高齢者において、高レベルのうつ病をスタディ期間中に1回、2回、3回、または4回有していた者は、スタディ期間の10年間に心疾患または脳卒中発症リスクがそれぞれ15%、32%、52%、および75%高かった。研究者らは、うつ病は心疾患または脳卒中のリスクとなり得る、と結論付けている。

オメガ3脂肪酸レベルの高い者においてビタミンBは認知機能低下予防をより有効にする [2016-02-02]
B vitamin supplements more effective in preventing cognitive decline in people with higher omega-3 levels

記憶障害を有する高齢者において、ビタミンB補充は認知機能低下遅延に役立つとの研究結果は確立されているが、今回オメガ3脂肪酸レベルが高いとビタミンBの効果を増強することが国際的なチームにより明らかにされた。軽度認知障害(MCI)患者250人超が一連の認知機能検査を受け、2つのオメガ3脂肪酸(ドコサヘキサエン酸[DHA])およびエイコサペンタエン酸[EPA])レベル計測のため血液検査を受けた。参加者はビタミンBサプリメントまたはプラセボを2年間内服する群にランダムに割り付けられた。認知機能検査も施行され、ベースラインの結果と比較された。研究者らはオメガ3レベルが低い者において、ビタミンサプリメントの効果はわずかであるか、またはないことを見いだした。しかし、オメガ3レベルが高い者においては、ビタミンBはプラセボに比べ認知機能低下予防に非常に有効であった。これは、MCIにおいてオメガ3レベルが良好な者においてのみビタミンB内服開始により脳萎縮率が低下する、との過去の研究者らの研究結果を補足するものである。このスタディはJournal of Alzheimer's Diseaseに掲載された。

スタディの結果、早産予防戦略において母親と父親両方のうつ病を考慮する重要性が強調された [2016-02-02]
Study highlights importance of considering both maternal and paternal depression in preterm birth prevention strategies

妊娠中の母親および父親のどちらのうつ病も早産率を上昇させる、とBJOG: an International Journal of Obstetrics and Gynaecologyに掲載された。妊娠中の母親のストレスやうつ病が低出生体重や早産リスク上昇と関連することは知られているが、父親のうつ病の影響についてはあまり知られていない。今回のスタディでは、350,000件以上の出産に関して、親のうつ病と重度の早産(22〜31週)または中等度の早産(32〜36週)について調査された。うつ病の人々は、診断前12か月以内にうつ病がなければ"新規"症例に分類され、他の症例は全て"再発"と定義された。母親においては、新規および再発うつ病のどちらも中等度の早産を30〜40%増加させ、父親においては、新規のうつ病が重度の早産を38%増加させた。父親の再発うつ病は、早産には全く影響しなかった。母親においては、うつ病は新規であっても再発であっても早産リスクを上昇させた。