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大腸がん予防−非ステロイド系抗炎症薬の証明された有益性 [2016-12-27] |
Colorectal cancer prevention – a proven benefit of nonsteroidal anti-inflammatory drugs |
多くの患者において、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID、イブプロフェンなど)は進行腺がんの進行抑制として、アスピリンや多くの栄養補助食品よりも有効であることが BMJ に掲載された。研究チームは、低‐高用量のアスピリン療法、カルシウム、ビタミンDおよび葉酸を含む臨床試験のメタ解析を行い、それぞれを互いにまたは様々な組み合わせで比較した。その結果、初回ポリープ切除後3〜5年以内の大腸腺腫症の再発予防において、アスピリン以外のNSAIDはその他のすべての治療法に比べ優れていた。一方、低用量アスピリンは同等に近い結果であったが、さらなるリスクは少なかった。 |
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長期の抗炎症薬使用は子宮内膜がん患者の死亡リスクを増加させる可能性がある [2016-12-27] |
Long-term anti-inflammatory drug use may increase risk of death for women with endometrial cancer |
アスピリンやイブプロフェンなどの市販の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を常用することにより、1型子宮内膜がんと診断された患者の死亡リスクが66%上昇する、との新たな地域住民を対象とした研究がJournal of the National Cancer Institute に掲載された。この関連性は、NSAIDを過去10年超使用していたが診断前に使用を中止した患者において、最も強力であった。NSAIDの使用は、一般的により悪性度の高い2型子宮内膜がんの死亡率とは関連がなかった。具体的な用量および術後の使用に関する情報は入手できなかった、と筆者らは述べている。 |
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一般的な更年期症状はタモキシフェン療法への長期アドヒアランスに影響する [2016-12-20] |
Common menopausal symptoms affect long-term adherence to tamoxifen therapy |
乳がん予防目的でタモキシフェンを内服している女性は、悪心・嘔吐を来した場合、内服を継続する確率が低かった、との新たなデータが2016年San Antonio Breast Cancer Symposiumで発表された。しかし、この新たな解析の結果、同様の症状を来すプラセボを投与された女性も、同様に内服を中断するようであることも示された。この結果は、他の原因による同様の症状がタモキシフェンの副作用であると間違われていることを示唆する。トライアルの初期数か月の脱落が高率であることから、早期の介入が長期のアドヒアランス向上に有効である可能性が示唆される。 |
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デュロキセチンは早期乳がん患者の関節痛を軽減する [2016-12-20] |
Duloxetine reduces joint pain for women with early stage breast cancer |
うつ病や不安の治療に一般的に用いられる薬剤が、早期乳がん治療中の閉経後女性における関節痛を有意に軽減し得る、との新たなSWOG研究の結果が2016年San Antonio Breast Cancer Symposiumのspecial plenary presentationで発表された。デュロキセチンを内服中の患者は、Brief Pain Inventory (BPI)スケールが平均5.5から約3へと軽減した。最初の12週間に、BPI平均疼痛はデュロキセチン群においてプラセボ群よりも平均0.82ポイント多く減少した(p=0.0002)。最も強い痛み、疼痛による障害、関節痛、こわばり、および機能、そしてQOLに対しても、同様のパターンが認められた。 |
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チオ硫酸ナトリウムは小児におけるシスプラチン誘発性聴覚障害を減少させる [2016-12-14] |
Sodium thiosulfate reduces cisplatin-induced hearing loss in young children |
チオ硫酸ナトリウムは、小児および10代のがん患者におけるシスプラチン誘発性聴覚障害を予防することが明らかにされた。ACCL0431と呼ばれるこのランダム化、第3相対照試験の結果は、Lancet Oncology オンライン早版に掲載された。研究者らは、シスプラチンにチオ硫酸ナトリウムを併用投与された患者において、シスプラチン単剤投与された患者に比べ、聴覚障害が有意に減少した(それぞれ29%および56%)ことを報告した。シスプラチン誘発性聴覚障害に最も罹患しやすく、最も影響されやすい5歳未満の小児において、ベネフィットは最大であった。 |
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トラスツズマブのバイオシミラーは乳がん治療薬として有望であることが示された [2016-12-14] |
Drug that is biosimilar to trastuzumab shows potential as breast cancer treatment |
遠隔転移のある乳がん女性において、乳がん治療薬トラスツズマブのバイオシミラーによる治療の24週後の全奏効率は、トラスツズマブと比べ同等であった、とJAMA オンライン版に掲載された。全奏効率はバイオシミラーで70%であり、トラスツズマブで64%であった。48週後の無増悪期間(41% vs. 43%)、無増悪生存期間(44% vs. 45%)、および全生存率(89% vs. 85%)は、バイオシミラーとトラスツズマブとで有意差がなかった。 |
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大規模スタディの結果、90歳までの乳がん検出率および陽性的中率の上昇傾向が認められた [2016-12-06] |
Large study finds upward trend for breast cancer detection rate and positive predictive values through age 90 |
スクリーニングマンモグラフィーの転帰に関する過去最大のスタディにおいて、乳がんスクリーニングを中止する明らかなカットオフ年齢がないことが示された。この結果は2016年Radiological Society of North Americaで発表された。全体で、平均がん検出率は患者1,000人当たり3.74、要精検率は10%、生検を勧められた患者における陽性的中率(PPV2)は20%であり、生検を施行された患者における陽性的中率(PPV3)は29%であった。性能測定基準により、90歳に至るまで年齢上昇とともにがん検出率および陽性的中率は上昇傾向にあり、再精検率は低下する傾向にあることが示された。 |
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β遮断薬とACE阻害薬は化学療法による心血管疾患を予防する [2016-12-06] |
Beta-blockers and ACE inhibitors prevent cardiovascular damage from chemotherapy |
早期乳がん患者において、化学療法と心臓病の薬を併用することにより重篤な心血管疾患リスクが軽減する、との新たな臨床試験の結果がJournal of Clinical Oncology に掲載された。この二重盲検試験では、100人の患者に対し、化学療法薬とベータ遮断薬、ACE阻害薬またはプラセボのいずれかを併用投与した。2年にわたる心臓MRI画像から、β遮断薬内服患者はプラセボ内服群に比べ、心不全の徴候が少なかった。ACE阻害薬もまた、心保護効果を有していた。 |
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