◆ |
遺伝子検査は静脈血栓塞栓症リスクの高い乳がん患者の同定に役立つ可能性がある [2016-11-15] |
Genetic testing could help identify breast cancer patients at high risk of venous thromboembolism |
遺伝子検査は、静脈血栓塞栓症(VTE)発現リスクの高い乳がん患者の同定に役立つ可能性がある、とClinical Cancer Research に掲載された。VTEリスクは、化学療法の状況、および9つの遺伝子変異体に基づく多遺伝子リスクスコアによって決定した、遺伝的感受性に基づいて層別化された。1年間のVTE累積罹患率は、化学療法を受け遺伝的感受性の高い乳がん患者で9.5%であり、化学療法を受けなかった遺伝的感受性の低い患者では1.3%であった。化学療法を受け、遺伝的感受性の高い、60歳以上の患者における1年間のVTE累積罹患率は25%であった。 |
 |
◆ |
免疫療法は進行期の悪性黒色腫の生存率を改善する [2016-11-15] |
Immunotherapy options improves survival in late-stage cutaneous melanoma |
進行期の悪性黒色腫と診断された患者に対し、免疫療法を併用することは生存率を改善し致命的なイベントリスクを低下させる、とJAMA Oncology に掲載された。研究者らは分子標的薬または免疫チェックポイント阻害薬の有益性と有害性を、がんがリンパ節に転移し手術不適応、または遠隔転移を有する6,662人において評価した。その結果、BRAFおよびMEK分子標的療法とPD-1抗体薬免疫療法の併用は、全生存率改善において同様に有効であった。BRAFおよびMEK阻害剤の併用は、無増悪生存期間の改善において最も有効であった。 |
 |
◆ |
ウェブベースの認知機能訓練はがんサバイバーの記憶能力や注意力を改善する [2016-11-08] |
Web-based cognitive exercises improve memory and attention in cancer survivors |
使いやすいウェブベースのプログラムは認知機能低下症状を発症したがんサバイバーに役立つ、とJournal of Clinical Oncology オンライン版に掲載された。自己申告による認知機能は、標準治療群に比べ認知機能トレーニング群において、15週のプログラム終了時および6か月後のいずれの時点においても著明に改善した。プログラム参加者は、認知機能障害の自覚が少なく、認知機能が良好で、不安、抑うつ、倦怠感およびストレスのレベルが低い、と報告した。さらに、参加者のQOLはプログラム完遂後6か月の時点で改善していた。客観的神経心理学的機能検査の結果は、2群間で差はなかった。 |
 |
◆ |
遠隔転移を有する局所結腸癌の治療強度は原発巣を指針にすべきである [2016-11-08] |
Primary tumor location should guide treatment intensity in metastatic and locoregional colon cancer |
早期および転移段階いずれの結腸癌においても、原発巣(左側 vs. 右側)が予後予測因子のクライテリアとして認められるべきである、とJAMA Oncology に掲載された。右側結腸癌と左側結腸癌の臨床的特徴は異なり、またこれらは遺伝子的にも異なる。66のスタディおよび140万人を超える患者を対象としたレビューおよびメタ解析の結果、左側原発癌は死亡リスクが20%近く低いことが明らかになった。この差は腫瘍ステージや術後補助化学療法施行などの多くの臨床的因子とは関係なく認められた。 |
 |
◆ |
食道がん組織中のフソバクテリウムの存在は患者の生存期間が短いことと関連がある [2016-11-01] |
Presence of F. nucleatum DNA in esophageal cancer associated with shorter patient survival |
日本人食道がん患者のうち、フソバクテリウムが検出された者は検出されなかった者に比べ、がん特異的生存期間が短いとのデータがClinical Cancer Research に掲載された。研究者らは、検査を行った食道がん組織の23%においてフソバクテリウムを検出した。生存率と関連する因子で補正した結果、フソバクテリウム陽性患者は食道がんで死亡する割合が有意に高かった。筆者らは、食道がん組織中のフソバクテリウムの存在が予後のバイオマーカーとなり得る、と示唆している。 |
 |
◆ |
Stage 4がん患者は緊急の外科的介入後の転帰不良が持続する割合が高い [2016-11-01] |
Stage 4 cancer patients more likely to endure poor outcomes following acute surgical intervention |
播種性の進行がんで手術を施行された患者は、長期入院、再入院、長期介護施設への紹介および死亡を余儀なくされる割合がかなり高い。PLOS Oneに掲載された記事によると、stage 4がん患者は進行期がんを有さない患者に比べ、在院期間が長く(32 vs. 20%)、再入院率が高く(16 vs. 10%)、高度看護施設などの他の施設への紹介率が高く(16 vs. 13%)、30日以内の死亡率が高かった(8 vs. 2.5%)。驚くべきことに、この相違は入院中に合併症のなかったstage 4がん患者においても同様であった。 |
 |