精管切除と前立腺がんによる死亡リスクには関連がない [2016-09-27]
No connection between vasectomies and risk of death from prostate cancer

精管切除は前立腺がんのリスクも前立腺がんによる死亡リスクも上昇させない、との研究結果がJournal of Clinical Oncology に掲載された。研究者らは、精管切除と前立腺がんによる死亡リスクとの関連を、精管切除患者42,000人超を含む40歳以上の男性363,000人余りを対象にしたCancer Prevention Study IIにおいて解析した。精管切除と前立腺がん全体のリスクまたは致死的前立腺がんのリスク、いずれにおいても関連は認められなかった。このスタディでは、進行の速くない前立腺がんのリスクが、スタディ期間の最後の5年間にやや上昇したことを報告した。

進行がん患者の介護家族はしばしば高度の不安および抑うつを経験する [2016-09-27]
Family caregivers for patients with advanced cancer often experience high levels of anxiety and depression

死亡率の高いがん患者の介護家族における4分の1から3分の1近くが、高度の抑うつおよび不安症状を経験する、と2016年ASCO Palliative Care in Oncology Symposiumで発表された。スタディではまた、介護に8時間超を費やすこともあり、この時間が増加するにつれ、睡眠や運動などの自己管理の行動が減少し、メンタルヘルスが不調になる傾向にあった。調査に参加した者の4分の1近くが高度の抑うつ症状を訴え、3分の1超がボーダーラインまたは高度の不安症状を訴え、自己管理スコアが有意に低いことがデータから示された。

脳に腫瘍が拡がった非小細胞肺がん患者において放射線治療は施行しなくてもよい可能性がある [2016-09-20]
Patients with non-small cell lung cancer whose tumor has spread to the brain could be spared radiotherapy

脳に転移した非小細胞肺がん患者において、全脳照射による延命効果はほとんどないか全くないため、施行しなくてもよい可能性がある、との臨床試験の結果がLancet に掲載された。今回のトライアルでは、全脳照射施行患者と非施行患者間に、生存期間またはQOLに明らかな差はなかった。全脳照射施行患者において、生存期間は5日長く(トライアル参加後、9.2週対8.5週)、QOLが高い状態で生活を送れた日数も5日多かった。これらの差は有意ではなかった。

早期からの緩和ケアは転移性がん患者のコーピングおよびQOLを改善する [2016-09-20]
Early palliative care improves coping and quality of life for patients with metastatic cancers

特定の転移性がんについて、診断後まもなく緩和ケアを導入することで、患者のコーピング能力および全般的QOLを大きく向上させる、とのランダム化臨床試験の結果がASCO 2016 Palliative Care in Oncology Symposiumで発表された。24週後、活動的かつ積極的にコーピングスタイルを用いていると報告した割合は、通常ケア群に比べ緩和ケア群で高率であった。また、緩和ケア群では、24週後のQOLが有意に高く、抑うつレベルが低かったが、12週後ではそうではなかった。さらに、緩和ケア群の30%が終末期ケアの選択について話し合ったと報告したのに対し、標準ケア単独群ではその割合は14%であった。