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目の色に関連した遺伝子とぶどう膜悪性黒色腫には強い相関が認められた [2016-08-29] |
Strong association found between genes linked to eye color and development of uveal melanoma |
Scientific Reportsに発表された新たな研究により、特異的な遺伝子変異と、目の色を決定する色素細胞から発生するまれな悪性黒色腫である、ぶどう膜悪性黒色腫のリスク増加とが関連付けられた。眼球の悪性黒色腫と、皮膚がんとの臨床的関連は知られていることから、研究者らは両疾患の間に共通する遺伝因子があるかどうかを調査した。過去に皮膚がんと関連付けられた29の遺伝子変異を解析し、これらのうち5つがぶどう膜悪性黒色腫と有意に関連することを明らかにした。3つの最も有意な遺伝的関連は、目の色を決定付ける遺伝子領域に発現していた。 |
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ホルモン療法における乳がん患者の副作用発現は患者の予測と関連する [2016-08-29] |
Occurrence of side effects in breast cancer patients on hormone therapies linked to their expectations |
タモキシフェンのようなホルモン療法を、乳がん治療の一環として受けている女性を対象にしたスタディにおいて、患者の予測が副作用の数や重症度に影響することが明らかにされた。スタディ開始時、多くの重篤な副作用を強く予測していた女性は、副作用を予測していなかったか、軽度にしか予測していなかった女性に比べ、2年後の副作用発現率が1.8倍であり健康関連のQOLも低い、と推定された。もし予測が副作用発現リスクを予知できるのであれば、カウンセリングなどの介入によりリスクを軽減できる、と研究者らは示唆している。このスタディ結果はAnnals of Oncologyに掲載された。 |
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軟膜転移にはチロシンキナーゼ阻害薬による治療が有効である [2016-08-23] |
Leptomeningeal metastases respond positively to tyrosine kinase inhibitors therapy |
肺がん患者において壊滅的な合併症であり予後不良の予測因子である軟膜転移(LM)は、上皮成長因子受容体(EGFR)変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者において多く認められることが明らかにされた。EGFR変異を標的としてチロシンキナーゼ(TKI)を投与された患者は、TKI非投与患者に比べ全生存期間が長く、LM治療に対するTKIの有効性が示された。全体で、LM発現後の生存期間延長に有意に影響する因子は、TKI(p<0.001)および化学療法(p<0.001)であった。このスタディ結果はJournal of Thoracic Oncologyに掲載された。 |
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肺がんの型、重症度、および生存期間の予測に関してコンピュータは病理医に勝る [2016-08-23] |
Computers trounce pathologists in predicting lung cancer type, severity, and survival |
肺がん組織スライドの評価において、コンピュータが病理医よりも正確に行えるように教え込むことができる、とNature Communicationsに掲載された。研究者らは、周辺の非がん組織とがん細胞を鑑別し、がんタイプを見極め、それぞれの患者の診断後生存期間を予測するのに用い得る、サブセットの細胞特性の同定に的を絞った。その結果、機械学習による重大な疾患に関連する特性の同定は、病理医が悪性度と病期により腫瘍を層別化する標準的な方法よりも、2つのタイプの肺がんを正確に鑑別し生存期間も正確に予測した。 |
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有害事象のない卵巣がんに対する免疫学的アプローチに対する標的が同定された [2016-08-09] |
Researchers identify target for immunological approach to ovarian cancer treatment with no observed adverse effects |
最も悪性度の高い2種類の卵巣がんである明細胞腺がんおよび粘液性卵巣腫瘍を含む、種類の異なる型の卵巣腫瘍細胞表面に発現する受容体蛋白が発見された。この蛋白、卵胞刺激ホルモン受容体(FSHR)は、成人女性の卵巣以外の健常組織には認められず、つまりこの蛋白は広範な卵巣腫瘍の高度に特異的な治療標的であることを示している。さらに、T細胞はほぼ有害事象を認めることなく、これらの腫瘍に使用し得る。この結果は、Clinical Cancer Researchに掲載された。 |
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局所治療とイピリムマブの併用により悪性黒色腫患者の生存率が改善した [2016-08-09] |
Combining ipilimumab with local treatments improved survival for patients with malignant melanoma |
悪性黒色腫患者のうち、イピリムマブと局所治療の併用療法を受けた患者は、イピリムマブ単剤療法を受けた患者に比べ、有意に全生存期間が長かったとの後ろ向き臨床試験の結果が、Cancer Immunology Researchに掲載された。体外照射、電気化学療法、または体内照射を含む局所治療をイピリムマブ全身療法に併用することにより、生存期間は倍増し、免疫関連副作用は増加しなかった。イピリムマブと局部治療の併用患者における全生存期間中央値は93週であり、イピリムマブ単剤療法患者では42週であった。この生存期間に関する利点は、予後不良の古典的リスクファクターをも克服するようであった。 |
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進行がん患者におけるせん妄は救急外来においてしばしば見落とされる [2016-08-02] |
Delirium in advance cancer patients often goes undetected in the emergency department |
救急外来を訪れる進行がん患者においてせん妄は比較的頻度が高いが、医師により過小診断されがちである、とCANCERオンライン版に掲載された。救急外来を訪れる進行がん患者が2つの方法(Confusion Assessment Method[CAM]によるせん妄のスクリーニング、およびMemorial Delirium Assessment Scale[MDAS]によるせん妄重症度測定)で評価された。65歳以上の患者99人中、10人(10%)がCAM陽性せん妄を有していたのに対し、65歳未満の患者144人においては12人(8%)であった。救急外来の医師に、患者がせん妄状態かどうかを質問したが、医師はCAM陽性せん妄患者の9人(41%)を検出できなかった。 |
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脳転移に対し定位放射線治療のみを受けた患者では認知機能低下が少なかった [2016-08-02] |
Less cognitive deterioration found in patients receiving stereotactic radiosurgery alone for brain metastases |
1〜3個の脳転移を有する患者のうち、定位放射線治療(SRS)のみを受けた患者は、SRSと全脳照射(WBRT)の併用患者に比べ、3か月後の認知機能低下が少なかった、とJAMAに掲載された。研究者らは、SRS単独がWBRT併用に比べ、3か月後の認知機能低下が少ない(それぞれ40/63人[64%]および44/48人[92%])ことを明らかにした。全体的なQOLを含む3か月後のQOLは、SRS単独において高かった。全生存期間中央値は、SRS単独で10.4か月であり、SRSとWBRT併用で7.4か月であった。 |
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