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ブレンツキシマブ ベドチンは難治性ホジキンリンパ腫の標準治療となるべきであることが示された [2016-07-26] |
Study suggests brentuximab vedotin should be standard of care for treatment resistant Hodgkin lymphoma |
Bloodオンライン版に掲載された5年生存率のデータから、標的治療のブレンツキシマブ ベドチン(BV)は、治療を受けたにもかかわらず治癒しなかったホジキンリンパ腫患者の一部を治癒させたかもしれないことが示唆された。この多国籍第II相スタディは、幹細胞移植後に再発したホジキンリンパ腫患者におけるBVを検討した。その結果、完全寛解を来した患者34人中13人(38%)が5年以上の無増悪生存期間を示し、治癒した可能性があると報告された。これらの患者のうち、9人はBV単剤投与を施行されたのみであった。BVは一部のホジキンリンパ腫細胞表面蛋白であるCD30を標的とした、抗体薬物複合体製剤である。 |
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早期、高リスク結腸がんにおける術後補助化学療法は生存期間を改善する可能性がある [2016-07-26] |
Adjuvant chemotherapy in early-stage, high risk colon cancer may improve survival |
患者の年齢、リスクまたは施行された特定の化学療法でさえも関係なく、stage 2結腸がんにおける術後補助化学療法と生存期間改善とに関連があることが明らかにされた、とCancerに掲載された。術後補助化学療法は、進行結腸がんと闘う患者に役立つことが、長期にわたり立証されてきた。しかし、stage 2結腸がん患者における術後補助化学療法の有益性は不明のままである。研究者らは、stage 2結腸がん患者153,110人の医療情報を検討した。その結果、術後補助化学療法を受けた患者は受けなかった患者に比べ生存期間が長く、一部の症例では数年長かった。 |
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化学放射線療法は喉頭がん患者の喉頭温存に役立つ可能性がある [2016-07-19] |
Combination chemo-radiation therapy may help preserve larynx for patients with laryngeal cancer |
JAMA Otolaryngology-Head & Neck Surgeryオンライン版に掲載されたスタディにおいて、モノクローナル抗体セツキシマブおよび放射線療法(CRT)、または放射線療法のみを施行された患者における喉頭温存率および喉頭切除なしの生存率が評価された。その結果、2年後の喉頭温存率はCRTで88%であり、放射線療法単独では86%であった。全生存期間中央値は、CRTおよび放射線療法単独群でそれぞれ27か月対21か月であった。放射線療法単独群に比べ、CRT群において喉頭切除なしの率は、2年後および3年後にそれぞれ4%および8.9%改善した。 |
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乳がん既往者の自己申告による記憶障害は治療にかかわらずストレスが強いことと関連している [2016-07-19] |
Self-reported memory problems in breast cancer survivors linked to high stress regardless of treatment |
しばしば記憶障害を訴える乳がん既往者において、中等度から強度の運動は主観的な記憶能を改善する、とPsycho-Oncologyに発表された。中等度および強度の運動‐早歩き、サイクリング、ジョギング、または体操教室‐を行った乳がん患者は、主観的な記憶障害の訴えが少なかった。運動はストレスを軽減し、心理的な効果をもたらし、結果として記憶能を改善するようである。驚くべき知見として、記憶障害はがん既往者が経験する強度のストレス負荷と関連があるようであり、化学療法や放射線治療とは特異的な関連がないようであった。 |
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肺結節のサーベイランスは年1回のCT検査で十分である [2016-07-12] |
Surveillance of nonsolid lung nodules with annual CT imaging sufficient for follow-up |
非充実性肺結節(NSN)における年1回の低線量コンピュータ断層撮影(CT)スクリーニングにより、生検や手術が除外できる、とRadiologyオンライン版に掲載された。参加者26,722人中9.4%(2,534人)が、1つ以上のNSNを有していた。生検の結果、NSNは大抵、前癌状態、非侵襲性、あるいは感染症や線維症のようなその他の何らかの原因によるものであった。NSNの年1回CTスクリーニングで、全ての結節においてpart-solidへの変化を検出することができ、ほとんどの症例は治癒可能であるか、治療を回避することができた。生存率は、結節が非充実性である限りは100%であり、進行した場合でも、年1回のフォローアップで十分治癒可能な状態を維持できた。 |
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抗インターロイキン1-α抗体は進行大腸がん患者に希望を与える [2016-07-12] |
Anti-interleukin-1 alpha antibody offers hope for patients with advanced colorectal cancer |
新たな抗インターロイキン1-α抗体MABp1は進行大腸がん患者において、症状に重大な影響を及ぼし安全性と忍容性も高い、との第III相試験のデータがEuropean Society for Medical Oncology第18回World Congress of Gastrointestinal Cancerで発表された。MABp1を用いた治療により、臨床的奏効率が相対的に76%上昇した。臨床的奏効性を示した患者は奏効性を示さなかった患者に比べ、生存期間が約3倍長かった(11.5か月対4.2か月)。治療群においては、重篤な有害事象の発現がプラセボ群に比べ4分の1少なかった。 |
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壁内脈管侵襲は根治的前立腺摘除術後の遠隔転移に対する独立した予測因子である [2016-07-05] |
Lymphovascular invasion is an independent prognostic factor for metastasis after radical prostatectomy |
局所前立腺がんの約10%が壁内脈管侵襲(LVI)を呈し、根治的前立腺摘術後の遠隔転移リスクとなっている、とUrologic Oncologyに掲載され、Global Congress on Prostate Cancerの"PROSCA"で発表された。7,000人の患者を対象としたスタディにおいて、腫瘍のLVIを同定することが可能であることが示された。LVIの検出は、切除された腫瘍の病理学的解析上の特徴との組み合わせにより、たとえ術後のPSAが正常範囲内であっても予後予測因子となる。 |
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早期乳がんの高齢女性は治療後に機能低下を来す可能性がある [2016-07-05] |
Older women with early stage breast cancer may experience functional decline after treatment |
新規にstage Iからstage IIIの乳がんと診断された、65歳以上の女性を対象としたスタディにおいて、治療開始後1年以内に約5人に1人が、自立した生活に必要な基本的作業の一部を完全に行う能力を失う。またスタディの結果、ある簡便な調査が、このような機能低下リスクの高い女性を同定するのに役立つことも示された。診断から12か月以内に、スタディ対象患者184人中34人が機能低下を来し、7人が死亡した。高校教育以上の教育を受けていない女性は、過度にリスクが高かった。この結果はCANCER オンライン版に掲載された。 |
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