原発巣部位が左側の大腸がんは右側の大腸がんよりも生存期間を延長させる [2016-05-31]
Cancer originating on the left side of colon associated with longer survival versus the right side

大規模臨床試験の後ろ向き解析の結果、大腸内の原発巣部位は生存期間を予測し、切除不能進行・再発大腸がん患者に対する最良の治療選択に役立つ可能性があることが示された。このデータは、原発巣が左側大腸(下行結腸、S状結腸、および直腸)の患者は右側大腸(盲腸および上行結腸)の患者に比べ、生存期間が有意に長いことを示している。このスタディ結果は、2016年American Society of Clinical Oncology年次集会で発表される。

KEYNOTE:進行期メラノーマ患者に対するPD-1阻害薬pembrolizumabは生存期間の改善をもたらす [2016-05-31]
KEYNOTE: PD-1 inhibitor pembrolizumab provides long-term survival benefit for patients with advanced melanoma

新規に診断され治療歴を有する進行期メラノーマ患者を対象とした第1b相トライアル(KEYNOTE-001)の長期追跡の結果、pembrolizumab開始3年後40%の患者が生存しており、36か月後の全生存率はイピリムマブ投与を過去に受けた者と受けていない者とで同等であった。注目すべきは、今回のスタディ対象患者の15%が、免疫関連効果判定基準に基づく完全寛解を得たことである。これらの患者のうち、89%が寛解を維持している。イピリムマブが生存期間を延長する初めての薬剤として承認された2011年までは、進行期メラノーマ患者の全生存期間中央値は1年未満であった。このスタディ結果は、2016年American Society of Clinical Oncology年次集会で発表される。

新たなPSA検査は悪性腫瘍を検出し高悪性度と低悪性度の前立腺がんを鑑別する [2016-05-24]
Novel PSA test detects malignancies and differentiates between high-grade and low-grade prostate cancer

新たな検査は、単に患者の血液内蛋白濃度を計測する現在の検査とは対照的に、前立腺特異抗原(PSA)蛋白内の分子変化を同定することにより、前立腺がんをより正確に検出する有望な方法である、と第111回American Urological Association年次集会で発表された。現在進行中の多施設前向き臨床試験の一部であるこのスタディにおいて、IsoPSATM検査は良性の病態のみならず、悪性と良性を鑑別することも可能であることが明らかにされた。血清PSA検査に比べ、IsoPSATM検査は感度、特異度ともに優れていた。

ステージIIIA非小細胞肺がんの生存率は治療に4つの特異的な質評価が含まれると改善する [2016-05-24]
Stage IIIA non-small cell lung cancer survival rates improve when care includes four specific quality measures

手術を施行されたステージIIIA非小細胞肺がん患者の生存率は、治療の一部として4つの質評価を施行された患者において、3倍以上上昇した。第96回AATS年次集会で発表されたこのスタディはまた、質評価に対するコンプライアンスには大きな開きがあり、適格患者約8,000人のうち4つの介入(多剤併用術後補助化学療法、肺葉切除術、10個以上のリンパ節採取、およびR0切除)全てを施行されたのは、わずか12.8%であった。最も欠けていた評価は、多剤併用術後補助化学療法の施行(わずかに約30%)であった。次いで、10個以上のリンパ節採取であり、わずか40%の患者にしか施行されていなかった。

スタディの結果、テストステロン補充療法は悪性度の高い前立腺がんのリスクを低下させることが示唆された [2016-05-17]
Study suggests testosterone therapy reduces risk of aggressive prostate cancer

テストステロンレベルが低い男性は、テストステロン補充療法が前立腺がんリスクを上昇させることを恐れる必要はない、と国際チームにより第111回American Urological Association年次集会で発表された。このスタディにより、テストステロンを1年以上処方されている男性における、前立腺がんリスクの集団全体の増加はなく、実際、悪性度の高い前立腺がんリスクは50%減少したことが示された。前立腺がんリスクに関し、ゲル剤と他のタイプの剤型とで差はなかった。

根治的前立腺全摘除術後の補助化学療法は再発リスクの高い男性において有益な可能性がある [2016-05-17]
Adjuvant chemotherapy after radical prostatectomy may benefit men who are at high risk for relapse

全ての前立腺がん男性が、根治的前立腺全摘除術後の補助化学療法の恩恵をこうむるわけではないが、ステージの高い男性には有益である可能性がある、と第111回American Urological Association年次集会で発表された。研究者らは、前立腺全摘除術を施行されたが、臨床的および病理学的因子に基づくと再発リスクが高い患者に対する、早期の術後補助化学療法の有効性を検討した。化学療法を施行された患者集団全体においては、無増悪生存期間の統計学的に有意な改善は見られなかった;しかし、アフリカ系米国人男性および病理学的ハイリスク(≥T3b)の男性においては、無増悪生存期間における有益性が認められた(それぞれp=0.054およびp=0.041)。

アスピリン内服と胆管がん発症に不の相関が見られた [2016-05-02]
Inverse association found between aspirin use and the presence of cholangiocarcinoma

Hepatologyに掲載された最近のスタディにおいて、アスピリンの常用は胆管がん発症リスクを有意に低下させることと関連があった。アスピリン内服者は非内服者に比べ、胆管がんを有する確率が2.7〜3.6倍低かった。また、原発性硬化性胆管炎、胆道疾患、肝硬変、B型肝炎ウイルス感染、糖尿病、および喫煙が、3つの異なる胆管がんサブタイプに対し様々な度合いでリスクに影響することも明らかにされた。この結果は、アスピリン常用と胆管がんサブタイプの存在に負の相関があることは、それぞれ独自のリスクファクターを有する別個の疾患である、との仮説を支持するものである。

小児白血病の再発が一般的な化学療法薬の高用量により改善する [2016-05-02]
Relapses of childhood leukemia improve with high doses of common chemotherapy drug

再発高リスクに分類された急性リンパ球性白血病(ALL)小児患者−白血球数増多を有するかまたは10歳超の患者−において、高用量メトトレキサートの新たな投与計画は、用量漸増法よりも優れていた。高用量または漸増メトトレキサート療法を受けた患者は、全般的に治療が非常に奏効したが、高用量患者は予後が有意に5〜6%良好であり、これらの患者の再発リスクが有意に低下したことを意味する。この研究結果はJournal of Clinical Oncologyに掲載された。