試験中の新規抗がん剤BGB-283 (Abstract CT005)
術前補助化学療法は乳がんに対し有望である (Abstract CT042)

4月5日、12日、19日のDOL NewsはACC特集のため、Oncologyニュースは
お休みさせていただきました。

新たなRAF-標的治療はBRAFおよびRAS変異を有する腫瘍に対し早期に有望性を示した [2016-04-26]
New RAF-targeted therapeutic shows early promise against tumors with BRAF and RAS mutations

RAF蛋白ファミリーを標的とした試験中の新規抗がん剤BGB-283は、BRAF、KRAS、およびNRASに変異を有する広範ながんの患者において臨床活性の徴候を示した、との第I相臨床試験の結果が2016年American Association for Cancer Research年次集会で発表された。BGB-283を用いた治療を受け、有効性が評価可能であった患者29人のうち、3人は部分奏効、1人は不確定の部分奏効を認め、14人においては病勢の安定が認められた。部分奏効は200日以上続き、持続性であった。

I-SPY 2:術前併用療法はHER2-陽性乳がん患者の予後を改善する可能性がある [2016-04-26]
I-SPY 2: Presurgery combination therapy may improve outcomes for women with HER2-positive breast cancer

I-SPY 2 トライアルの結果、HER2-陽性乳がん患者に対する抗体薬物複合体トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)とペルツズマブの併用による術前補助療法は、パクリタキセルとトラスツズマブの併用よりも有益であることが示された、と2016年American Association for Cancer Research(AACR)年次集会で発表された。pCRのデータに基づくと、T-DM1とペルツズマブ併用療法により、3つのバイオマーカーシグネチャのいずれかを有するHER2-陽性乳がん女性において、90〜94%の有益な結果をもたらす可能性があることが、今回のトライアルの独自の統計学的手法により確認された。これらの結果は有望ではあるが、第III相検証的試験が必要であると筆者らは強調している。