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新たな報告により心臓突然死を予防する10の尺度が概説された [2016-12-27] |
New report outlines 10 measures for the prevention of sudden cardiac death |
Journal of the American College of Cardiology and Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomesオンライン版に掲載された新たな報告において、心臓突然死の予防に役立てることを目的とした、10の質およびパフォーマンスの尺度が示された。この質およびパフォーマンスの尺度には、禁煙介入、家族歴のスクリーニング、無症候性左室機能不全のスクリーニング、CPRトレーニングの勧め、ICDの使用、ガイドラインに沿った薬物療法および心臓突然停止既往者の第一度親族のカウンセリングなどが含まれる。この一連のパフォーマンス尺度は、医師が心臓突然停止の危険性のある患者に対し、より良いケアを提供し、その結果、ケアや予後が改善するのに役立つことを目的としている。 |
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栄養データのレビューの結果、赤肉は心血管疾患リスクファクターに対する影響に関して中立であることが示された [2016-12-27] |
Nutrition data review shows red meat has neutral effect on cardiovascular disease risk factors |
一般的に推奨されている量を超える赤肉を摂取しても、短期の心血管疾患リスクファクターには影響しない、とAmerican Journal of Clinical Nutrition に報告された。赤肉を制限する現在の推奨は、主に食習慣と心血管疾患を関連付けたスタディから来ており、赤肉が疾患を引き起こすことを示すようにデザインされたものから作られているのではない。今回の新たなスタディにおいて、研究者らは食習慣と健康リスクとの原因および影響に着目した。その結果、1日半人前(3オンスを週3回摂取するのに匹敵)を超えて摂取しても、血圧やコレステロール値を悪化させなかった。 |
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急性冠症候群患者は自殺リスクが高いようである [2016-12-20] |
Patients with acute coronary syndrome appear to be at increased risk of suicide |
急性冠症候群(ACS)患者はその他の健常者に比べ自殺のリスクが高いようである、との新たな研究結果がJournal of the American Heart Association に掲載された。糖尿病、脳卒中、慢性腎臓病および精神疾患で補正した結果、ACSと診断後6か月の間に自殺をする可能性は、ACS患者において対照群よりも200%高かった、と台湾の研究者らが明らかにした。精神疾患などの他のリスクファクターで補正した結果、ACS患者の自殺率は約15%の増加に低下したが、しかし依然として有意と考えられた。 |
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現在および過去の婚姻歴は脳卒中の予後に有意な影響を及ぼし得る [2016-12-20] |
Current and past marital experiences can have significant consequences for prognosis after a stroke |
安定した婚姻状態、および離婚歴や死別を経験したことのない人々は、脳卒中後の生存の見通しが最も良好である、とJournal of the American Heart Association に掲載された。脳卒中後死亡するリスクは、婚姻歴のない成人において結婚生活を続けている成人よりも71%高かった。離婚または死別していると、脳卒中後死亡リスクがそれぞれ、23%および25%高かった。2回以上の離婚や配偶者の死を経験した者は、脳卒中発症後死亡する確率がそれぞれ、39%および40%高かった。 |
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心臓バイオマーカーと潜在的脳傷害のマーカーとの密接な関連 [2016-12-14] |
Close link found between cardiac biomarker and markers of subclinical brain damage |
心疾患と関連した血中蛋白レベルは早期脳傷害とも関連がある、とのスタディ結果がRadiology オンライン版に掲載された。過去のスタディで心疾患と脳疾患の関連は示されているが、心臓バイオマーカーと脳容積や白質インテグリティなどの、潜在的脳傷害の画像マーカーとの関連に関してはほとんど知られていない。血中N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)レベルとMRI所見とを比較した結果、NT-proBNPレベルが高いほど、脳容積、特に灰白質体積が小さく脳の白質の組織化が乏しいことが明らかにされた。 |
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24時間制シフト勤務者における断眠は心収縮、血圧および心拍数の増加につながる [2016-12-14] |
Sleep deprivation in 24-hour shift workers leads to increase in cardiac contractility, blood pressure and heart rate |
24時間制シフト勤務に伴う短期断眠は、心収縮、血圧および心拍数の有意な増加につながり得ることが初めて示された、と2016年Radiological Society of North America年次集会で発表された。短期断眠後に、参加者の平均のピーク収縮期ストレイン(前= -21.9;後 = -23.4)、収縮期(112.8; 118.5)および拡張期(62.9; 69.2)血圧、および心拍数(63.0; 68.9)が有意に増加した。さらに、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、甲状腺ホルモンFT3およびFT4、コルチゾール値も有意に増加した。 |
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アルコール摂取は冠動脈に対し有害でもなければ保護効果もないようである [2016-12-06] |
Alcohol consumption appears to have neither harmful nor protective effects on coronary artery disease |
少量から中等量のアルコール摂取と冠動脈疾患(CAD)とには関連がない、との冠動脈CT造影法(CCTA)を用いたスタディ結果が、2016年Radiological Society of North America年次集会で発表された。研究者らは、CAD疑いのためCCTAを指示された連続1,925人の患者を調査した。飲酒習慣に関する情報は、飲酒量やアルコールの種類に関する質問票で収集された。週当たりの飲酒量は、少量であっても中等量であっても、CADの有無とは関連がなかった。さらに、アルコールの種類と冠動脈アテローム性硬化症の有無にも関連はなかった。 |
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高血圧、肥満および糖尿病の回避は心不全リスクを低下させる可能性がある [2016-12-06] |
Avoiding hypertension, obesity and diabetes may lower the burden of heart failure |
45〜55歳までの高血圧、肥満および糖尿病の発症を予防することは、その後の人生における心不全リスクを86%低下させる可能性がある、とJACC: Heart Failure に掲載された。45歳の時点で高血圧、肥満または糖尿病を有さない男性は、心不全を発症するまでの期間が平均10.6年長く、45歳の時点でこれら3つのリスクファクターのいずれも有さない女性は、心不全を発症するまでの期間が平均14.9年長かった。55歳の時点でも同様の傾向がみられた。糖尿病は特に、心不全を発症するまでの期間が短いことと関連があった。 |
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