LEADERS FREE:ポリマーフリーbiolimus-A薬剤溶出性ステントはベアメタルステントに比べ有効性と安全性に勝る [2016-05-31]
LEADERS FREE: Polymer-free biolimus-A drug coated stent more effective and safer than bare metal stent

出血高リスクの急性冠症候群(ACS)患者は、ポリマーフリーbiolimus-A (BA9)薬剤溶出性ステントを用いて経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した方が、ベアメタルステントを用いるよりも有意に成績が良好である。12か月の追跡の結果、BA-9薬剤溶出性ステント群はベアメタルステント群に比べ、臨床的に必要な標的病変再血行再建術は半分未満であった(p=0.009)。BA-9薬剤溶出性ステント群はまた、有害事象(心臓死、MIおよびステント血栓の合計)リスクが有意に低かった(p=0.049)。LEADERS FREEトライアルのこのサブスタディの結果は、EuroPCR2016のlate-breaker sessionで報告された。

OPINION:PCI施行時の指標として光干渉断層法は血管内超音波法に匹敵する [2016-05-31]
OPINION: Optical frequency domain imaging matches intravascular ultrasound for guiding PCI

第2世代薬剤溶出性ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行時の指標として、光干渉断層法(OFDI)を使用することにより、血管内超音波(IVUS)ガイド下PCIと同等の臨床的および血管造影上の転帰を達成することができる。このOPINIONスタディの研究者らは、日本の42施設において、DESを用いたPCIを予定されている患者800人(平均年齢68歳)を、OFDI-ガイド下PCIまたはIVUSガイド下PCI群にランダムに割り付けた。EuroPCR 2016 late-breaker sessionで報告されたこの結果から、12か月以内の標的病変再血行再建術施行率は、OFDIガイド下PCI群とIVUSガイド下PCI群では同様に低かった(5.2%対4.9%)。

新たな心臓画像技術は息止めが不要なことにより、短時間でより質の高い画像を取り込む [2016-05-24]
New cardiac imaging technique improves acquisition of higher quality images in less time by removing need to breathe

心臓磁気共鳴(CMR)画像検査に対する新たな技術は、患者の息止めを不要にすることにより精度が向上した、と2016年EuroCMRで発表された。高頻度パーカッション換気法と呼ばれるこの技術において、患者は少量の空気を送気する人工呼吸器に接続された"percussions"と呼ばれる口を覆うマスクを装着する。10〜15回の深呼吸の代わりに、患者は自然な回数の呼吸を行い、空気は1分当たり300〜500回の少量の換気により提供される。空気の量が小さいため胸部は動かない。動きがないことにより、短時間で質の高い画像の取り込みが可能となる。

閉塞性睡眠時無呼吸および心筋線維症を有する患者は心血管系の予後が不良である [2016-05-24]
Patients with obstructive sleep apnea and myocardial fibrosis have poor cardiovascular outcomes

心臓磁気共鳴(CMR)検査をオーダーされた閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者において、心筋線維症が心血管系の予後不良と関連することが明らかにされたことから、心筋線維症は将来の治療標的となり得る、と2016 EuroCMRで発表された。研究者らは、OSA患者の30%が高度の心筋線維症を有することを見いだした。これは健常コントロールにおける割合よりも高かったが、既知の心疾患または心疾患が疑われる患者でCMR検査をオーダーされた患者と同等であった。OSA患者において追跡期間中央値2.3年後、心筋線維症は高イベント率と有意に関連した。

初めての長期結果からS-ICDは心室性頻脈性不整脈患者に対し安全かつ有効であることが示された [2016-05-17]
First long-term results show S-ICD is safe and effective for patients with ventricular tachyarrhythmias

全世界における最大の、完全皮下植込み型除細動器(S-ICD)の観察研究であるEFFORTLESSスタディの3〜5年の結果、このデバイスが心室性頻脈性不整脈に対し信頼できる治療を提供していることが示された、と第37回Heart Rhythm Society年次集会で発表された。S-ICDが原因の合併症は、30日後の時点で患者の99.7%において認められず、360日後の時点では98.0%において認められなかった。心房細動/上室性頻拍に対する不適切な作動は1年後の時点で1.5%であり、1年後の全ての不適切な電気ショックは8.1%、3年後では11.7%であった。1年間および5年間の適切な電気ショックはそれぞれ、5.8%および13.5%であった。S-ICDは、心臓内へのリード留置不要の、心室性不整脈を管理するデバイスとして開発された。

ペースメーカーを植え込んだ睡眠時無呼吸症候群患者は心房細動発症リスクが高い [2016-05-17]
Patients with pacemakers and sleep apnea are at increased risk of developing atrial fibrillation

この種で初めてのスタディの結果から、ペースメーカーで検出された睡眠時無呼吸症候群患者においては、心房細動(AF)発現率が有意に高いことが明らかにされた。8か月の追跡期間中、不整脈歴を有さない28%の患者を含む36%の患者に、AFが発現した。重度の睡眠時無呼吸を有すると、AFリスクは患者全体で3倍高く、AF歴のない患者においては約6倍高かった。第37回Heart Rhythm Society年次集会で発表された今回のスタディは、ペースメーカーを植え込まれている患者において睡眠時無呼吸をモニターすることは、AF発症リスク患者を同定するうえで不可欠であることを示唆している。

地中海式ダイエットは心血管イベントを低下させることが確認されたが、欧米食はリスク上昇と関連がなかった [2016-05-02]
Mediterranean diet confirmed to lower risk of cardiovascular events but Western diet not associated with increased risk

"地中海式"ダイエット(果物、野菜、魚および精製されていない食品に富んだ食事)は心血管イベントリスク低下と関連があるが、健康的な食品をより多く食べることは不健康な食品(精製された穀物、甘い物、加糖飲料および揚げ物‐"欧米"食)を控えることより重要である。健康的な"地中海"食を摂取する割合が最大の者においては、健康的な食品摂取量が最も少ない者に比べ、4年近くの追跡期間中の心筋梗塞、脳卒中または死亡が100人当たり3件少なかった。不健康な食品の摂取量が多いことは有害事象を増加させなかった。このスタディはEuropean Heart Journalに掲載された。

交代制夜勤の長さは女性において冠動脈疾患リスクを上昇させる [2016-05-02]
Length of time spent working rotating night shift increases risk of coronary heart disease in women

女性正看護師において、交代制夜勤を5年以上行うことは冠動脈疾患(CHD)リスクのやや上昇に関連した、とJAMAに掲載された。研究者らは、Nurses' Health Studyにおいて、スタディ開始時健康であった女性189,158人を24年間追跡した。交代制夜勤を続ける年数が増加することは、CHDリスクの統計学的に有意ではあるが軽度の絶対的な増加と関連があった。夜勤の期間とCHDとの相関は、追跡期間前半において後半よりも強く、夜勤の中止後にリスクが漸減することが示唆された。