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ビートルートジュースを毎日摂取することにより一般的な心不全を有する高齢患者の持久力および血圧が改善した [2016-02-23] |
Daily dose of beetroot juice improved endurance and blood pressure in older patients with common type of heart failure |
ビートルートジュースを毎日摂取することにより、心駆出率の維持された心不全(HFPEF)を有する高齢患者の持久力および血圧が有意に改善した、とJournal of the American College of Cardiology-HeartFailureオンライン版に掲載された。ビートルートジュースの単回摂取では何も改善は認められなかったが、毎日摂取することで1週間後には有酸素運動の持久力が24%改善した。ジュースの摂取はまた、単回摂取群および毎日摂取群のいずれにおいても、安静時収縮期血圧を有意に(5〜10mmHg)低下させた。 |
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直近の活動性喘息は腹部大動脈瘤破裂および突然死のリスクを上昇させる可能性がある [2016-02-23] |
Recent active asthma may increase risk of abdominal aortic aneurysm rupture and sudden death |
直近の活動性喘息を有する50歳以上の患者は、喘息のない者に比べ腹部大動脈瘤破裂および突然死のリスクが有意に高かった、とArteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biologyに掲載された。腹部大動脈瘤を有し1年以内に喘息と診断された患者は喘息のない者に比べ、動脈瘤破裂リスクが50%以上高かった。過去6か月以内に喘息と診断された者は、喘息のない者に比べ大動脈瘤破裂の確率が2倍であった。薬剤で喘息をコントロールしている患者は、大動脈瘤を有するリスクが45%も高かった。 |
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エピジェネティックな機構が2型糖尿病患者の血糖コントロール不良と関連する [2016-02-16] |
Epigenetic mechanism associated with poor control of glucose levels in people with type 2 diabetes |
エピジェネティックな機構が血糖調節に関係があることが明らかにされた。Molecular Human Geneticsに掲載された今回のスタディにおいて、TXNIP遺伝子のメチル化が2型糖尿病、特に平均血糖値と関連することが示されている。これらの結果は2 つの患者コホートにおいて再現され、糖尿病発症リスクを有する患者の同定と治療反応性の管理、さらに将来の糖尿病治療の開発に役立ち得る。 |
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妊娠後期の高血圧前症は低出生体重児および死産と関連する [2016-02-16] |
Prehypertension in late pregnancy linked with underweight newborns and stillbirths |
妊娠後期に高血圧前症を来した妊婦は、正常血圧であった妊婦に比べ低出生体重児の出産および死産の確率が高い、とHypertensionに掲載された。今回のスタディにおいて、妊娠後期(36週)に高血圧前症であった妊婦は、低出生体重児を出産する確率が69%高く、死産する確率が70%高かった。拡張期血圧が15ポイント以上上昇し高血圧前症を発症した妊婦は、低出生体重児を出産する確率が2倍以上であった。 |
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収縮期血圧140mmHg未満の健常高齢者は脳卒中リスクが低い [2016-02-09] |
Older, healthy adults with systolic blood pressure below 140 have lower stroke risk |
高齢者における新たな降圧目標として収縮期血圧閾値を140mmHgから150mmHgに上げることにより、この集団の脳卒中リスクが上昇する可能性があるとHypertentionに掲載された。2014年のJAMAに掲載された論文において、収縮期血圧の降圧目標を150mmHgにすることが推奨された。今回の新たなスタディにおいて、収縮期血圧が140から149mmHgに引き上げられることにより、脳卒中リスクは収縮期血圧が150mmHg以上であるのと同様に上昇した。スタディ開始時に収縮期血圧が140mmHg以上であった者は、正常血圧の者に比べ脳卒中発症リスクが70%高かった。 |
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体力・運動能力が高いことは初回心筋梗塞後の死亡リスク低下と関連がある [2016-02-09] |
Higher fitness linked to reduced risk of death after first myocardial infarction |
体力・運動能力が高いことは心筋梗塞(MI)および総死亡リスクを軽減するのみならず初回MI後の生存率を改善する可能性がある、とMayo Clinic Proceedingsに報告された。トレッドミル負荷試験において、代謝等量(MET)スコアが10以上であると初回MI後の死亡が約40%少なかった。METスコアが6以下の者のうち、3分の1が初回MI後1年以内に死亡した。METスコアが1上昇する毎に、初回MI後死亡リスクは8%低下した。 |
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肥満者における肝臓の中性脂肪増加は左室拡張能低下と関連がある [2016-02-02] |
Increased hepatic triglycerides associated with decreased left ventricular diastolic function in the obese |
肥満者における肝脂肪変性は潜在性心不全と独立して関連している、とRadiologyオンライン版に掲載された。研究者らは45〜65歳の男女714人において、プロトンMRスペクトルスコピー(MRS)を用いて肝臓中性脂肪含有量を計測し、心臓MRIで左室拡張能を評価した。714人のうち47%が過剰体重に、13%が肥満に分類された。スタディ対象の肥満群において、肝臓中性脂肪含有量の増加は平均左室拡張能低下と関連があった。肝臓中性脂肪含有量と左室拡張能との関連はメタボリック症候群とは関係なく存在し、少なくとも肥満者においては、メタボリック症候群に集簇する既知の心血管リスクファクター以上に脂肪肝自体が心不全リスクにさらされていることが示唆される。肝脂肪変性と心機能との関連の理由は不明であるが、感染と戦うマクロファージの存在または肝臓由来のサイトカインの過剰発現などのいくつかの因子と関連している可能性がある。今回の結果はこれらの患者に対する食事療法の重要性をさらに示している、と筆者らは述べている。 |
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高層階への居住は心停止後の生存率減少と関連がある [2016-02-02] |
Living on higher floors of high-rise buildings associated with decreased survival following cardiac arrest |
高層住宅の居住者については、地上から数階上に住んでいる者は心停止後の生存率が良好であり、17階以上の居住者の心停止後生存率はわずかであった、とCanadian Medical Association Journalに掲載された。このスタディは、救急車到着から911指令によるファーストリスポンダーが心停止患者に到達するまでの間隔を調査した。これまでの他のスタディは、911への通報から救急車が現場到着までの所要時間を計測し、生存率に及ぼす影響を調査したが、患者に到達するまでの時間ではなかった。今回のスタディにおいては、心停止患者が地上から高い階の住民ほど、生存率は低下した。私邸で心停止を来し911指令によるファーストリスポンダーによる処置を受けた患者8,216人中、生存して退院したのは3.8%であった。3階未満に居住していた心停止患者5,998人(73%)のうち、心停止後生存していたのは252人(4.2%)であったが、3階以上に居住していた1,844人においてはわずか48人(2.6%)であった。階層ごとに解析すると、17階以上の居住者における心停止後生存率はわずか0.9%であり、25階より上の居住者においては、生存者はいなかった。 |
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