植込み型心臓デバイスはスマートフォンによる電磁干渉の影響を受ける可能性がある [2015-06-30]
Implanted cardiac devices may be affected by electromagnetic interference from smartphones

心臓デバイスを植え込まれている者は、疼痛を伴う不快な電気ショックや機能の一時停止を避けるためにスマートフォンとは安全な距離を保つ必要があるとの研究結果が示され、European Society of Cardiology (ESC) European Heart Rhythm Association (EHRA) のジョイントミーティングEHRA EUROPACE – CARDIOSTIM 2015で発表された。計308人の患者(ペースメーカ147人およびICD 161人、CRT 65人を含む)が心臓デバイス上の皮膚に直接置かれた3つの一般的なスマートフォンの電磁場に曝された。研究者らは、接続、呼び出し、会話および通信切断などの標準的な通話過程の間、スマートフォンを置いておいた。心電図を持続的に記録し、干渉をチェックした。308人中1人(0.3%)がスマートフォンに起因する電磁干渉(EMI)の影響を受けた。ペースメーカはスマートフォンからのEMIを心臓の信号として誤って検出し、短時間機能を停止し、その結果失神を生じる可能性がある、と筆者らは説明している。植込み型除細動器(ICD)に関しては、生命を脅かす心室頻脈性不整脈に類似した外部信号によってICDが電気ショックを起こしてしまう。筆者らは、患者はスマートフォンを心臓デバイスの上にあるポケットに入れないこと、通話時にはデバイスが植え込まれているのと反対の耳に当てることを推奨している。

ペースメーカを体外で試してみることは永久ペースメーカを植え込むかどうかを決めていない患者の役に立つ可能性がある [2015-06-30]
Trying out pacemakers outside the skin may help guide patients undecided about permanent implants

患者は永久ペースメーカ植込みを行うか否かを決断する前に体外で試してみている、との新たな研究結果がEuropean Society of Cardiology (ESC) European Heart Rhythm Association (EHRA) のジョイントミーティングEHRA EUROPACE – CARDIOSTIM 2015で発表された。約4年間にわたり、40〜82歳の徐脈患者6人が2〜3週間の"動作試験"を受けることを勧められ、永久ペースメーカ植込みにより得られる有益性を評価することが認められた。手技は電気生理学研究室において行われた。針を鎖骨下または腋窩静脈に直接挿入し、永久ペーシングリードは経皮的に通過させ心房または心室(またはその両者)に付着させた。リードは皮膚に固定し未減菌の永久ペースメーカを皮膚に縫い付け防水布で覆った。ペースメーカは各患者に適合させたレート応答モードに設定され、2〜3週間後に除去された。6人の患者全員がその後、永久ペースメーカを皮下に植え込むことを選択した。動作試験のための初回ペースメーカ植込みやデバイス除去に伴う合併症は認められなかった。

睡眠障害は心筋梗塞や脳卒中のリスクファクターとして考えられるべきである [2015-06-23]
Sleep disturbances should be considered a risk factor for myocardial infarction and stroke

睡眠不足は心筋梗塞や脳卒中のリスク上昇と関連するとのWHO MONICAスタディの結果がCouncil on Cardiovascular Nursing and Allied Professions of the European Society of Cardiologyの年次集会である2015年EuroHeartCareで発表された。スタディにはMI、脳卒中または糖尿病の既往歴のない25〜64歳の男性657人が含まれた。睡眠の質は、スタディが開始された1994年にJenkins Sleep Scaleを用いて評価された。睡眠尺度が非常に不良、不良または不足であった場合、睡眠障害と考えられた。MIおよび脳卒中症例がその後14年間にわたり記録された。MIを発症した参加者の約3分の2(63%)が睡眠障害も有していた。睡眠障害を有する男性はそれを有さない男性に比べ、MIリスクが2〜2.6倍高く、脳卒中リスクが1.5〜4倍高かった。また、睡眠障害を有する男性におけるMIおよび脳卒中率は社会格差と関連があり、妻と死別したり離婚した者、中等学校を卒業していない者、中等度から重度の肉体労働者で発現率が最も高かった。

冠動脈の石灰化を可視化することは患者の生活習慣改善への動機付けとなる可能性がある [2015-06-23]
Visualizing calcified coronary arteries may motivate patients to change lifestyle

自分自身の冠動脈の石灰化を見ることは、新たに診断された冠動脈疾患患者が生活習慣を改善する動機付けとなる可能性がある、との新たな研究結果が2015年EuroHeartCareで発表された。スタディでは、冠動脈のCTAを施行され非閉塞性冠動脈疾患と診断された脂質異常症患者189人が対象とされた。患者らは1:1の割合で介入(石灰化した冠動脈のCT画像を示しながらの診察と看護師による冠動脈石灰化と将来の有害な心血管イベントとの関連の説明)、または一般診療による標準的なフォローアップに前向きにランダム化された。6か月後の血漿総コレステロール濃度は介入群においてコントロールよりも顕著に低下していた(p=0.027)。喫煙継続(22%対9%、p=0.014)および不健康な食事(64%対44%、p=0.005)を継続していたのは、コントロール群の方が多かった。介入群では体重が平均1.5s減量したのに対し、コントロール群では平均0.5kg増加した(p=0.001)。スタチン療法のアドヒアランス度合いは介入群で高い傾向にあった(p=0.056)。