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妊娠中のSSRI使用と自閉症および発達遅滞との関連が男児において認められた [2014-04-28] |
Association found between SSRI use during pregnancy and autism and developmental delays in boys |
約1,000組の母子を対象としたスタディの結果、うつ病、不安および他の疾患の治療薬としてしばしば処方される選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)への胎児期の曝露と自閉症スペクトラム障害(ASD)および発達遅滞(DD)との関連が男児において認められた。Pediatricsオンライン版に掲載されたこのスタディには、地域住民を対象としたケースコントロールスタディであるChildhood Autism Risks from Genetics and the Environment(CHARGE)の母子966組が含まれた。研究者らはデータを3群(ASD、DDまたは定型発達[TD]と診断された者)に分けた。子供の年齢は2〜5歳の範囲であった。子供の多くは男児であった―ASD群の82.5%、DD群の65.6%およびTD群の85.6%が男児であった。胎児期にSSRIに曝露されていたのはASD群においてTD群に比べ3倍多く、特に妊娠第一期に曝露されるとリスクが最大であった。SSRIは男児におけるDDも上昇させ、曝露の影響は妊娠第三期で最も強かった。スタディには女児も含まれたが、実質的に影響が強かったのは男児のみであったことから、胎児期SSRI曝露の影響には男女差があることが示唆された。 |
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パーキンソン病に対する一般的な治療は一部の患者において認知機能低下と関連する [2014-04-28] |
Common therapy for Parkinson's disease associated with declining cognitive performance among some patients |
うつ病の有無によるパーキンソン病患者の認知機能を評価した結果、パーキンソン病(PD)の運動障害に一般的に用いられるドパミン補充療法はうつ病のパーキンソン病患者の認知機能低下に関連することが示された。PD患者28人(うつ病のない者18人およびうつ病を有する者10人)のコホートがベースラインにおいて一連の検査を受け、認知機能およびうつ病の発現や重症度の評価を受けた。その後、ドパミン補充療法の有無で再度検査を受けた。その結果、言語記憶および表情識別課題の3つの計測値においてうつ病と内服状況とに統計学的有意な関連性が示された。全ての症例において、うつ病を有するパーキンソン病患者はドパミン誘導薬を内服している時の方が内服していない時よりも成績が有意に低かった。対照的に、うつ病を有さないパーキンソン病患者の認知機能はドパミン補充療法により改善した。またスタディの結果、うつ病のパーキンソン病患者の気分はドパミン作動薬内服中には実際悪化することも明らかになった。このスタディ結果はPsychiatry Research誌に掲載された。これらの結果は参加者のコホートが少人数であることから予備的なものである、と筆者らは注意を促している。 |
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記憶力および思考能力が急激に低下する高齢者はがん死のリスクが低い可能性がある [2014-04-22] |
Older people with faster decline in memory and thinking skills may have lower risk of cancer death |
記憶力や思考能力の障害が始まってはいるが認知症には至っていない高齢者は、記憶力や思考能力の問題を有さない人々よりもがんにより死亡するリスクが低い可能性があるとのスタディ結果がNeurology®オンライン版2014年4月9日号に掲載された。このスタディでは、スタディ開始時点で認知症を有さない65歳以上のスペイン人2,627人を対象とした。参加者は3つの群:思考テストの点数低下が最も速い人々、スコアが改善した人々、およびその中間、に分類された。スタディ期間中、参加者のうち1,003人が死亡し、うち思考能力低下速度が最も速い人々は339人(34%)であり、他の2群は664人(66%)であった。死亡診断書によると、思考能力低下が最も速い群の計21%が、がんで死亡したのに対し、他の2群では29%であった。結果を、喫煙、糖尿病および心疾患などの因子で補正してもなお、思考能力低下速度の最も速い群は他よりもがんで死亡する確率が30%低かった。 |
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アンフェタミンを好む遺伝的素因は統合失調症やADHDのリスクを軽減する [2014-04-22] |
Genetic predisposition to liking amphetamine reduces risk of schizophrenia and ADHD |
d-アンフェタミンの効果を享受するのに関連した遺伝子多型は、統合失調症や注意欠陥多動性障害(ADHD)発症リスクも軽減するとProceedings of the National Academy of Sciencesに報告された。大規模ゲノムワイド関連スタディ(GWAS)のデータを用いて、研究者らは精神疾患とのオーバーラップした関連の可能性に関してDNAコードの多型(一塩基多型、またはSNPとして知られる)を調査した。予想外に多数のSNPがアンフェタミン感受性および統合失調症やADHD発症のリスクと関連していた。これは、これらの形質が一般的な遺伝子多型の組み合わせに影響されることを示唆していた。さらに、この観察されたオーバーラップの有意な割合がアンフェタミンの効果をより享受するが、統合失調症やADHDリスクの低い多型により引き起こされているようであった。研究者らは、身長、過敏性腸症候群およびパーキンソン病などのアンフェタミン感受性とは関連がないと予想される形質に関しても同様の解析を行った。全ての症例において、単なる偶然であろうと思われるSNPオーバーラップ以外は認められなかった。この結果は、アンフェタミンの多幸感効果に関連した神経伝達物質であるドパミンが統合失調症やADHDと関連するといった長年にわたる仮説を支持するものである。 |
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ADHD治療に使用される刺激薬は小児期のBMI増加パターンに影響し青年期後期にBMIのリバウンドを伴う [2014-04-01] |
Stimulants used to treat ADHD influence BMI growth patterns through childhood with a BMI rebound in late adolescence |
Pediatrics 3月号に掲載されたスタディの結果、注意欠陥多動性障害(ADHD)に対し刺激薬で治療を受けた小児は、ADHDと診断されていないかまたは治療を受けていない対照よりもボディーマスインデックス(BMI)の増加が遅く、その後BMIの急速なリバウンドを来しADHD歴がないかまたは治療を受けなかった小児を追い越し肥満に至り得ることが示された。研究者らは3〜18歳の小児163,820人の電子カルテを解析した。彼らは診断や処方を一度もされたことのない者(コントロール群)と3群1)ADHDと診断されたが刺激薬の処方を受けなかった者;2)ADHDと診断されていないが刺激薬の指示を受けた者;3)ADHDと診断され刺激薬の指示を受けた者)とのBMI曲線を比較した。薬物療法開始が早いほど内服期間が長く、幼少期のBMIの増加が遅いほど青年期後期、多くは内服中止後のBMIリバウンドがより速かった。ADHDと診断されていない場合の刺激薬の使用がBMI高値および肥満と関連する、と研究者らは結論付けた。 |
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