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マンモグラフィーの偽陽性は不安および女性のその後のスクリーニングへの意欲と関連する [2014-04-28] |
False-positive mammogram associated with anxiety and woman's willingness for subsequent screening |
マンモグラフィーで偽陽性であることは女性の短期の不安が増大することに関連し、また偽陽性の結果を得た女性はその後の乳がんスクリーニング検査を受ける確率が高いことがJAMA Internal Medicineに掲載された。筆者らはDigital Mammographic Imaging Screening Trial(DMIST)におけるQOLの結果を報告した。22施設でスクリーニング直後に電話調査が施行され、マンモグラフィー陽性および陰性のランダムに抽出された女性1,226人が組み入れられた。1,028人(陰性534人、偽陽性494人)から追跡インタビューが得られた。マンモグラフィーで偽陽性であった女性のうち50.6%が中等度から重度の不安を報告し、4.6%は極度の不安を訴えた。しかし、このことはその後2年間のスクリーニング受診計画には影響しなかった。将来の乳がんスクリーニングを受診する可能性が高いと回答したのは、偽陽性女性の方が陰性であった女性よりも多かった(25.7%対14.2%)。ルーチンのマンモグラフィースクリーニングを施行された女性の一部が偽陽性の結果を得、乳がんを否定するためのさらなる検査が必要になる。 |
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高悪性度前立腺がん男性において持続する炎症とがんとの関連が強い [2014-04-28] |
Link between persistent inflammation and cancer is high for men with high-grade prostate cancer |
前立腺の非がん部組織に慢性炎症所見を有する男性は炎症のない男性よりも、実際に前立腺がんを有するリスクが2倍近い可能性があるとの研究結果がCancer Epidemiology, Biomarkers & Preventionに掲載された。持続的な炎症とがんとの関連性はGleasonスコアが7〜10(最も悪性度が高く急速に進行する前立腺がんを示す)の者においてさらに強かった。研究者らはSouthwest Oncology Group's Prostate Cancer Prevention Trialのプラセボ内服群男性の情報を解析した。彼らは前立腺がん男性191人およびがんを有さない男性209人の生検から得られた良性組織検体を調査し、炎症を示唆する免疫細胞の分布率および拡がりを調査した。その結果、前立腺がん患者の86.2%が炎症徴候を伴う組織検体を少なくとも1つ有していたのに対し、がんを有さない男性では78.2%であった。結果的に、少なくとも1つの組織検体に慢性炎症所見を有する男性は前立腺がんを有する確率が1.78倍であり、悪性度の高いがんを有する確率は2.24倍高かった。この関連性は生検時のPSAが低い男性においても確固として認められた。 |
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PI3K阻害薬の用量や投与タイミングをコントロールすることにより乳がんに対する有効性が改善する可能性がある [2014-04-22] |
Manipulating dosage and timing may improve effectiveness of PI2K-inhibitors in breast cancer |
PI3K阻害薬の用量やスケジュールを調整することにより薬剤の乳がん腫瘍を標的とした抗腫瘍効果が改善する可能性があるとの研究結果が2014年American Association of Cancer学会で発表された。新薬はしばしば患者に毒性が認められるまで用量を漸増しながら投与される;この方法では腫瘍の標的阻害に関する情報は提供されない。現在のPI3K阻害薬療法はがんの経路を不完全かつ一時的に阻害し、しばしば患者に副作用をもたらす。研究者らは、短期間のPI3K完全阻害が腫瘍により大きく作用し副作用も軽減するかどうかを確認したかった。その結果、短期間のPI3K完全阻害は、長期間の不完全な阻害よりも抗腫瘍効果が高いであろうことが示唆された。今回の結果はこれらの薬剤を患者において使用する際の最良の戦略に関連し、抗がん治療の将来の開発の基礎となる。筆者らはこのスタディに基づき異なるモデルER+/HER2乳がんにおける抗エストロゲンおよびPI3K阻害の異なる治療法の抗腫瘍効果を試験するこのスタディをさらに拡大して行う予定である。 |
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父親の年齢が娘の成人期発症のホルモン関連がんリスクに関連するようである [2014-04-22] |
Paternal age appears to affect daughter's risk of adult-onset hormone-related cancers |
出生時の親の年齢、特に父親の年齢が娘の成人期発症がん−特に乳がん−のリスクに関連する可能性があると2014年American Association for Cancer Researchで報告された。研究者らはCalifornia Teachers Studyの女性教師および管理者133,479人のコホートを調査した。1995〜2010年の間に5,359人が乳がん、515人が卵巣がん、1,110人が子宮内膜がんと診断された。出生時の母親の年齢はどのがんとも関連が認められなかったが、娘の出生時の父親の年齢が成人期発症がんのリスクと関連していることが示された−そしてこの関連は父親の年齢が高いことのみと関連するわけではなかった。女性の出生時の父親の年齢が20歳未満であると、父親の年齢が25〜29歳であった場合と比較し、乳がんリスクが35%高く、卵巣がんリスクは2倍以上であった。女性の出生時の父親の年齢が30〜34歳であると父親の年齢が25〜29歳であった場合と比較し、子宮内膜がんリスクは25%高かった。 |
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高周波アブレーションはBarrett食道が食道がんに進行するリスクを軽減するのに役立つ [2014-04-01] |
Radiofrequency ablation helps reduce risk of Barrett esophagus progressing to esophageal cancer |
軽度異形成との組織学的確定診断を受けたBarrett食道患者において、高周波アブレーションを用いた異常細胞の治療はBarrett食道ががんに進行するリスクを軽減したとのスタディの結果が、JAMA 3月26日号に掲載された。研究者らは軽度異形成を有するBarrett食道と確定診断された患者136人を、高周波アブレーション(最大5回のアブレーションを許可)または内視鏡的観察(コントロール)を行う群にランダムに割り付けた。彼らは、3年間の追跡期間内の高度異形成および食道がんへの進行割合を評価した。アブレーションにより高度異形成または食道がんへの進行の絶対リスクがそれぞれ25%(1.5%対コントロール26.5%)および7.4%(1.5%対8.8%)低下した。アブレーション群の多くの患者において異形成が完全除去され持続した。アブレーション群において一次アウトカムの優越性が認められ、またトライアル継続による患者の安全性への懸念からトライアルは早期に終了された。 |
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