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アミロイドプラークを有する健常者は古典的にアルツハイマー病と関連する脳領域の代謝低下を有することが明らかにされた [2013-06-25] |
Healthy subjects with amyloid plaque found to have hypometabolism in brain regions classically associated with Alzheimer's disease |
2013年Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging年次集会において報告された新たな研究の結果、アルツハイマー病に関連した一定の脳領域のアミロイド負荷と神経の低代謝との共通の特徴(認知機能低下の徴候が認められない人においても)が認められることが明らかにされた。この研究はMayo Clinic Study of Agingと呼ばれる長期多相スタディの一部である。今回の画像スタディのために、認知機能の正常な617人が2回の別々の陽電子放射断層撮影(PET)検査を施行された。各々の患者がMayo Clinicで作成されるアミロイド結合放射性核種造影剤、11-Cピッツバーグ化合物B(PiB)を用いた画像検査を受けた。1時間後に全ての患者がF-18フルオロデオキシグルコース(FDG)という、脳細胞の代謝活性によりホットスポットまたはコールドスポットとして画像上に現れる異なる放射性核種薬剤および1回目と同様のスキャナーを用いて画像検査を受けた。その後、定量解析を用いて解析および再検討がなされた。その結果、角回および後帯状回を含む、古典的にアルツハイマー病と関連するとされる脳領域の有意な低代謝が認められた。わずかにアミロイド陽性と思われるPiB PET画像であっても、それに対応する低代謝を示すFDG PET画像を伴っていた。 |
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神経性無食欲症の女子においてエストロゲンレベルが上昇するにつれ標準化質問票の不安スコアが低下した [2013-06-25] |
Anxiety scores on a standardized questionnaire decreased as estrogen levels increased in girls with anorexia nervosa |
エストロゲン補充療法は神経性無食欲症の女子の不安症状を有意に低下させるとのスタディ結果が、2013年Endocrine Society学会年次集会で発表された。研究者らは十歳代の女子72人をエストロゲンまたはプラセボを18か月投与される群に無作為に割り付けた。最初の72人の参加者のうち、38人がエストロゲンを投与され34人はプラセボを投与された。スタディ開始時には全員が13〜18歳であり、計測された骨年齢は15歳以上であった。参加者は不安症状、摂食やボディイメージに対する考え方を評価するように作成された質問票に回答した。37人がスタディを終了し、20人はエストロゲンを、17人はプラセボを投与されていた。その結果、標準化質問票における不安スコアはエストロゲンレベルが上昇すると低下することが明らかにされた。この関連性は体重増加の影響を受けなかった。さらに、体重増加が起こったとしても、エストロゲン補充療法は、Eating Disorders Inventory-IIを用いて評価したボディイメージや食物に対する考え方の悪化を阻止するようであった。 |
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ケタミンは治療抵抗性大うつ病患者に対し迅速な抗うつ作用を有する [2013-06-04] |
Ketamine has rapid antidepressant effects on patients with treatment resistant major depression |
現在麻酔薬として使用されているケタミンが治療抵抗性大うつ病患者に対し迅速かつ有意な抗うつ作用を有することが明らかにされたと2013年American Psychiatric Association年次集会で発表された。この薬剤の抗うつ作用は24時間以内に認められ、注射後7日間持続した。研究者らは治療抵抗性大うつ病患者73人を追跡し、半数にケタミン単回静脈内投与を行い残りの半数にはケタミンと同様の麻酔作用を有するが抗うつ的な特性を有さない薬剤ミダゾラムを投与した。患者らは24時間後および2、3、そして7日後に問診を受けた。注射の24時間後、ケタミン群の奏効率は63.8%であり、それと比較しミダゾラム群では28.0%であった(P =0.006)。7日後の奏効率はケタミン群で45.7%であり、ミダゾラム群では18.2%であった(P <0.034)。Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)で評価すると、ケタミンを投与された患者全員において最長7日間改善した状態が持続することが示された。このスタディは気分障害に対するケタミンの効果に関するこれまでで最大のものである。 |
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Eメール経由で行われる認知行動療法は全般性不安障害治療において有望である [2013-06-04] |
Cognitive behavioral therapy delivered via email shows promise in treating general anxiety disorder |
第166回American Psychiatric Association年次集会で発表された新たな研究の結果、Eメール経由で行われる認知行動療法(CBT)は全般性不安障害の治療に有効なようであることが示された。研究者らは、全般性不安障害と診断された62人を追跡した。参加者全員がペルシア語を話しイラン国内または国外に居住していた。31人は12回のEメールベースのCBTセッション群に、その他はコントロール群に無作為に割り付けられた。6か月後および12か月後の評価において、不安症状はオンラインCBT群において治療を受けなかった人々よりも有意に改善した。このCBTへの新たなアプローチは、治療を受けることへの障害の可能性を克服するのに重要であると筆者らは示唆している。世界各国において、これらの障害にはメンタルヘルス専門家の不足や大都市における待ち時間の増加、遠隔地におけるメンタルヘルス専門科の不足、および自国のメンタルヘルス専門家による治療を受けられればもっと満足できるであろう移民が直面する言語や文化の障害などが挙げられる。 |
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