大腸内視鏡検査スクリーニングが進行大腸がんリスクを軽減するとのエビデンスがさらに得られた [2013-03-12]
More evidence that colonoscopy screening reduces risk of advanced colorectal cancer

Annals of Internal Medicineオンライン版に掲載されるスタディは、スクリーニング目的の大腸内視鏡検査は平均的リスクの成人が進行大腸がん(CRC)と診断される確率を右側または左側いずれにおいても実質的に低下させると述べた現在の推奨をさらに支持するものである。過去の研究からS状結腸鏡または便潜血検査を用いたスクリーニングが大腸がんリスクを減少させることが立証されている。一方、平均的リスクの成人における大腸内視鏡検査の有用性は非常に不確定なままである。右側結腸における大腸内視鏡検査の有用性は疑わしいままとなっている。55〜85歳の平均的リスク患者の医療記録が解析された。進行大腸がんの患者474人のうち251人(約54%)が右側結腸−S状結腸鏡はスクリーニング法としては有用ではないであろうと考えられていた部位−に腫瘍を有していた。今回の新たなスタディにおいて研究者らは、スクリーニング大腸内視鏡検査を受けることにより総じて進行CRCの診断の70%が減少したと特筆している。この結果から、大腸内視鏡検査は左側および右側結腸両者の腫瘍が進行病期まで成長する前に効果的に発見する能力を有していることが示唆された。

新たに乳がんと診断された女性の4分の1近くがPTSDに合致する症状を訴える [2013-03-12]
Nearly 1 in 4 women newly diagnosed with breast cancer report symptoms consistent with PTSD

Journal of the National Cancer Institute印刷版に先立ちオンライン版に掲載されたスタディの結果、新たに乳がんと診断された女性の4分の1近くが診断後まもなく心的外傷後ストレス障害(PTSD)に合致する症状を訴え、黒人およびアジア人女性においてリスクが高いことが示された。研究参加者1,139人は、Breast Cancer Quality of Care Study:BQUALの対象患者の一部であった。2006〜2010年の間に新たにステージT〜Vの乳がんと診断された20歳を超えた女性が、米国内の3つの治療施設から組み入れられた。各々の参加者は3回の電話での問診に回答した。初回は診断後2〜3か月で化学療法を受けている患者であれば化学療法3クール目の前であった。2回目の問診は診断後4か月であり、3回目は診断後6か月であった。診断後最初の2〜3か月の間に対象者の4分の1近く(23%)がPTSDの診断基準に合致したが、症状はその後3か月の間に軽減した。若年の女性ほどPTSD症状を発現しやすく、またデータからアジア人および黒人の女性は白人女性よりもリスクが50%以上高いことが示唆された。

乳がん手術後にリンパ浮腫を発症することへの恐怖はこの合併症のリスクをはるかに上回る [2013-03-05]
Fear of developing lymphedema after breast cancer surgery far exceeds risk of this complication

Journal of the American College of Surgeons 3月号に掲載されたスタディの結果、乳がん手術を施行される患者の大多数がリンパ浮腫の発症を懸念し、この恐怖は実際のこの合併症発現リスクをはるかに上回ることが示唆された。乳がん手術を施行される女性におけるリンパ浮腫率、患者の不安、およびリスク回避行動の詳細を調査するため、研究者らは52〜68歳の女性120人を12か月間追跡した。これらの女性のうち53人は腋窩リンパ節郭清(ALND)を、67人はセンチネルリンパ節生検(SLNB)を施行された。その結果、ALNDを施行された女性の75%およびSLNBを施行された女性の52%がリンパ浮腫を発症することを心配していた。実際にリンパ浮腫を発症したのはALNDを施行された患者の19%およびSLNBを施行された患者の3%に過ぎなかった。12か月後の時点で、リンパ浮腫発現の有意なリスクは腋窩手術の範囲のみであった。大多数の女性が乳がん手術後6か月と早い時期に5つもの予防手段を講じており、実際のリスクにかかわらずこれらを長期にわたり継続していた。今後の研究は、リンパ浮腫を発症する乳がん手術患者の予知をより改善し、的を絞った予防および介入方法が可能になることを目的とすべきである、と筆者らは述べている。

新たな薬剤併用により高リスク患者の頭頸部扁平上皮がんが予防できる可能性がある [2013-03-05]
New drug combination could prevent squamous cell carcinoma of the head and neck in high-risk patients

新たな薬剤併用療法は進行した口腔内前がん病変が頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)を発症するリスクを軽減するのに有望であるとのスタディ結果が、Clinical Cancer Researchに掲載された。SCCHN促進における上皮成長因子受容体(EGFR)およびシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の役割に基づき、研究者らはEGFR阻害薬とCOX-2阻害薬の併用は有効な化学予防法であると確信した。これらの薬剤の前臨床研究解析に基づき、研究者らは第I相化学予防トライアルを開始した。進行した口腔内前がん病変を有する11人の患者にエルロチニブとセレコキシブ併用を行った。これらの患者の組織検体を採取し、治療開始から3、6および12か月後に病理学的評価を行った。スタディ開始時点およびフォローアップでの生検は7人の患者において可能であった。生検組織の病理学的精査の結果、7人中3人は病理学的完全奏効であった;つまり、フォローアップ生検組織においてはもはや前がん病変であるとの所見はなかった。その他の患者では、2人は部分奏効であり2人においては進行が認められた。