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貧困率、人口密度および不平等度の高い都会近隣地区では統合失調症率が高い [2012-12-25]
Urban neighborhoods with high deprivation, population density and inequality have higher rates of schizophrenia

都市地域において統合失調症率が高いのは近隣地域において貧困率、人口密度および不平等度が高いことが原因であり得るとの研究結果が、Schizophrenia Bulletin印刷版に先立ちオンライン版に掲載された。研究者らは大規模地域住民ベース発生率スタディである、精神障害初回エピソードを来した18〜64歳の427人を対象としたEast London first-episode psychosis studyのデータを用いた。2001年の人口調査を用いて、彼らは各々の地域の18〜64歳の人口を推計し近隣地域間の発症率を比較した。統合失調症(および幻覚や妄想が優位な特徴である他の類似の疾患)発症率は、年齢、性別、人種および社会的階層などを考慮しても依然として近隣地域ごとに差が認められた。3つの環境因子−高貧困率(雇用、収入、教育および犯罪を含む)、高人口密度、および不平等度が高いこと(富裕層と貧困層の格差)−が統合失調症の予測因子であった。スタディの結果、近隣地域の不平等または貧困率が1%増加すると統合失調症および他の類似疾患の発現率は約4%増加することが示された。

うつおよび他の心理社会的困窮は高齢者における致死的脳卒中リスクを上昇させる [2012-12-25]
Depression and other psychosocial distresses increase risk of fatal stroke for older adults

心理社会的困窮度の高い65歳超の高齢者は脳卒中リスクが高いとの新たなスタディ結果がAmerican Heart Association学会誌Strokeに掲載された。心理社会的困窮は、うつ、ストレス、ネガティブな考え方および人生に対する不満などを含む広い概念である。10年間のスタディにおいて、研究者らはシカゴ健康加齢プロジェクトの対象者4,120人において死亡率および脳卒中発現率を追跡した。参加者は65歳以上であった(平均年齢77歳、女性62%、61%がアフリカンアメリカン)。151人の死亡と初回脳卒中入院につながる452イベントが確認された。研究者らは4つの指標(認知されたストレス、人生に対する不満、神経症的傾向およびうつ症状)から心理社会的困窮度を計測した。最も精神社会的困窮度が高かった者は、最も低かった者と比較し、脳卒中による死亡のリスクが3倍高く、脳卒中による初回入院リスクが54%高かった。心理社会的困窮の脳卒中リスクに対する影響に関して、人種や性別による差はなかったと研究者らは述べている。別の解析においては、心理社会的困窮と脳出血との間に著明な関連性が認められたが虚血性脳卒中に関してはそうではなかった。

乳がんの女性に対する瞑想および芸術療法は脳活動を緩慢にし不安を軽減する [2012-12-11]
Meditation and art therapy for women with breast cancer slows brain activity and lowers anxiety

乳がん女性に対する創作芸術療法とマインドフルネスストレス軽減(MBSR)プログラムの併用を8週間施行したところ脳活動が変化しストレスおよび不安が軽減したとのスタディ結果がStress and Health 12月号に掲載された。18人の患者がマインドフルネス芸術療法(MBAT)プログラムまたは教育プログラムコントロール群に無作為に割り付けられた。全員が組み入れ前半年から3年の間に乳がんと診断され、積極的な治療中ではなかった。MBAT群ではMBSRストレス軽減技術(呼吸、感情を意識すること、マインドフルなヨガ、ウオーキング、食事およびリスニング)と参加者らの感情の情報を個人的に意味のある手法で表現する方法を提供する表現型芸術課題と組み合わせて施行した。MBAT群では感情知覚に役立つ左島皮質、ストレスを経験するのに役立つ扁桃体、ストレス反応を調節する海馬、および脳の報酬システムの一部である尾状核などの脳の感情中枢における有意な脳血流増加を示した。これらの増加はストレスや不安の軽減と有意に相関した。

ビタミンD欠乏は認知機能障害やアルツハイマー病のリスクが高いことと関連がある [2012-12-11]
Vitamin D deficiency associated with greater risk of cognitive impairment and Alzheimer's disease

Journals of Gerontology Series A: Biological Sciences and Medical Sciences 12月号に掲載された2つのスタディの結果、ビタミンDは女性の加齢に伴う認知機能の健康に関する重要な因子である可能性がある。1つ目のスタディでは、Study of Osteopathic Fracturesの間にビタミンD計測を行われた高齢地域住民6,257人の解析をベースとした。ビタミンDレベルが非常に低い(血清中レベルが10ng/mL未満)とベースライン時の全体的な認知機能障害の割合が高かった。ビタミンDレベルが低い(20ng/mL未満)認知機能障害女性はMini-Mental State検査における成績で計測した全体的な認知機能低下発現リスクが高かった。もう1つのスタディは、Toulouse地方の女性住民498人を対象としたEpidemiology of Osteoporosisスタディに基づいて行われた。これらの住民のうちアルツハイマー病を発症した女性は他の認知症を発症した女性または認知症の全くない女性に比べ、ベースラインのビタミンD摂取量が少なかった(それぞれ平均50.3mg/週、63.6mg/週、59.0mg/週)。

母親が妊娠中に飲酒した子供の中枢神経系に対するアルコールの影響に関する新たな知見がMRIにより得られた [2012-12-04]
MRI provides insights into effects of alcohol on the central nervous systems of children whose mothers drank during pregnancy

胎児成長期にアルコールに曝露された小児は様々な画像技術により明らかな脳構造および代謝の変化を示すとのスタディ結果が2012年Radiological Society of North America学会で発表された。スタディグループには胎児期にアルコールに曝露された小児200人と、母親が妊娠中および授乳中に飲酒をしなかった子供30人とが組み入れられた。研究者らはMRIを用いてこれら2グループの脳梁の大きさおよび形状を評価した。胎児期のアルコールへの曝露は脳梁の発達障害または完全な欠損の大きな原因である。MRIの結果から、アルコールに曝露された小児の脳梁は対照群と比較し有意に薄かった。研究者らはまた拡散強調画像(DWI)を用いて小児の中枢神経系の6領域を調査した。DWIは水の拡散過程をマッピングし、組織異常を検出するのに従来のMRIよりもより感受性の高い方法となり得る。アルコール曝露群の小児は他の群と比較し、DWIにおける拡散が統計学的に有意に多かった。さらに、プロトン磁気共鳴分光法(HMRS)の結果、代謝の変化の複合集積が認められた。

MRIスタディの結果、アルツハイマー病を発症する男性と女性とで灰白質の減少が有意に異なることが示された [2012-12-04]
MRI study shows pattern of gray matter loss is significantly different in men and women who develop Alzheimer's disease

アルツハイマー病(AD)に伴う局所脳灰白質体積減少の程度と分布は性別に強く影響されると2012年Radiological Society of North America年次集会で発表された。ADの女性は最初に脳萎縮がより顕著であるが、疾患の進行は男性においてより速かった。研究者らはAlzheimer's Disease Neuroimaging Initiativeに参加した患者109人(男性60人および女性49人[平均年齢77歳])のデータを解析した。5年間のスタディ期間中に109人の患者いずれもが、健忘型MCIからADへと進行した。ADと診断された時点および診断の12か月前および後に施行されたMR画像を用いて、研究者らは灰白質の変化を図示した脳マップを作製した。脳マップから、男性患者と比較し女性患者ではADの診断前12か月および診断時から灰白質の委縮が著明であった。脳マップからはまた、疾患進行に伴う脳灰白質体積の減少領域は男性と女性とで異なることも示された。