心理社会的困窮度の高い65歳超の高齢者は脳卒中リスクが高いとの新たなスタディ結果がAmerican Heart Association学会誌Strokeに掲載された。心理社会的困窮は、うつ、ストレス、ネガティブな考え方および人生に対する不満などを含む広い概念である。10年間のスタディにおいて、研究者らはシカゴ健康加齢プロジェクトの対象者4,120人において死亡率および脳卒中発現率を追跡した。参加者は65歳以上であった(平均年齢77歳、女性62%、61%がアフリカンアメリカン)。151人の死亡と初回脳卒中入院につながる452イベントが確認された。研究者らは4つの指標(認知されたストレス、人生に対する不満、神経症的傾向およびうつ症状)から心理社会的困窮度を計測した。最も精神社会的困窮度が高かった者は、最も低かった者と比較し、脳卒中による死亡のリスクが3倍高く、脳卒中による初回入院リスクが54%高かった。心理社会的困窮の脳卒中リスクに対する影響に関して、人種や性別による差はなかったと研究者らは述べている。別の解析においては、心理社会的困窮と脳出血との間に著明な関連性が認められたが虚血性脳卒中に関してはそうではなかった。 |