活動的な生活習慣は高齢者の脳灰白質を温存するのに役立ち、認知症やアルツハイマー病(AD)の負担を軽減し得るとのMRIベースのスタディの結果が2012年Radiological Society of North America学会で発表された。研究者らは、活動的な生活習慣がどのように脳の構造に影響するかをCardiovascular Health Studyの対象成人876人において調査した。対象者らの状態は認知機能正常からアルツハイマー性認知症の範囲にわたった。BMIや生活習慣などの20年間の臨床データと磁気共鳴画像(MRI)を用いたボクセルに基づく形態計測法を用いて、エネルギー産出と灰白質体積との関連をモデル化した。年齢、頭囲、認知機能障害、性別、BMI、教育、スタディを行った地域および白質疾患で補正した結果、エネルギー産出と認知機能に極めて重要な脳領域の灰白質体積との間に強力な相関が認められた。カロリー消費が大きいほど海馬、後部帯状回および基底核を含む前頭葉、側頭葉および頭頂部灰白質の体積が大きかった。認知機能正常から臨床的に認知症である状態までの範囲にわたり、エネルギー産出が大きいことと脳組織残存量が大きいこととには強い相関関係が認められた。 |