炎症の重要なマーカーである血中高感度C反応性蛋白(hs-CRP)を、がんを有さないと思われる男性において計測することにより、がんの中でも特に肺がんにより死亡するリスクの高い男性を同定するのに役立つとのデータがCancer Epidemiology, Biomarkers & Preventionに掲載された。韓国の研究者らは33,556人のデータをレトロスペクティブに解析した。平均フォローアップ期間9.4年の間に総死亡1,054人およびがんによる死亡506人が記録された。年齢、糖尿病、喫煙の有無および運動習慣などの変数で補正した結果、hs-CRPレベルが最高(3r/L以上)であった男性はhs-CRPレベルが最低(1mg/L以下)であった者よりも全ての原因による死亡の確率が38%高かった。彼らはまたがんによる死亡の確率が61%高かった。hs-CRPと部位別がんとの関連を解析した結果、有意な相関が存在したのは肺がんのみであった。hs-CRPレベルが最高であった者は最低レベルであった者より肺がんで死亡する確率が2倍以上高かった。統計学的には有意ではなかった。 |