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リウマチ性心疾患予防に心エコー検査によるスクリーニングは有効である [2012-06-26] |
Echocardiogram screenings are effective in preventing rheumatic heart disease |
RHDは約1,500万人が罹患する世界で最も多い後天性心血管疾患であり、発展途上国において発生率が高い。このスタディではウガンダの小学生5,000人近くのスクリーニングを行い、130人において心エコー-検査上異常所見を認めた。病院で更に精査した結果、72人がRHDを有すると分類された。一方診察上の診断基準に合致したのはちょうど23人であった。この結果は、心エコー検査による検出が400%増加したことを示している。エコーによるスクリーニングにより医師はリスクのある患者を早期に発見でき、したがって早期介入が促進される。この研究チームは1日250例余りのスクリーニングを行い、心エコー検査を効率的で有効なスクリーニング法であることを示した。筆者らが推奨するのは、下層階級の10歳の小児に対する集中的なスクリーニングにより限られた資源を最大限に活かすこと、2段階の働きかけによるRHD検出(初回のエコースクリーニング後の包括的なフォローアップ)、および潜在的なRHDを治療するための全般的な試みをサポートし続けることなどである。 |
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子宮摘出は閉経後女性の動脈硬化を引き起こす可能性がある [2012-06-26] |
Hysterectomy may lead to arterial stiffening in postmenopausal women |
子宮摘出術を施行されたエストロゲン欠乏閉経後女性は子宮摘出を受けていない同等の女性と比較し、動脈硬化の可能性があるとの新たな研究結果がMenopause: The Journal of the North American Menopause Societyに掲載された。研究者らはどのようなホルモン補充療法も受けていない閉経後女性103人を調査した。心血管疾患既往歴や高血圧、糖尿病、高コレステロールなどの典型的な心血管疾患リスクファクターを有する者は含まれなかった。卵巣温存子宮全摘術群が24人、子宮全摘術および両側卵巣摘出術(BLO)群が21人、子宮全摘術もBLOも受けなかった群が58人であった。研究者らは頸動脈の動脈硬化率を比較した。その結果、卵巣摘出の有無にかかわらず、子宮全摘術を施行された女性は施行されなかった女性よりも頸動脈硬化が認められた。子宮全摘術が動脈硬化を引き起こす明らかな理由は完全には解明されていない。筆者らは、子宮全摘術前後のフォローアップスタディを施行し、そのメカニズムや心血管系の健康を維持するのに必要な適切な介入や生活習慣の改善について解明できることを期待している。 |
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閉塞性睡眠時無呼吸の成人における持続陽圧呼吸治療と心血管系の予後をスタディで調査した [2012-06-05] |
Studies examine continuous positive airway pressure treatment and cardiovascular outcomes in adults with obstructive sleep apnea |
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の成人を対象とした2つのスタディで持続陽圧呼吸(CPAP)による治療の心血管系疾患リスク低下に対する有効性が調査されたと JAMA 5月23/30日号に掲載された。研究者らは日中の眠気のないOSA患者723人をCPAP治療群または積極的に介入しない群に無作為に割り付けた。期間中央値4年後にCPAP治療群357人およびコントロール群366人が解析に組み入れられた。147人が新たに高血圧を発症し、59の心血管イベントが検出された。しかし、CPAPによる治療は通常の管理と比較し高血圧や心血管イベントの発症を統計学的に有意に減少させなかった。1,889人を中央値12.2年間追跡したもう1つのスタディでは、37.3%が高血圧を発症した。完全な補正モデルにおいて共変因子としてボディマスインデックスの変化を含めても、高血圧発症のハザード比はCPAP療法が不可能であったOSA患者において依然として33%高かった。このリスクはCPAP療法を辞退したOSA患者において2倍高くCPAP療法を継続できなかったOSA患者において80%高かった。 |
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