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精神的苦痛と喘息が組み合わさると喘息症状が悪化する可能性がある [2011-11-08]
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Combination of mental distress and asthma may lead to
worsening asthma symptoms |
喘息を有する人々はうつ症状を有する確率が高い。General
Hospital Psychiatry誌オンライン版に掲載予定の新たなスタディの結果、精神的苦痛と喘息が組み合わさることにより喘息症状が悪化し健康状態全体が低下する可能性のあることが示唆された。喘息とうつ症状を有する者は、うつ症状を有さない喘息患者と比較し、睡眠時間が短く活動性が低く喫煙する傾向にある。イスラエル人9,509人を調査した結果、うつ症状を有する喘息患者の56%において睡眠時間が6時間以下であるのに対し、うつ症状を有さない喘息患者においてはその割合が38%であることが示された。喘息症状およびある種の喘息治療薬は睡眠状態を不良にし、うつ症状はそれをさらに悪化させ得る。同様に、うつ症状は喫煙確率を70%上昇させた。喫煙は喘息コントロールを不良にし、症状を悪化させる。この結果は、健康に関するマイナス要因は喘息コントロールの不良につながり、喘息とうつ症状に影響する可能性があるとの他のスタディ結果と一致する。 |
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親の行動トレーニングは注意欠陥多動性障害の未就学児治療に有効である [2011-11-08]
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Parental behavioral training effectively treats pre-school
children with attention deficit hyperactivity disorder |
育児法の正式なトレーニングは注意欠陥多動性障害(ADHD)のリスクを有する未就学児の行動改善の低リスクで有効な方法であると、米国保健福祉省の医療サービスの質的側面を研究する政府機関(AHRQ)から新たに報告された。この報告ではまた、6歳未満の小児に対する薬物使用を指示するエビデンスは少ないことも示された。報酬および非懲罰性の重要性を用いたしつけ法で、親が子供の問題行動を管理するのに役立つようにデザインされた4つの主要な親の行動トレーニング(PBT)が過去25年間に開発された。それぞれが前向きで思いやりのある関係を促進し、子供の行動と親のスキルを改善することを模索するものである。その結果、PBT療法はADHDを含む破壊的行動障害を有する未就学児(6歳未満の小児)に対し有効で合併症リスクの報告がないことが示された。しかし、PBT成功のためのひとつの大きな障害は、治療プログラムから親が脱落してしまうことである。6歳以上の小児においてADHD症状治療に使用される2つの薬物(メチルフェニデートとアトモキセチン)は一般的には安全で有効に行動を改善するが、12〜24ヵ月を超えたこれらの薬剤の効果については十分に調査されていない。 |
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化学物質BPAへの妊娠期曝露は若年女子の行動および感情の問題と関連している [2011-11-01]
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Gestational exposure to chemical BPA before birth associated
with behavioral and emotional difficulties in young girls |
ビスフェノールA(BPA)−プラスチック製品や他の消耗品を製作するのに使用される化学物質−への胎内曝露は若年女子の行動および感情の問題と関連しているとのスタディ結果がPediatrics先行オンライン版に掲載された。研究者らはHealth
Outcomes and Measures of the Environment スタディの対象となった244人の母親とその3歳の子供のデータを収集した。母親は妊娠中および出産時にBPA検査用尿3検体を提出した;彼女たちの子供は1〜3歳まで毎年検査を受けた。母親は、子供の行動に関するアンケートにも回答した。BPAは85%を超える母親の尿検体から、また96%を超える子供の尿検体から検出された。子供のBPAレベルは1歳から3歳にかけて低下したが、母親達のレベルより高く変動が大きかった。妊娠中のBPA濃度が高いほど、女児における多動、攻撃的で、不安やうつ病の症状が多く認められ、感情コントロールおよび抑制が乏しかった。この相関関係は男児においては認められなかった。今回のスタディは、BPAへの妊娠期曝露が子供の行動に影響することを示した過去の2つのスタディの結果を確認したが、小児期の曝露よりも胎内曝露における影響が強いことを示した初めてのものである。 |
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あるドーパミン系遺伝子変異を有する小児はADHD治療薬への反応性が高い [2011-11-01]
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Children with certain dopamine system gene variants respond
better to ADHD drug |
あるドーパミン系遺伝子を有する小児は、注意欠陥多動性障害に対し最も一般的に処方されるメチルフェニデートへの反応性が高いとのスタディ結果が、Journal
of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry
10月21日号に掲載された。研究者らは7〜11歳のADHD児89人を検査した。参加者はADHDに対しプラセボかまたは3つの異なる用量のメチルフェニデートのうちのいずれかを1週間処方された。親や教師は子供たちの行動上の症状をVanderbilt
ADHD Parent and Teacher Rating Scales(Vanderbilt ADHD
親と教師の評価尺度)に基づき評価し点数化した。研究者らは唾液検体からDNAを解析しADHDに関連した遺伝子型のどれを子供が有しているかを調べた。その結果、ある特異的なドーパミントランスポーター(DAT)およびドーパミンD4受容体(DRD4)遺伝子の変異を有する小児は、別のDATおよびDRD4を有する子供と比較しメチルフェニデート内服後の多動および衝動性の改善が優れていた。DAT
10-反復変異として知られているがそれがない小児は10-反復を有する者と比較しメチルフェニデート内服後の改善が大であった。DRD4遺伝子4-反復変異を有さない小児は4-反復を有する小児と比較し、メチルフェニデート内服後の症状改善が少なかった。 |
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