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軽度認知障害を有する者において機能障害の範囲および重症度を認識することは認知症の早期診断に役立つ可能性がある
[2011-06-28] |
Recognizing
extent and severity of functional deficits in those with
mild cognitive impairment may aid early diagnosis of dementia |
軽度認知障害を有する高齢者においては認知機能障害を有さない者と比較し、重要な日付や薬物を思い出すこと、事務処理を行うのが困難であることが多く、それぞれの障害において典型的に発現する機能障害の範囲や重症度を同定することは早期診断に役立つ、とArchives
of General Psychiatry 6月号に掲載された。この論文の背景情報によると、軽度認知障害には認知機能に関する何らかの困難、健忘性のサブタイプ(aMCI)、記憶障害などが含まれるが日常の任務、業務、または社会活動に関する多くの問題は含まれない。軽度認知障害は一部の患者ではアルツハイマー病(AD)に発展するため、患者の障害レベルを理解することは重要である。研究者らは認知機能に問題のない229人(コントロール)、aMCIと診断された394人、および軽度ADと診断された193人を評価した。コントロール群と比較し、aMCIおよびAD群患者の多くが少なくとも1つのタイプの機能に障害を有していた(それぞれ7.9%
対72.3%および97.4%)。aMCIおよびAD群において機能障害が最も重度であった者はまた認知機能検査のスコアが不良で、海馬容積が小さくアポリポ蛋白ε4アレルを発現する傾向にあった。 |
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高脂肪高炭水化物食から低脂肪低炭水化物食への変更はアルツハイマー病に関連したバイオマーカーレベルに影響するようである[2011-06-28]
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Changing from high to low fat and carbohydrate diet appears
to affect levels of biomarkers associated with Alzheimer's
disease |
低飽和脂肪酸および低グリセミックインデックス食を実践することは、アルツハイマー病(AD)へと移行する認知症発症リスクを調節するようであるが、これらの食事パターンに変更しても既に存在する認知機能障害からは保護しないであろうとArchives
of Neurology 6月号に掲載された。研究者らは高飽和脂肪酸/高単純炭水化物食と低飽和脂肪酸/低単純炭水化物食(それぞれHIGHおよびLOW)を比較した。彼らはこれらの食事の効果を健康な高齢者20人と健忘性軽度認知障害(aMCI)を有する高齢者29人において評価した。4週間の無作為化コントロールトライアルにおいて24人がHIGH食を25人がLOW食を実践した。LOW食により総コレステロール値に加えADの一部のCSFマーカー値が低下した。しかし、aMCIを有する者においてはLOW食によってこれらのバイオマーカー値が上昇した。CSFインスリンレベルなどのいくつかのバイオマーカーの変化は両群において認められた。さらに、LOW食により遅延視覚記憶試験の成績が健常および記憶障害の両者において改善したが、他の認知機能指標のスコアには影響しなかった。HIGH食は発症前段階のADを特徴付ける方向へCSFバイオマーカーを変化させた。 |
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