バイオマーカーレベルおよび教育レベルが低いと認知機能低下がより大である [2011-01-25]

Lower biomarker levels, less education associated with greater cognitive decline

血漿βアミロイド42/40レベルの低い認知症を有さない高齢者は9年間の認知機能低下率が高いとのスタディ結果がJAMA 1月19日号に掲載された。研究者らは、1997〜1998年に開始され10年目のフォローアップを2006〜2007年に行われた前向き観察研究であるHealth ABCスタディに組み入れられた地域住民高齢者997人を調査した。参加者の平均年齢は74歳であった;55.2%(550人)が女性であり、54%(538人)が黒人であった。βアミロイド42および42/40と認知機能(Modified Mini-Mental State Examinationによる)の計測を行った。βアミロイド42/40レベルが低いと9年間の認知機能低下が大であった。様々な因子で補正した後も、この結果は統計学的に有意であった。血漿βアミロイド42レベルと認知機能低下にも有意な相関が認められた。血漿βアミロイド40レベルとベースライン時の認知機能または低下には相関は認められなかった。この相関は教育レベルの低い者および読み書きレベルの低い者においてより顕著であることも示された。

 

分子イメージング法により生存している人の脳内βアミロイドの存在を検出できる [2011-01-25]

Molecular imaging procedure can identify presence of beta-amyloid in individual's brains during life

予備研究の結果、ポジトロン断層(PET)画像法は死亡解剖でアルツハイマー病の診断を確認する際に同定される脳内βアミロイドの存在を生存中に検出する能力を有するとのスタディ結果がJAMA 1月19日号に掲載された。ホスピス、長期ケア、および地域ヘルスケア施設の患者35人に対し、死亡時期近くにflorbetapir-PET画像検査を施行し(6人はプロトコール確立のためであり29人は確認のためであった)、彼らの死後に死亡解剖で計測した脳内βアミロイドの値と比較した。Florbetapir-PET画像検査は一次解析群患者29人に対し死亡前平均99日に施行された。29人中15人(51.7%)がADの病理学的診断基準に合致した。画像および他のデータの解析からflorbetapir-PET画像と死亡解剖時のβアミロイドの存在および量に相関が認められることが示された。一次解析コホート群の29人においてβアミロイドが陽性か陰性かを判定した結果はflorbetapir-PET画像と死亡解剖の結果とで96%一致した。

 

放射線手術は重症で難治性の強迫性障害を有する患者に役立つ可能性がある [2011-01-18]

Radiosurgery can help patients with severe medical refractory obsessive-compulsive disorder

放射線手術は、極度に重症の強迫神経障害(OCD)患者において他の治療が無効であった場合に改善をもたらす可能性があるとのスタディ結果がNeurosurgery 1月号に掲載された。医師らは、非常に重症の「医学的に難治性の」OCDの女性2人および男性1人―標準OCDスケールにおいて2人の患者は40点満点で39点―における放射線手術の有望な結果を報告した。複数の薬物を内服しているにもかかわらず、全ての患者は重症の日常生活に支障を来すようなOCDの症状を有していた。他の全ての治療に疲弊し、この3人の患者らはOCD症状の原因となる脳の前帯状回皮質に対し放射線手術を受けた。手術は全ての症例において合併症なく施行され、患者らは最長4.5年間追跡された。全ての患者が有意な機能改善およびOCD行動の軽減を認めた。1人の女性はOCD重症度スコアが90%低下した。この改善は徐々に発現し、典型的には2〜4ヵ月後にピークを認めた。内服は患者全員が継続した―1人の男性は内服を中止したところ症状が再度増悪した。さらなる研究が必要ではあるが、放射線手術はほとんどの極度の難治性のOCD症例に対する新たな代替療法となる可能性がある。

 

ワールドトレードセンター攻撃の生存者3,000人以上が長期の心的外傷後ストレス障害を経験している [2011-01-18]

More than 3,000 survivors of the World Trade Center attacks experience long-term post-traumatic stress disorder

ワールドトレードセンター(WTC)攻撃の生存者のほとんど全てが心的外傷後ストレス障害を経験しているとのスタディ結果がAmerican Journal of Epidemiologに掲載された。この研究は初回の飛行機の激突とその後のタワーの崩壊との間にいずれかのタワー内におり、WTC救助/復旧活動に参加しなかった市民生存者3,271人(18歳以上)に対するインタビューに基づき行われた。災害の2〜3年後に、タワーから非難した市民3,271人のうち95.6%が少なくとも1つの心的外傷後ストレス症状を有していると報告し、15%が心的外傷後ストレス障害(PTSD)スクリーニングにおいて陽性であった。女性およびマイノリティは特にPTSDリスクが高かったが、PTSDの最も強い人口統計学的リスクファクターは低所得であった。テロの攻撃への直接暴露の5つの特徴がPTSDの予測因子であった:1つの重要な動因は避難開始の遅延であった。他の予測因子は高層階にいたこと、タワーの崩壊による粉塵に巻き込まれたこと、個人的な惨劇の目撃、外傷の残存および後遺症を有する雇用者のもとで働くことなどであった。直接的な曝露が増えるごとにPTSDリスクが2倍になった。

 

うつ病と糖尿病の両者を有する女性は心疾患で死亡するリスクが高い [2011-01-11]

Women with both depression and diabetes at higher risk of dying from heart disease and other causes

うつ病と糖尿病を合併する女性は6年間にわたり心疾患による死亡リスクおよび総死亡リスクが有意に高かったとの報告が、JAMA/Archives誌の1つであるArchives of General Psychiatry 1月号に掲載された。研究者らは、看護師の健康に関するスタディ(Nurses' Health Study)に参加した2000年当時54〜79歳であった女性78,282人を調査した。うつ病と診断されていると報告した者、抗うつ薬による治療を受けている者、またはうつ症状を計測する指標において点数の高い者をうつ病を有するとして分類した。2型糖尿病を有するとの申告は補助的なアンケートにより確認した。6年間の追跡期間中に4,654人の女性が死亡し、うち979人は心血管疾患により死亡した。うつ病も糖尿病も有さない女性と比較し死亡のリスクは、うつ病を有する者において44%高く、糖尿病を有する者において35%高く、両者を有する者において2倍であった。心血管死のみを考えた場合、糖尿病を有する女性はリスクが67%高く、うつ病を有する者は37%高リスクであり、両者を有する者はリスクが2.7倍であった。

 

糖尿病や心疾患とうつ病に対する戦いにおいてチームによる管理が成功を収めた [2011-01-11]

Team-based approach to care shows success in fight against depression with diabetes, heart disease

看護師らが患者や保健チームと共同しエビデンスに基づくガイドラインを用いてうつ病と身体疾患のケアを同時に管理する無作為化コントロールトライアルの結果、うつが軽減し血糖、血圧およびコレステロールコントロールが改善しQOLが向上することが示された。このトライアルは214人の患者に焦点を当て、標準治療またはナースケアマネージャーが各々の患者を指導し疾患コントロールおよびうつを監視し治療目標に達しない場合にはプライマリケア医と共同して薬物治療や生活習慣を変更するTEAMcare介入に無作為に割り付けた。看護師と患者は共同し合い現実的な段階的な目標(うつ病の軽減や血糖、血圧およびコレステロールレベル低下)を設定した。1年後にはコントロールの標準ケア群と比較し、TEAMcare介入群患者はうつ病が有意に軽減し血糖、低密度リポ蛋白(LDL)コレステロール、および収縮期血圧レベルも改善していた。この介入により削減可能な経費についての解析はまだなされていないが、2年間のTEAMcare介入により患者1人当たり平均$1,224と推定されている。このスタディ結果はNew England Journal of Medicine 12月30日号に掲載された。

 


 

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