高リスクメラノーマ患者を定期的にフォローアップすることにより疾患を早期に発見することができ予後が良好となる [2011-01-25]
Regular follow-up of high-risk melanoma patients detects disease at early stages and with good prognosis

皮膚がん発症の高リスク患者のフォローアッププログラムによりメラノーマを早期に発見でき予後が良好となるとArchives of Dermatologyオンライン版に現在掲載されており印刷版5月号に掲載予定である。研究者らはある医療機関でメラノーマと診断された患者201人(40人はハイリスクの人々に対するフォローアッププログラムに組み込まれており、161人は他の医師から評価を依頼された対照)のデータを解析した。これらの患者において診断されたメラノーマは全てダーモスコピーで評価された。フォローアッププログラムにおいて診断されたメラノーマのほとんどは臨床上またはダーモスコピー上の所見がメラノーマに特徴的なものではなかった。例えば、ABCDクライテリア―非対称(A)、不規則な境界線(B)、色調(C)、および特異的なダーモスコピー上の構造(D)―4つを全て満たしたのはわずか12%に過ぎなかった。これと比較し対照メラノーマ群における割合は63.6%であった。さらに、フォローアップ群において診断されたメラノーマの70%がin situであり、それに対し対照群におけるその割合は27.9%であった。Breslowインデックス―腫瘍厚の尺度―もまたフォローアッププログラムを通して診断されたメラノーマにおいて低かった。フォローアップがんはまた早期に診断される傾向にあった。

SIRT1蛋白は前立腺上皮内腫瘍の発現を阻害する可能性がある [2011-01-25]
SIRT1 protein may inhibit the development of prostatic intraepithelial neoplasia

異なる種において長命効果で知られているSIRT1蛋白が前立腺がん前駆物質として知られる前立腺上皮内腫瘍(PIN)の発現を阻害する可能性があることが発見されたとのスタディ結果がCancer Research 2月1日号に掲載された。過去のスタディから、酵母、虫、マウス、そして人に対しても様々な長命効果が認められる可能性が示されているSIRT1は、がん抑制遺伝子p53不活性化により腫瘍増殖を促進するのみならずある種のがんにおいて腫瘍増殖を抑制する可能性があるが、前立腺発育調整に関する役割およびin vivoにおけるアンドロゲンシグナリングに関しては未知であった。アンドロゲン応答組織の発現におけるSIRT1の役割を理解するために、研究者らはSRIT1陽性および陰性のトランスジェニックマウスおよび同腹仔コントロールにおけるゲノムワイドマイクロアッセイ、パスウェイ解析および組織学的解析を行った。SIRT1を欠失したマウスはPINを形成した;前立腺サイズの縮小に加え、細胞増殖、Ki67染色増加、hyperchromaticな核およびprominentな核などの特徴を有した。遺伝子発現解析の結果、内因性SIRT1欠損により正常な腺発育を調節するオートファジー(自食)が阻害されることがさらに示された。これらの結果は前立腺がん阻害のみならず寿命延長を促進する新たながん予防薬に繋がる可能性がある。

精力的な身体活動は前立腺がん死亡率を低下させる [2011-01-18]
Vigorous physical activity associated with reduced prostate cancer mortality

前立腺がん男性の新たなスタディの結果、運動により全死亡リスクおよび前立腺がんによる死亡リスクが低下することが示されたとJournal of Clinical Oncology早期オンライン版に報告された。このスタディは18年にわたるHealth Professionals Follow-Up Studyの前立腺がんと診断された男性2,705人を対象に行われた。参加者らは週の平均運動(ウォーキング、ランニング、自転車こぎ、水泳および他のスポーツや戸外での活動)時間を報告した。精力的であるなしに関わらず運動は全生存率には有益であった。楽なペースでの歩行を週当たり90分未満行う男性と比較し、普通から非常に速いペースで週当たり90分以上歩く男性は全死亡リスクが46%低かった。精力的な運動(週当たり3時間以上で定義)により前立腺がん死亡率が低下した。精力的な運動を行う男性は精力的な運動を週当たり1時間未満しか行わない男性と比較し、前立腺がん特異的死亡リスクが61%低かった。

行動療法は前立腺がん術後の膀胱コントロールを改善しQOLを向上させる [2011-01-18]
Behavioral therapies improve bladder control and enhance quality of life following prostate cancer surgery

骨盤底筋トレーニング、膀胱コントロール法、および膀胱日記の継続などの行動療法により前立腺がん術後男性の尿失禁エピソードが50%以上減少するとJAMA 1月12日号に掲載された。研究者らは51〜84歳の難治性尿失禁男性208人を追跡した。ほとんどの対象者が術後5年であり、術後1〜17年の範囲内であった。1つ目の群は4回の受診の間に8週間の行動療法を受けた。この群においては尿失禁エピソードが週28回から13回へと55%減少した。2つ目の群は行動療法およびバイオフィードバック法や骨盤筋群刺激などによる追加療法を受け、失禁は51%減少した。筆者らは、男性の尿失禁に対しては手術の方法もあるが、侵襲的であり高額でリスクなしでは行えないと述べている。前立腺がん術後男性の膀胱コントロール改善およびQOL向上には行動療法が初回治療となり得ると彼等は提案している。

白血病幹細胞活性と急性骨髄性白血病患者の予後とに関連があることが明らかにされた [2011-01-11]
Association found between activity of leukemic stem cells genes and outcomes for patients with acute myeloid leukemia

白血病幹細胞(LSC)の研究において、ある種のLSC遺伝子活性の高い急性骨髄性白血病患者の全体の予後、無イベント生存期間および無再発生存期間が不良であることが明らかにされたとJAMA12月22/29日号に掲載された。研究者らはLSCの豊富な原発性AML患者および健常人の遺伝子発現プロファイルを調査した。その結果、52の遺伝子発現レベルにより細胞で並べたAML検体からLSCの豊富な人々と他の人々を区別することが可能であった。LSCスコアが高いとkaryotype正常または染色体異常患者における全体的な予後、無イベントおよび無再発生存期間が不良であった。3年間の絶対死亡リスクはLSCスコアの低い患者で57%であったのに対し、LSCスコアの高い人々では78%であった。無イベント生存期間のデータの得られた正常karyotype患者においては、3年間のイベントリスクは低LSCスコア群で48%であったのに対し高LSCスコア群では81%であった。高LSCスコアは低寛解率と関連があるため、LSCスコアはまた導入化学療法に対する一次奏効率とも関連があった。

結核患者においては肺がん発症率が高い [2011-01-11]
Higher incidence of lung cancer seen in patients with tuberculosis

結核と肺がんの明らかな関連は未だ確立されていないが、結核患者における肺がんリスク増加の注目すべきエビデンスが新たなスタディにより示されJournal of Thoracic Oncology 1月号に掲載された。台湾の研究者らは、国家健康保険National Health Insurance (NHI)プログラムに入っている患者100万人を無作為に選択した。1998〜2000年に新たに結核と診断された20歳以上の患者全員が結核曝露群とされ結核既往歴のない人々が結核非曝露群とされた。両群において全ての患者がスタディ開始時にはがんを有さないことを確実にするために、がんと診断された者は全て除外された。全体で、716,872人の成人(結核群4,480人および非結核群712,392人)が解析に適しているとされた。その結果、結核を有する人々は非結核群と比較し、肺がんを発症する確率が10.9倍高かった(10,000人年当たり26.3対2.41)。死亡率も結核患者において非結核患者と比較しはるかに高かった(10,000人年当たり51.1対8.2)。結核患者が慢性閉塞性肺疾患にも罹患していると肺がんリスクはさらに上昇しほぼ16倍になる、と筆者らは述べている。

 


 

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