結核と肺がんの明らかな関連は未だ確立されていないが、結核患者における肺がんリスク増加の注目すべきエビデンスが新たなスタディにより示されJournal
of Thoracic Oncology 1月号に掲載された。台湾の研究者らは、国家健康保険National Health Insurance (NHI)プログラムに入っている患者100万人を無作為に選択した。1998〜2000年に新たに結核と診断された20歳以上の患者全員が結核曝露群とされ結核既往歴のない人々が結核非曝露群とされた。両群において全ての患者がスタディ開始時にはがんを有さないことを確実にするために、がんと診断された者は全て除外された。全体で、716,872人の成人(結核群4,480人および非結核群712,392人)が解析に適しているとされた。その結果、結核を有する人々は非結核群と比較し、肺がんを発症する確率が10.9倍高かった(10,000人年当たり26.3対2.41)。死亡率も結核患者において非結核患者と比較しはるかに高かった(10,000人年当たり51.1対8.2)。結核患者が慢性閉塞性肺疾患にも罹患していると肺がんリスクはさらに上昇しほぼ16倍になる、と筆者らは述べている。
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