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  うつ病は脳卒中および致死的脳卒中のリスクを上昇させる
  心臓リハビリテーションプログラムは脳卒中患者においても有益である
  再発性心膜炎の予防薬としてのコルヒチン(ESC 2011)
  Dalcetrapibの血管機能に対する効果(ESC 2011)
  トライアルの結果、長期抗血小板療法の有効性に異議が唱えられた
  用量設定試験においてdarexabanは出血を増加させることが示された
  MitraClip治療はCRT不成功の場合の選択肢である
  遠隔ICD監視を用いることに関して安全性への疑念はない
  急性STEMI後のIABCによる有益性は認められない
  スタディの結果、薬剤溶出ステントの非劣性が確認された
  心房細動においてapixabanはワルファリンよりも優れている
  3枝病変に対しCABGは依然としてPCIよりも望ましい
  子供に対する予防教育により親のリスクが改善する
  VADを用いた心移植のブリッジは問題がある
  第二世代の薬剤溶出ステントの方が安全性プロファイルが良好であることが示された
  二次予防ストラテジーが過少使用されている


うつ病は脳卒中および致死的脳卒中のリスクを上昇させる [2011-09-27]
Depression associated with increased risk of ischemic stroke and stroke-related death
30近くのスタディを解析した結果、うつ病は脳卒中発症および脳卒中による死亡のリスクを有意に上昇させることが示されたとJAMA9月21日号に掲載された。研究者らはうつ病と全ての脳卒中および脳卒中のサブタイプのリスクとの関連を示すために前向きコホートスタディの系統的レビューおよびメタ解析を行った。彼らは医学論文を検索し解析の組み入れ条件に合致する28の前向きコホートスタディを特定した。317,540人を組み入れたこのスタディにおいて、2〜29年間の追跡期間中に8,478件の脳卒中が報告された。スタディデータを蓄積したところ、うつ病を有すると脳卒中全体のリスクが45%高く、致死的脳卒中リスクは55%、虚血性脳卒中リスクは25%高かった。うつ病と脳出血リスク上昇には関連がなかった。最新の米国における脳卒中統計に基づく100,000人年当たり絶対リスクの差は、脳卒中全体で106件、虚血性脳卒中で53件、および致死的脳卒中で22件であった。
一過性脳虚血発作後の心臓リハビリテーションはその後の脳卒中リスクを低下させる [2011-09-27]
Cardiac rehabilitation after transient ischemic attack lowers risk factors for subsequent stroke

一過性脳虚血発作(TIA)または軽度の脳卒中患者のその後の脳卒中リスクを高めるリスクファクターを低下させるのに心臓リハビリテーションは有益なようであるとの新たな研究結果がStroke誌に掲載された。研究者らは前年にTIAまたは軽度の脳卒中を発症した患者100人のリスクファクターを評価した。患者は約7.5ヵ月間の心臓リハビリテーションプログラムに参加しその後にリスクファクターの再評価を受けた。患者の最大運動耐容能は心臓リハビリテーション後に平均31%改善した。総コレステロールは平均11.6 mg/dl減少した。中性脂肪は23.9 mg/dl減少した。低密度リポ蛋白は9.3 mg/dl減少し、高密度リポ蛋白は2.3 mg/dl増加した(これらの変化は明らかではあったが統計学的に有意ではなかった)。腹囲は1インチ減少しボディマスインデクスおよび体重も減少した。収縮期血圧は3mm Hg、拡張期血圧は2mm Hg低下した(確実な変化ではあったが統計学的に有意ではなかった)。有意な数の人々が禁煙した。11人の患者はプログラム開始時には翌年の死亡リスクが中等度または高度であったが、心臓リハビリテーション終了後には死亡リスクの最も低い群になった。

CORP:コルヒチンは再発性心膜炎の予防薬として安全かつ有効であることが証明された [2011-09-20]
CORP: Colchicine proves safe and effective in the prevention of recurrent pericarditis
コルヒチンを従来の治療法に追加するとプラセボを追加するよりも再発および症状持続率軽減の上でより有効であるとの無作為化コントロールトライアルの結果が、2011年European Society of Cardiology学会で発表され、Annals of Internal Medicineに掲載された。心膜炎の再発エピソードを予防するコルヒチンの効果が今回初めて二重盲検多施設無作為化トライアルで示された。このコルヒチンによる心膜炎二次予防(CORP)トライアルでは、再発性心膜炎の初回エピソードを有する連続120人の患者を組み入れた。その結果、コルヒチンはプラセボと比較し18ヵ月後の再発率を有意に低下させた(24%対55%、 p<0.001)。さらに、72時間後の症状持続率はコルヒチン群においてプラセボ群より有意に低く(23.3%対53.3%、 p=0.001)、平均再発エピソード数も少なかった。1週間後の寛解率はコルヒチン投与群においてプラセボ投与群よりも高く(82%対48%、p<0.001)、次の再発までの時間も長かった。副作用発現率はコルヒチンとプラセボとで同等であった(7%対7%、p>0.99)。
dal-VESSEL:Phase IIbトライアルにおいて、研究段階の分子がコレステロールエステル転送蛋白活性を低下させHDLを増加させた [2011-09-20]
dal-VESSEL: An investigational molecule reduced cholesteryl ester transfer protein activity and increased HDL in Phase IIb trial

2011年European Society of Cardiology学会で発表されたphase IIb dal-VESSELスタディの結果、コレステロールエステル転送蛋白(CETP)として作用する研究段階の分子であるdalcetrapibは血管内皮機能(血流依存性血管拡張反応で示された)を障害したり血圧を上昇させたりしないことが示された。Dal-VESSELは、冠動脈疾患(CHD)またはCHD相当のリスクを有し、HDL-Cレベルが50 mg/dL未満の患者476人を対象とした試験的phase IIb無作為化二重盲検プラセボコントロールトライアルである。患者は既に行われている治療に加え600mg/dayのdalcetrapibまたはプラセボを投与された。一次有効性エンドポイントは12週後の橈骨動脈の血流依存性血管拡張反応のベースラインからの変化であった。一次安全性エンドポイントは第4週目に施行された24時間血圧測定の結果であった。患者は計36週間の薬物投与を受けた。その結果dalcetrapibは、一酸化窒素依存性血管内皮機能および炎症や酸化ストレスのマーカーを変化させることなくCETP活性をほぼ50%低下させ、高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)レベルを31%上昇させた。スタディ全期間中において安全信号は認められず、予め明記されていた陽性と判断されたイベントは両群において均等な分布で発現した(dalcetrapib群で11件およびプラセボ群で12件)。

PRODIGY:ステント留置後24か月のクロピドグレル投与は6か月投与と比較し何ら利点はない [2011-09-13]
PRODIGY: Twenty-four months of clopidogrel after stenting no better than six months
冠動脈疾患患者に対する長期抗血小板薬投与の有効性および安全性を評価した無作為化多施設オープンラベルスタディの結果、24か月間の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)は6か月の併用療法と比較し、心有害事象予防において好ましいということはないことが示された。ステント誘発性内膜肥厚グレーディング後長期抗血小板薬2剤併用療法スタディ(PROlonging Dual antiplatelet treatment after Grading stent-induced Intimal hyperplasia studY:PRODIGY)の結果が2011年European Society of Cardiology学会で発表された。待機的、早急または緊急冠動脈形成術施行予定の患者2,000人余りを1:1:1:1の割合で4種類のステント(everolimus溶出ステント、パクリタキセル溶出ステント、zotarolimus溶出ステント、または第3世代のストラットの細いベアメタルステント)のうちのいずれか1つを埋め込まれる群に無作為に割り付けた。30日後に各々のステント群患者がさらに6か月または24か月のDAPT群に無作為に割り付けられた。2か月後の総死亡、非致死性心筋梗塞または脳血管事故の合計は、24か月治療群で10.1%、6か月群で10.0%であった(p=0.91)。死亡、心筋梗塞、脳血管事故およびステント血栓それぞれのリスクは2群間で差がなかった。しかし、長期治療群では一貫して予め規定された出血の定義全てに基づく出血のリスクが高く輸血を必要とすることが多かった。

RUBY-I:急性冠症候群の二次予防目的のXa 阻害薬darexaban経口投与の安全性および忍容性が検討された [2011-09-13]

RUBY-I: Safety and tolerability of the oral Xa inhibitor darexaban for secondary prevention after acute coronary syndromes examined
2011年European Society of Cardiology学会で発表されEuropean Heart Journalオンライン版に掲載されたphase II用量設定試験の結果、急性冠症候群(ACS)後の患者に2剤併用抗血小板薬に新たな経口Xa阻害薬darexabanを追加したところ出血が2〜4倍増加したことが報告された。RUBY-1は、最近ST非上昇およびST上昇ACSを発症したハイリスク患者1,279人を対象とした多施設二重盲検無作為化パラレルグループスタディである。非経口抗血栓療法中止後に患者らは抗血小板薬2剤併用療法(アスピリンおよびクロピドグレル)に加え6つの darexaban療法(5mg 1日2回[bid]、10mg 1日1回[qd]、15mg bid、30mg qd、30mg bidまたは60mg qd、またはプラセボ)のいずれかを24週間投与された。一次アウトカム(重大なまたは重大ではないが臨床的に明らかな出血イベント)は全ての darexaban群において数値的に多かった(pooled HR2.275, 95%CI 1.13-4.60, p=0.22)。プラセボ(出血率3.1%)を対照とすると、darexabanの用量が増加するほど出血率が上昇し(1日10、30、および60mgでそれぞれ6.2、6.5、および9.3%)用量依存性が認められた(p=0.009)。この増加は30mg bidの用量で統計学的に有意であった(p=0.002)。

PERMIT-CARE:MitraClip治療は心臓再同期療法が無効であった心不全患者に有益であることが示された [2011-09-13]

PERMIT-CARE: MitraClip therapy demonstrates benefits for heart failure patients who do not respond to cardiac resynchronization therapy
2011年European Society of Cardiology学会で発表された観察研究の結果、経皮的カテーテルベースのMitraClip治療により心臓再同期療法(CRT)が無効であった僧帽弁閉鎖不全患者の症状を改善し左室(LV)リバースリモデリングを促進することが示された。PERMIT-CAREと呼ばれるこのトライアルは、臨床的に有意な機能的僧帽弁閉鎖不全(FMR)を有するヨーロッパの7施設の患者51人においてMitraClipの安全性および有効性を評価した、医師主導型スタディである。全ての患者がCRT後最低6か月は症状および左室容積が不変であった。スタディに組み入れられた患者のほぼ全員が高い死亡リスクのため僧帽弁手術の適応ではないと考えられた。スタディの結果MitraClip治療によるFMRの軽減は可能であり安全で、70%の患者においてNYHA心機能クラスを改善しLVリバースリモデリングにつながることが示された。このスタディ結果は次号Journal of the American College of Cardiologyに掲載予定である。

EVATEL:植込み型除細動器装着患者の遠隔フォローアップに関する安全性および有効性に疑念はない [2011-09-13]

EVATEL: Safety and efficacy not compromised with remote follow-up of patients with implantable cardioverter defibrillators
EVATEL(電話によるフォローアップの評価:EVAluation of TELe follow-up)の結果が2011年European Society of Cardiology学会で発表され、植込み型除細動器(ICDs)装着患者の遠隔フォローアップによる安全性および有効性に疑念がないことが示された。このスタディには、フランスの30施設のICD患者1,501人(平均年齢50歳、男性85%)が組み入れられ3か月ごとに1年間追跡された。半分の患者には植え込まれた施設で従来通りのフォローアップが行われ、残りの半分は遠隔的にフォローされた(デバイスに蓄積されたデータは患者の家から施設まで電話で転送され、データはウエブサイトでアクセスできた)。一次エンドポイント(死亡の合計[総死亡]、心血管疾患による入院、デバイスによる無効または不適切な治療の伝達)はコントロール群の28.5%および遠隔群の30.2%において確認され、有意差はなかった。初回の一次エンドポイント発現までの時間(p=0.71)および1年後の生存率(p=0.31)にも2群間で有意差はなかった。不適切な治療の数は遠隔群においてコントロール群よりも少なかった(それぞれ4.7%と7.5%、p=0.03)。しかしながら、このトライアルの厳格な非劣性マージンの5%による非劣性は証明できなかった。

急性STEMI患者に対する大動脈内バルーンカウンターパルゼーションの使用は梗塞サイズを減少させないようである  [2011-09-13]

CRISP AMI: Use of intra-aortic balloon counterpulsation for patients with acute STEMI does not appear to reduce infarct size
急性ST上昇心筋梗塞(STEMI)患者における大動脈内バルーンカウンターパルゼーション(IABC)使用による経皮的冠動脈形成術(PCI)前後の血流増加は永続的な傷害を受ける心筋量を軽減させないとのスタディ結果が、2011年European Society of Cardiology学会において発表されJAMAオンライン版に掲載された。カウンターパルゼーションによるPCI前急性心筋梗塞の梗塞サイズ軽減(Counterpulsation to Reduce Infarct Size Pre-PCI Acute Myocardial Infarction:CRISP AMI)のスタディには337人の患者を組み入れ、プライマリPCI前にIABCを施行し12時間以上継続する群(IABC+PCI)またはプライマリ PCIのみを受ける群に無作為に割り付けた。IABC+PCI群とPCI単独群とでは平均の梗塞サイズに有意差はなかった(それぞれ42.1%と 37.5%)。次に心臓MRIの結果は梗塞サイズの結果と一致しており、IABC+PCI群およびPCI単独群において平均微小血管閉塞はLV心筋量のそれぞれ6.8%および5.7%であった。これらの結果は、ガイドラインにおいて大動脈内カウンターパルゼーション使用が推奨されている心原性ショックの患者とは異なり、ハイリスクSTEMI患者に対するプライマリPCI時のIABCの(ルーチン使用ではなく)スタンバイでの使用を支持するものである。

RESET:PCI患者におけるエベロリムス溶出ステントのシロリムス溶出ステントに対する非劣性が認められた [2011-09-13]

RESET: Everolimus-eluting stents found to be non-inferior to sirolimus-eluting stents in PCI patients
第二世代の薬物溶出ステント(エベロリムス溶出ステント[EES])は第一世代薬物(パクリタキセル)溶出ステントよりも無作為化コントロールトライアルにおいて常に一貫して優れた臨床成績を示してきた。しかし、EESを他の第一世代薬剤溶出ステント(シロリムス溶出ステント[SES])と比較した早期のスタディではEESの非劣性のみが示された;標的病変での血行再建におけるSESと比較したEESの優越性は適切に調査されていない。これについて現在、EESとSESを日本の日常臨床で比較した、前向き無作為化多施設オープンラベルトライアル(Randomized Evaluation of Sirolimus-eluting versus Everolimus-eluting stent Trial:RESET)により検討されている。薬剤溶出ステントによる経皮的冠動脈形成術を予定されている患者は、除外基準を用いずに組み入れた。一次有効性エンドポイントは標的病変の血行再建であった。RESETでは3,197人の患者を2つのステントのいずれかを埋め込まれる群に無作為に割り付けた。8ヵ月後のセグメント内後期内腔減少(in-segment late lumen loss) および造影上再狭窄率を評価した冠動脈造影サブスタディには571人の患者を組み入れた。このスタディ対象者には高齢、糖尿病およびPCI歴を有する者が高率であった。2011年European Society of Cardiology学会で発表された結果では、1年後の標的病変血行再建術および8〜12か月後の冠動脈造影上のセグメント内後期内腔減少において SESに対しEESが非劣性であることが示された。
心房細動においてapixabanはワルファリンよりも優れている [2011-09-06]
ARISTOTLE: Apixaban superior to Warfarin in patients with atrial fibrillation for preventing stroke, reducing bleeding, and saving lives
2011年European Society of Cardiology学会で発表されNew England Journal of Medicineオンライン版に掲載された大規模トライアルARISTOTLEの結果、心房細動患者の脳卒中および全身性塞栓予防において新たな抗凝固薬 apixabanは標準薬ワルファリンよりも優れていることが示された。ARISTOTLEトライアルでは39ヵ国1,034施設の患者18,201人を apixaban(5mgを1日2回)またはワルファリン(平均1.8年間)を投与する群に無作為に割り付けた。Apixaban投与により脳卒中(p=0.011)および全身性塞栓症がさらに相対的に21%減少した。また、重大な出血は31%減少し(p<0.001)、総死亡率は11%減少した(p=0.047)。脳出血は約50%減少した。Apixabanによる有益性は、“治療域の時間”で計測した施設ごとのワルファリンの使用法に関係なく一律に認められた。Apixabanはワルファリンと比較し重要な臨床上の利点をもち合わせている:モニターの必要がないこと、および他の薬剤や食物との相互作用が少ないこと、と筆者らは特筆している。Apixabanは第Xa因子を直接阻害する経口薬で、投与患者はアスピリンを内服した患者よりも脳卒中や血栓を有する確率が54%少なかったとの昨年のトライアル結果から有望であることが示された。

CREDO-Kyoto:3枝病変患者において重篤な有害事象はCABGよりもPCIの方が多い [2011-09-06]

CREDO-Kyoto: PCI associated with more serious adverse events than CABG in patients with triple vessel disease
2011年ESCで発表されたCREDO-Kyoto PCI/CABGレジストリコホート2の結果から、3枝病変を有する患者において経皮的冠動脈形成術(PCI)は冠動脈バイパス術(CABG)よりも重篤な有害事象発現率が有意に高いことが示された。今回の解析に使用されたスタディ対象は、3枝病変を有する患者2,981人(PCI1,825人、 CABG1,156人)であった。スタディ一次エンドポイントは総死亡、心筋梗塞(MI)、および脳卒中の合計であった。3年間のこれらの一次エンドポイント到達率およびMI発現率はCABGと比較しPCIにおいて高かった(補正後のハザード比(HR)それぞれ1.47[95%CI 1.13-1.92, P=0.004];HR 2.39 [95% CI 1.31-4.36, P=0.004])。しかし、総死亡率はPCI後の方が有意に高かった(HR 1.62 [95% CI 1.16-2.27, P=0.005])にも関わらず、心臓死リスクに関しては有意差はなかった。SYNTAXスコアの低い(<23)または中等度(23-32)の患者における一次エンドポイント発現率はPCIとCABGとで同等であったが、SYNTAXスコアが高い(?33)患者においてはCABGよりもPCI後に明らかに高かった(それぞれ15.8%と12.5% .P=0.25、18.8%と16.7% ,P=0.24、27.0%と16.4% ,P=0.004)。

まず子供に:予防プログラムに参加した子供の親の方が心血管リスクが低い [2011-09-06]

Children First: Cardiovascular risk lower for parents who's children participate in prevention program
学校に通う子供を対象としたある集学的心血管予防プログラムにより親の心血管リスクが91%低下した、と 2011年European Society of Cardiology学会で報告された。この研究のためにブラジルの私立学校の6〜10歳の生徒197人およびその親323人が2つのグループに分けられた。コントロール群(親161人、平均年齢39歳)の生徒は書面による教育用教材を与えられた。介入群(親162人、平均年齢38歳)は同じ教材を支給され、心血管疾患予防に関する教育プログラムを毎週受けた。10年後に親達のフラミンガム心血管リスクを解析したところ、年間心血管疾患(CHD)リスクが 10%以上であったのはコントロール群の9.3%(15人)であり介入群では6.8%(11人)であった。子供に対する教育プログラム後に介入群においては中等度/高フラミンガムCVDリスク群が91%減少した(CHD年間リスク>10%は1人)のに対し、コントロール群では13%の減少であった(CHD年間リスク>10%は13人)。

非常に重度の患者に対し緊急心移植までの間をVADでブリッジした場合の術後成績は移植まで従来の治療を行った患者と比較し不良である [2011-09-06]

Worse postoperative outcomes for critically ill patients bridged to urgent heart transplantation with VADs than with conventional therapy
非常に重度の患者に対し緊急心移植(〜status UNOS 1A)までの間をVADでブリッジした場合の術後成績は、移植まで従来の治療を行った患者と比較し有意に不良であるとの最近のSpanish National Heart Transplant Registry(スペイン心移植レジストリ)の結果が2011年European Society of Cardiology学会で発表された。研究者らは、2000〜2009年に15のスペインの病院で緊急の高優先度心移植を施行された704人の重症心不全患者を対象とした施設レトロスペクティブスタディを行った。107人の患者が移植前に短期間のVADによる補助を受け、一方残りの597人は強心薬静脈内投与、侵襲的人工呼吸および/または大動脈内バルーンパンピングなどの従来通りの治療によりブリッジされた。埋め込まれたVADは58症例が体側パルス血流装置で47例は体外持続血流装置であった。興味深いことに、平均待機時間は非常に短く約5日間であり、これは非常によく整備されたスペインの高度緊急臓器調達および配置システムの特徴的な実態であった。移植前臨床状態および臓器機能はほぼ同等であったにも関わらず、VADでブリッジされた患者においては従来通りにブリッジされた患者と比較し、重度の術中出血発現率が高く、バイパス時間が長く、一次グラフト不全率が高く、結果として移植後生存率が低かった。

EXAMINATION:第二世代薬剤溶出ステントはベアメタルステントよりもステント血栓発現率が低い [2011-09-06]

EXAMINATION: Lower rate of stent thrombosis found with second-generation drug-eluting stent than with bare metal stent
第二世代薬剤溶出ステントXience Vはベアメタルステントよりも、ST上昇心筋梗塞(STEMI)に対しプライマリPCIを施行された患者において成績が良好で安全性プロファイルも優れているとの、急性心筋梗塞におけるXience-Vの評価(EXAMINATION:Evaluation of Xience-V stent in Acute Myocardial INfArcTION)トライアルの結果が2011年European Society of Cardiology学会で発表された。このスタディはSTEMI患者をXience V(エベロリムス溶出)またはコバルトクロミウムベアメタルステント使用群に無作為に割り付けた。一次エンドポイントは総死亡、全ての再発性心筋梗塞および1年後フォローアップ時の全ての再血行再建術の合計であった。一次エンドポイントに関しては、フォローアップ期間中の新たな血行再建術が低かったため、ベアメタルステントと比較しXience-Vによる有意な有益性は認められなかった。しかし、1年後フォローアップ時のステント血栓発現率はベアメタルステントと比較しXience Vステントにおいて低く、1年後のステント血栓発現率はXience Vステントで0.5%(確実)および0.9%(確実またはおそらく)、ベアメタルステントでそれぞれ1.9%および2.6%であった(両者ともp=0.01)。

The ISAR-REACT 3A trial:待機的PCI中のヘパリン用量を低下させることにより出血および血栓性の合併症が減少する [2011-09-06]

PURE: Huge worldwide gaps in the use of simple, cheap and proven drugs for secondary CVD prevention
心血管疾患の二次予防目的で有効性が証明された治療が大きく過少使用されているとの PURE(Prospective Urban Rural Epidemiological)スタディの結果が2011年European Society of Cardiology学会で発表されLancetに掲載された。このスタディには、高、中および低収入の17ヵ国の心疾患または脳卒中既往歴を有する成人 15,400人(35〜70歳)が組み入れられ、この種のスタディでは唯一の多国籍スタディである。スタディの結果、アスピリンなどの低価格で一般的に可能な治療の使用であっても低収入国と高収入国とで使用に7倍の差があった;スタチンの使用に関してはこれらの国家間で20倍の差があった。女性において薬物使用率の低いことを含めこれらの結果に関する明らかな説明はなかった。いくつかの理由は低および中収入国におけるこれらの薬剤入手が限られていること、ジェネリックであってもコストが比較的高いこと、副作用、流通が困難であること、医療機関へのアクセスに制限があることおよび患者や医師らが生涯における治療の必要性を認識していないこと、などであろう。しかし、二次予防薬の過少使用は低および中収入国に限った話ではなかった。
 
 

 
 

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