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心筋梗塞および脳卒中のリスク予測にはC反応性蛋白よりも冠動脈石灰化の方が勝る [2011-08-30]

Coronary calcium beats C-reactive protein for predicting risk of myocardial infarction and stroke
LDLコレステロールが正常範囲内の人々における心筋梗塞(MI)および脳卒中の予測には、C反応性蛋白よりも冠動脈に石灰化を有することの方が予測因子としてはるかに有用であるとの2,000人以上を対象としたスタディの結果がLancet 2011年8月19日号に掲載された。2,083人を6年間追跡したこのスタディのゴールは、よりハイリスクで、したがってスタチン系薬剤を内服することにより恩恵を被る可能性のある人々をさらに絞り込むことであった。その結果、このスタディにおいてMI、脳卒中または心臓関連死の95%は冠動脈にある程度の計測可能な石灰化を有する人々において発現したことが明らかになった。一方、冠動脈石灰化が最高レベル(石灰化スコア検査で100点を超える)であった者の13.4%がスタディ期間中にMIまたは脳卒中を発現したが、血中CRPが高レベルであったがカルシウム沈着がない者のうちMIまたは脳卒中を発症したのは2%であった。血中CRP高値、つまり2mg/L超のプレディクティブバリューは、年齢、性別、人種、高血圧、肥満、糖尿病、喫煙および心疾患家族歴などのリスクファクターを考慮に入れるとわずかなものであった。

時間経過とともに拡張障害が増悪することにより心不全発症リスクが上昇する [2011-08-30]

Over time, worsening diastolic dysfunction associated with increased risk of developing heart failure
ある心機能スタディのフォローアップの結果、左室拡張障害の有病率は増加しており、拡張障害は4分の1近くの患者において増悪し、拡張障害を有する対象者は心不全を発症する確率が高いことが示されたとJAMA 8月24/31日号に掲載された。4年の間に何らかの拡張障害を有する者の割合は23.8%から39.2%に上昇した。中等度から重度の拡張障害は 6.4%から16.0%に増加した。対象者の23.4%において拡張障害が増悪し、67.8%は不変であり、8.8%は拡張障害が改善した。年齢、特に 65歳以上は拡張障害発症の予測因子であった。健常対象者(高血圧、糖尿病、冠動脈疾患、心不全、または心血管系薬物使用がない)の拡張障害の解析では、程度に関係なく拡張障害の発生率は11.3%から29.8%に増加した。健常者423人中19.9%において拡張障害が悪化し、75.2%は不変であり、改善したのは5.0%であった。さらに6.3年間追跡した結果、65歳以上であることが心不全の最も強力な予測因子であった。
関節リウマチは心血管死リスクを上昇させるが治療によりリスクが軽減する可能性がある [2011-08-23]
Rheumatoid arthritis increases risk of dying from cardiovascular disease but treatment may reduce risk
関節リウマチ(RA)患者は心疾患死のリスクが高く、RA患者の心血管疾患リスクは一般の人々にも影響するリスクファクターに加え疾患による炎症によることを示したスタディの結果がArthritis Research & Therapyに掲載された。抗リウマチ薬(DMARDs)治療により患者の心疾患リスクは低下した。400人を超えるRA患者を診察日以降追跡した。患者のデータ解析の結果、心疾患、脳卒中またはDVTなどの新たな心血管イベントは関節炎の程度や糖尿病、高血圧、および中性脂肪レベルから予測されることが示された。DMARDs治療によりリスクが低下したことには励まされるが、COX-2阻害薬は新たなイベント予測因子となるようであった。5年後に 97%の患者がDMARDsで治療されており、炎症のケミカルマーカーおよび関節炎の身体所見はいずれも軽減していた。患者の自己管理も改善しており、喫煙者数は減少し、BMI、血圧は低下していた(一部は降圧治療による)。
集中治療室で発生した心停止のタイプにより長期生存率が予測できる [2011-08-23]
Type of cardiac arrest suffered in intensive care unit predicts long-term survival

集中治療室(ICU)の患者に発生した心停止のタイプにより長期生存率が予測できる可能性があるとのスタディ結果がCanadian Medical Association Journalに掲載された。このスタディでは517人の患者(男性62%、平均年齢67歳)が対象とされ、生存して退院したのはそのうちの27%であり、24%は1年間、16%は5年間生存した。一般的なICU入院患者は冠動脈管理ICUまたは心臓手術ICU患者と比較し死亡率が高かった。心停止の発現した1日の中の時間帯は退院までの生存率には影響しなかった。心停止後死亡のハイリスク因子は無脈性電気活動(pulseless electrical activity)または無収縮心停止、蘇生時間が長いことおよび高齢なことによる長期生存率低下であった。ICUの患者は疾患および循環器系生存率に影響するであろう状態がそれぞれ異なっているため、心停止患者の個々に応じた評価および治療により根本的な原因および予後をよりよく理解することは生存率改善に役立つであろうと筆者らは述べている。例えば、病態生理的にイベント(心筋梗塞など)からの迅速な回復が可能な患者は生存する確率が高く、蘇生中および蘇生後に積極的な治療を受けるべきである。

少しの運動はしないよりよいが、より多く運動をすることにより心疾患リスクはより低下する [2011-08-09]
Some exercise is better than none, but more is better to reduce heart disease risk
少しの運動でも心疾患リスク低下に役立つが、この有益性は運動量が増加するほど増加するとの定量的レビューがCirculationに報告された。中等度のレジャー活動を150分行うことを厳守した人々は、運動や身体活動を全く行わないと報告した人々と比較し、冠動脈疾患(CHD)リスクが14%低かった。さらに高度の身体活動を行った場合にCHDの相対リスクはより低かった。また、身体活動に関する米国ガイドライン(1週間に中等度の運動を2.5時間行うことを推奨)以下の運動を行った人でも全く行わない人と比較しCHDリスクは低かった。この研究は身体活動と心疾患リスクを調査したスタディのこれまでのレビューとは異なっており、有益性の程度に加えその人のリスク軽減に必要とされる身体活動量の定量評価も行っている。あるメタ解析において、研究者らは身体活動性と心疾患に関する3000以上のスタディを調査し、うち33のスタディを解析に組み入れた。これらの中で9つのスタディはレジャー活動を定量的に測定した。この結果は男性よりも女性において顕著であった。
心筋梗塞後に心臓突然死するか生存するかを予測する特性が同定された [2011-08-09]
Traits identified that predict sudden cardiac death vs. survival following a myocardial infarction

心筋梗塞患者において一般的な特性は多く存在するが、一部の特性が突然死するか心筋梗塞を乗り切って生存するかを鑑別するのに役立つことが示されたとHeartに掲載された。研究者らは米国の最も大規模な心血管系スタディ2つ―地域住民の動脈硬化リスク(Atherosclerosis Risk in Communities:ARIC ) および心血管系健康スタディ (Cardiovascular Health Study :CHS) ―のデータ(参加者18,000人超のデータを含む)を解析した。冠動脈疾患の一般的なリスクファクターおよび冠動脈疾患を伴った心臓突然死の競合リスクを考慮した結果、高血圧および心拍数増加が冠動脈疾患よりも心臓突然死高リスクの強力な予測因子であった。ボディマスインデクスの極端な高値および低値は心臓突然死の予測因子であったが、冠動脈疾患の予測因子ではなかった。ECGにおいてはQTc延長と異常な陰性T波が心臓突然死高リスクの予測因子であった。一方、V2誘導におけるST上昇は心臓突然死の予測因子ではなく冠動脈疾患の予測因子であった。

疾患に対する遺伝的素因は脳卒中よりも心筋梗塞においてより多い [2011-08-02]

Inherited predisposition to disease more common for myocardial infarction than stroke
脳卒中よりも心筋梗塞(MI)の方が遺伝しやすいとの研究結果がCirculation: Cardiovascular Geneticsにおいて報告された。研究者らは急性心疾患患者906人(男性604人)および急性脳イベントを発症した患者1,015人(男性484人)のデータを用いた。心疾患患者においては、1人の親がMI既往歴を有していたのが30%であり、21%が少なくとも1人の兄弟にMI既往歴が認められた。2人以上の兄弟がMIを有していたのは7%であり両親ともにMIを有していたのは5%であった。脳卒中または一過性虚血性脳発作(TIAs)患者においては、一人の親が脳卒中既往歴を有していたのは21%であり、両親ともに脳卒中を有していたのは2%であった。少なくとも1人の兄弟が脳卒中既往歴を有していたのは8%であり、2人以上の兄弟が脳卒中既往歴を有していたのは14%であった。両親ともにMI既往歴を有している場合に急性心イベントリスクは6倍高く、1人の親がMIを有している場合は1.5倍高かった。一方、脳卒中発症率は親の脳卒中歴により有意に上昇はしなかった。このスタディ結果から、これら2疾患のリスクアセスメントモデルは別にする必要性が示唆される。

外傷性脳損傷は損傷後3ヵ月以内の脳卒中リスクを10倍上昇させる [2011-08-02]

Traumatic brain injury linked with tenfold increase in stroke risk within three months of injury
外傷性脳損傷は損傷後3ヵ月以内の脳卒中リスクを10倍上昇させるとの新たなスタディ結果がStroke誌に掲載された。台湾データベースの記録を用いて研究者らは外傷性脳損傷患者23,199人における脳卒中リスクを調査した。比較対照群は非外傷性脳傷害患者69,597人であった。全患者の平均年齢は42歳であり54%が男性であった。損傷後3ヵ月間に脳卒中を発症したのは、外傷性脳損傷患者で2.91%、非外傷性脳損傷患者ではわずか0.30%であった―つまり、10倍の差があった。1年後のリスクは外傷性脳損傷患者において4.6倍高く、5年後には2.3倍高かった。外傷性脳傷害患者における脳卒中リスクは特に頭骸骨骨折を伴う患者において骨折のない患者よりも顕著であったが、このリスクは時間経過とともに縮小した。さらに、くも膜下出血リスクや脳内出血も外傷性脳損傷患者において非外傷性脳損傷患者と比較し有意に高かった。年齢と性別を考慮すると、外傷性脳損傷を有する患者は非外傷性脳損傷を有する患者よりも高血圧、糖尿病、虚血性心疾患、心房細動および心不全を有する確率が高かった。
 
 


 
 

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