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大規模観察研究の結果により、楽天的であることの健康上の有益性に関する身体研究がより増幅された [2011-07-26]

A large-scale observational study adds to the increasing body of research on the health benefits of optimism
ポジティブな人生観が脳卒中のリスクを低下させる可能性があるとの新たな研究結果がStroke誌に掲載された。ある観察研究において研究者らは、2006〜2008年に収集された進行中のHealth and Retirementスタディの自己申告による脳卒中および心理学的データを解析した。参加者はスタディ開始時、脳卒中を有していなかった。50歳以上の成人6,044人からなる代表的なグループは、広範に使用されている16点のmodified Life Orientation Test-Revisedにおける彼らの楽観レベルを点数化した。研究者らはロジスティック回帰分析を用いて楽観度と脳卒中との関連性を確立し、慢性疾患、自己申告による健康および社会人口統計学的、習慣、生物学的および心理的状態など脳卒中リスクに影響する可能性のある因子で補正した。楽観度のポイントが1点上昇するごとに2年間の追跡期間中の急性脳卒中リスクが9%減少した。楽観的なことの保護効果は主に、ビタミン摂取、健康的な食事および運動などの人々の行動上の選択によるのであろうと研究者らは述べている。しかし、あるエビデンスによるとポジティブな考え方は厳密にいえば生物学的効果も有することが示されている。

ストレス心筋症はこれまで報告されてきたよりもより広範な人々に認められる可能性があると報告された [2011-07-26]

Stress cardiomyopathy may affect broader range of patients than previously reported
ストレス心筋症(SC)はこれまで報告されてきたよりも広範な臨床的特徴を有し、若年患者や男性、および同定できるストレスフルなきっかけがない患者なども含まれるとJAMA 7月20日号に掲載された。研究者らはSCの臨床スペクトラムを包括的に定義するスタディを行い、SCが疑われた場合に診断的方針決定に役立つ可能性のある心血管磁気共鳴(CMR)クライテリアの有用性を調査した。SCを有する患者の平均年齢は69歳(89%[227人]が女性、82%[207人]が閉経後、8%[20人]が50歳以下)であった。男性は症例の11%を占めた。71%(182人)の患者において来院前48時間以内の有意なストレスフルなイベントを有していた;きっかけとなる状態は30%が感情的なストレスであり、41%が身体的ストレスであった。ケアセンター来院時の心電図は87%の患者において異常であった。冠動脈造影では193人(75%)が正常冠動脈であった。CMR画像では全ての患者においてLV機能が中等度から重度低下した拡張パターンであり、4つの異なる局所的心室拡張パターンが認められた。

心血管疾患および脳卒中の相対的負担は国により大きく異なる [2011-07-19]

Relative burden of cardiovascular disease and stroke varies widely from country to country
世界192か国から収集された心疾患と脳卒中統計の解析がWHO(世界保健機)により行われ、この2疾患の相対的負担は国により大きく異なり国民所得と密接に関連していることが示された。Circulationに掲載された報告では、発展途上国では心疾患よりも脳卒中による死亡や障害が多く、これは国民所得の高い国と状況が逆であった。心疾患および脳卒中には、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、肥満、運動不足および喫煙などの共通のリスクファクターがある。しかし、これらの疾患により冒される臓器は非常に異なる組織−心臓と脳−であるため、これらの疾患の症状、緊急処置、フォローアップおよび回復までの期間や医療費は大きく異なる。米国、中東全域、北米の大部分、オーストラリアおよび西欧の多くの国においては心疾患が死因の第一番目であり脳卒中の頻度のほうが少ない。多くの発展途上国では逆である。全体の40%近くの国においては心疾患よりも脳卒中の負担の方が大である。これらの観察研究は、発展途上国において最も必要とされる介入を保険当局が計画する際に役立つであろう。

禁煙のためにバレニクリンを使用している喫煙者は心イベントによる入院のリスクが高い [2011-07-19]

Smokers using varenicline to quit are at greater risk of hospitalization with a cardiac event
最もよく知られている禁煙補助薬を内服している健康な中年の喫煙者は、プラセボを内服している者と比較し、心筋梗塞(MI)または他の重篤な心疾患による入院のリスクが72%高いとのスタディ結果がCanadian Medical Association Journalに掲載された。研究者らは、バレニクリンまたはプラセボを内服した健常者8,200人余りを対象とした14の二重盲検無作為化コントロール臨床試験を解析した。死亡者数は両群間で同様(7人)であったが、MIや不整脈のような入院を必要とする重大な有害な心疾患イベントリスクはバレニクリン群において72%高かった。1年以上追跡したスタディはなかった。スタディ対象者の平均年齢は45歳未満であり、多くが男性であった。喫煙は心血管疾患および心臓死のリスクを上昇させることが長期にわたり示され、禁煙はこれらのリスクを軽減することが明らかにされている。筆者らは、禁煙の必要性は強調しているが、バレニクリンは禁煙補助薬として適した薬剤(right drug)ではない可能性があることを示唆している。

女性における心臓突然死リスク低下には複数の生活習慣リスクファクターの組み合わせが関連する [2011-07-12]

Lower risk of sudden cardiac death in women associated with combination of multiple lifestyle risk factors
喫煙をしない、定期的に運動する、体重が少ないおよび健康的な食事をするなどの健康的な生活習慣を忠実に守ることにより、女性において心臓突然死(SCD)のリスクが低下するようであるとのスタディ結果がJAMA 7月6日号に掲載された。Nurses' Health Studyに1984年6月から2010年6月までに参加した女性計81,722人がスタディに組み入れられ、生活習慣因子はアンケートにより2〜4年ごとに調査された。低リスク生活習慣は、喫煙しない、ボディマスインデクス<25、運動時間30分/日以上、および野菜や果物、ナッツ、豆類、全粒粉および魚を多く摂取すること、と中等度の飲酒と定義された。26年間のフォローアップ期間中にこれらの女性において321件のSCD(SCD発現時平均年齢72歳)が認められた。4つの低リスク因子全てが有意にかつ独立してSCDリスクを低下させた。4つの生活習慣全てが低リスクの女性は4つの生活習慣因子のいずれもが低リスクでない女性と比較し、リスクが92%低かった。

重症心不全患者に対する新たな遺伝子治療による実質的な臨床上の有益性が示された [2011-07-12]

Substantial clinical benefit found with new gene therapy in patients with advanced heart failure
重症心不全患者にSERCA2aと呼ばれる高用量の遺伝子治療を行うことで実質的な臨床上の有益性が認められ心血管疾患による入院が有意に減少したとのスタディ結果がCirculation 6月27日号オンライン版に掲載された。心疾患に対する経皮的遺伝子治療によるカルシウムアップレギュレーション(CUPID:Calcium Up-regulation by Percutaneous administration of gene therapy In cardiac Disease)トライアルは、無作為化二重盲検プラセボコントロールスタディであり、重症心不全患者39人にSERCA2a遺伝子治療の3用量のいずれか、またはプラセボを投与した。SERCA2aはルーチンの外来心臓カテーテル術施行の際にアデノ随伴ウイルスベクターを用いて心筋細胞に注入された。この治療法は重症心不全患者においてこれらの細胞内の酵素産生を刺激し心臓のポンプ機能をより有効にさせる。1年後に高用量SERCA2a群患者は、症状、全体的な心機能、バイオマーカー活性、および心室のメカニズムおよび機能において改善および/または安定化を示した。また心血管疾患による入院は平均0.4日であったのに対しプラセボ群では4.5日であり、劇的に減少した。SERCA2aによる遺伝子治療はまた、プラセボと比較し、有害事象、疾患関連イベント、検査値異常、または不整脈の増加はなく、安全であることも示された。

中等度および重度の拡張障害により死亡リスクが上昇する [2011-07-05]

Moderate and severe diastolic dysfunction associated with increased mortality risk
拡張障害(DD)を有する者は収縮機能正常あるいは他の心血管障害を有しているかにかかわらず死亡リスクが高いようであるとArchives of Internal Medicine 6月27日号に掲載された。研究者らは、外来で施行された心エコー検査で収縮機能が正常であることが示された患者36,261人の医療記録および心エコー結果を調査した。その後、これらの患者の拡張機能が正常か異常かを評価し、DD症例を軽度、中等度、または重度にクラス分類した。このスタディ対象者において、うっ血性心不全(3.5%)、冠動脈疾患(0.6%)、および末梢動脈疾患(1.1%)などの心血管疾患の確定診断率は低かった。多くの患者が多少のDDを有していた;60.0%は軽度、4.8%は中等度、0.4%は重度であった。平均経過観察期間6.2年間に5,789人が死亡し、補正前の死亡率はDDの程度が悪化するに従い上昇した(軽度群で21%、中等度群で24%、重度群で39%)。しかし、propensity-matching法を用いた統計解析を行うと、中等度および重度のDDのみが死亡率を上昇させた。

左冠動脈主幹部病変を有する低リスク患者に対する薬剤溶出ステントを用いた血管形成術後の好ましい成績が認められた [2011-07-05]

Favorable outcomes seen following angioplasty with drug-eluting stents for lower-risk patients with left main coronary artery disease
Catheterization and Cardiovascular Interventions 6月号に掲載されたスタディの結果、低リスク左主幹部病変に対しバイパス術ではなく薬剤溶出ステントを用いた血管形成術を施行した長期予後が好ましい結果であったことが報告された。研究者らは、正常な動脈機能を有する左主幹動脈患者221人(平均年齢68歳)に関する国際登録から得たデータをレビューした。患者全員が薬剤溶出ステントを用いた血管形成術を施行された。30日間の成績を調査した結果、心臓死、脳卒中、再狭窄またはステントに関連した血栓形成の報告はなかった。7人(3%)の患者において軽度の心筋梗塞が認められた。1年後の心臓死に関する累積無イベント率は97.7%であり、再狭窄に関する無イベント率は92.9%であった。ほぼ4年後の心臓死に関する無イベント生存率は95.5%であり、再狭窄に関する無イベント率は88.9%であった。20人が死亡しそのうち9人は心臓関連死であった。現在の米国ガイドラインでは左冠動脈主幹部に対するステントを用いた血管形成術は手術適応の低い患者のみに推奨している。今後、今回のように、多くのスタディにおいてこの施術の有効性が広範な患者に対し示されれば、将来このガイドラインの内容が変更となるであろうと筆者らは述べている。
 
 


 
 

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