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  ヨガにより心房細動発作頻度が低下する
  小児における広範な脂質スクリーニングが推奨される
  新たなポリマーにより1年後の標的病変不全が軽減できる
  宇宙での心臓超音波検査により地球上での心臓管理が改善する可能性がある
  エコーによりペースメーカーリードの最良の設置部位が得られる
  2剤併用抗血小板薬療法は6ヵ月で十分である
  Rivaroxabanはエノキサパリンと比較し正味の臨床上の有益性は認められない
  高齢者においては基礎疾患により降圧薬を選択すべきである
  バルサルタンとアムロジピンの有効性は同等
  Phase IIIの結果から、従来の治療が無効な高血圧の治療に圧反射活性化が
有望であることが示された
  カテーテルを用いた大動脈弁手術の開心術に対する非劣性が認められた
  Mitraclipは手術と比較し有効性は低いが安全性は高い
  薬剤溶出ステントは予後を改善する
  橈骨動脈からのアクセスにより血管系合併症が減少する
  スタディの結果、心不全患者において薬物療法よりもCABGの方が
成績は良好であった
  バイパスグラフトには橈骨動脈の方が成績は良好である
  遺伝子異常から高血圧は母親から遺伝することが示唆された
  健康上のリスクを避けることで心房細動が予防できる


ヨガは心房細動の安全で有効な治療法である [2011-04-26]

Yoga found to be a safe, effective therapy in treatment of atrial fibrillation
厳格なヨガの実践は心房細動にしばしば関連する不規則な心調律の発作頻度を軽減し不安やうつ症状を改善するのに役立つ。平均して、ヨガは心房細動発作を半分に減少させQOLを有意に改善したとの研究結果が第60回American College of Cardiology学会で発表された。この前向き自己コントロール単施設スタディにおいて、研究者らは身体的に制限のない心房細動患者49人を追跡した。参加者は最初の3ヵ月のコントロール期間中に、どんなタイプの運動にでも参加することを許可された。その後3ヵ月間のスタディ期に、呼吸練習、ヨガポーズ、瞑想およびリラクゼーションから成る監視下ヨガに参加した。このヨガ治療により心房細動患者における不規則な心調律発作数はコントロール期間中と比較しスタディ期間中に有意に減少した(3.8±3対2.1±2.6、p<0.001)。ヨガによりうつおよび不安スコアも低下し(p<0.001)身体機能、全体的な健康、活気、社会的機能、および精神衛生上におけるQOLは改善した(それぞれのp値は0.017、<0.001、<0.001、0.019および<0.001)。

HDLコレステロールレベルの低い小児はしばしば他の心血管リスクファクターを有する [2011-04-26]

EVEREST II: Percutaneous mitral valve repair compares favorably with open-heart surgery especially for select patients
高密度リポ蛋白(HDL)コレステロールレベルの低いミドルスクールの生徒は、後に心血管系の健康状態を不良とさせる可能性のある他のリスクファクターをも有する確率が高いようであるとの研究結果が、第60回American College of Cardiology学会で発表された。このスタディは米国の学校ベースの介入プログラムに組み入れられた6学年児1,104人を対象とした。研究者らは同意した生徒から脂質および血糖値、ボディマスインデクス(BMI)、血圧、心拍数および食事、運動および運動不足の習慣を評価した標準的なアンケートなどのデータを収集した。その後彼らは、HDL≤40mg/dLまたはHDL>40mg/dLの2群の生徒を比較した。計177人(16%)が低 HDLを有していた。彼らのうち、62%以上が過剰体重であった。HDL≤40mg/dLの小児はまたHDLレベルの高い小児と比較し、高血圧も有し中性脂肪レベルも高値であった。また身体活動レベルも低かった(1週間当りの中等度以上の運動をする日数が少なかった)。さらなる研究が必要ではあるが、このスタディから、小児に対する広範なコレステロールスクリーニングにより早期介入を行い生涯にわたる心疾患リスク軽減に役立てることが推奨される可能性がある、と筆者らは述べている。

RESOLUTE US:新世代のzotarolimus溶出ステントはステント血栓が少なく標的病変不全率が低い [2011-04-26]

RESOLUTE US: Next-generation zotarolimus-eluting stent exhibits low rate of target lesion failure with minimal stent thrombosis
ヨーロッパのトライアルを拡大することによりzotarolimus溶出ステント(ResoluteR)が米国患者において12ヵ月間の重要な安全性イベント低発現率を維持し臨床的な再狭窄低発現率を達成したとACCにおいて発表されJournal of the American College of Cardiology 4月26日号に掲載された。1,402人の患者を組み入れ、メインのスタディでは1,112人の患者に径2.5〜3.5mmのResolute®ステントが植え込まれた。このメインのスタディとEndeavor®ステントの臨床試験から得た過去のデータを比較した。Resolute®ステントの12ヵ月間の標的病変不全(TLF)率は3.7%であったのに対し、過去のコントロールにおけるその割合は6.5%であり、今回のスタディで予め設定された非劣性のマージンを満たした(p < 0.001)。Resolute®ではまた標的病変の再血行再建術施行率、心臓死率および標的血管による心臓発作率がそれぞれ2.0%、0.4%、および 1.3%であり、過去のコントロール群のEndeavor®植え込み患者より低かった(それぞれ4.0%、0.8%、および2.4%)。スタディ患者 1,402人全体においてもResolute®ステントにおいては良好な成績が示され、標的病変不全率は4.7%であり、ステント血栓が確実または可能性が高いものの割合は0.1%であった。

宇宙飛行士における無重力による早期心機能低下を予知するのに数学的モデルが役立つ可能性がある [2011-04-26]

Mathematical models may help predict early deterioration of heart function due to weightlessness among astronauts
宇宙飛行士は宇宙探査から帰還した後にしばしばふらふら感を訴えたり意識を失ったりするが、起立性低血圧の原因はいまだ明らかにされていない。研究者らは国際宇宙ステーション(ISS)上で施行した心臓超音波検査のデータを収集し、心筋量が宇宙で減少するか、さらにこれにより宇宙飛行士が地球に戻った時の起立性低血圧に影響するかを調査しその答えを模索している。第60回American College of Cardiology学会で発表された研究結果によると、これらのデータを用いた数学的モデルは無重力による早期心機能低下を予知するのに役立つようである。このスタディの一環として研究者らは、より良いインターフェイスおよびコンピュータプラットホームを開発しており、これにより心臓超音波や磁気共鳴画像(MRI)のデータを心臓モデルに迅速に統合でき、様々なタイプの心疾患を解析することが可能となる。つまり、これにより航空医官および研究者らが宇宙での心血管機能変化を予測しこれらの変化を予防する対策をデザインできる。この予測モデルはまた宇宙プログラムを遥かに超え臨床に適用できることも期待されている。

TARGET:個々の患者について評価することにより心臓再同期療法の結果が向上する [2011-04-19]

TARGET: Individualized assessment improves results of cardiac resynchronization therapy
ペースメーカーリードの設置部位決定を心エコーガイド下で行うことの有益性を報告した初めての無作為化臨床試験の結果、左室機能を解析しリードワイヤの設置位置をガイドするソフトウェアを用いた患者ごとのアプローチ法により臨床上の有益性が上昇することが示されたと第60回American College of Cardiology学会で発表された。研究者らはスペックルトラッキング法(STE)を用いて、心臓再同期療法を予定されている患者220人の心臓評価を行った。試験群に無作為に割り付けられた患者110人においてはリードワイヤの左室内埋め込みをSTE計測ガイド下で行った。コントロール群のリードは STEデータを参照せずに従来通りの方法で行った。左室のリバースリモデリング率(70%対55%)、心不全に関する標準的な尺度の改善(83%対 65%)などの臨床上のエンドポイントにおいて試験群の方がコントロール群よりも結果が良好であった。リードが適切であった(リードがちょうど標的部位に設置された)患者は総死亡および心不全による入院の合計の発現率が最も低く(8%)、全体的な結果において良好であった。リード位置が最良位置近傍であった患者においてはその確率は倍(16%)であり、最良部位から離れていた患者においては4.5倍高かった(36%)。

EXCELLENT:薬剤溶出ステントを使用した場合の抗血小板薬使用期間はガイドラインの勧告よりも短縮できる可能性がある [2011-04-19]

EXCELLENT: When drug-eluting stents are used, length of antiplatelet treatment could be shorter than guidelines suggest
EXCELLENTスタディから得られた新たなデータの結果、抗血小板薬を内服している薬剤溶出ステント使用患者に対する抗血小板療法の期間は、6ヵ月とガイドラインが推奨する12ヵ月とでステント血栓リスクは同等であるとの無作為化コントロールトライアルから得られたはじめてのエビデンスが示されたと第 60回American College of Cardiology学会で発表された。この19施設のトライアルにおいて1443人の患者が、エベロリムスまたはシロリムス溶出ステント植え込みとともに2剤併用抗血小板療法6ヵ月または12ヵ月を行う群に無作為に割り付けられた。標的血管不全(心臓死、心筋梗塞または標的血管再血行再建術施行)は6ヵ月群において716人中34人(4.7%)に認められたのに対し、12ヵ月群においては712人中31人(4.4%)であった。この一次エンドポイントに関して6ヵ月群の12ヵ月群に対する、予め規定された40%の非劣性マージンを伴う非劣性が認められた(p=0.0031)。安全性のエンドポイント−死亡、心筋梗塞、脳血管事故、ステント血栓および重大な出血の合計(TIMI)−に関しては6ヵ月群では24人(3.4%)であり12ヵ月群では22人(3.1%)であった。これら2群における主要な脳−心血管イベントはそれぞれ54人(7.5%)および60人(8.4%)であった。

MAGELLAN:Rivaroxabanは急性疾患で入院した患者における静脈血栓塞栓予防の点でエノキサパリンに優る [2011-04-19]

MAGELLAN: Rivaroxaban compares favorably with enoxaparin in preventing venous thromboembolism in acutely ill hospitalized patients
Rivaroxabanに関して既に蓄積された臨床試験のデータに大量の臨床試験データを加えたMAGELLANトライアルにより、急性疾患で入院した患者における静脈血栓塞栓予防において、短期使用(10日間)についてはエノキサパリンに対する非劣性が、長期使用に関してはエノキサパリン使用後のプラセボ投与に対する優越性が示された。第60回American College of Cardiology学会で発表されたこの研究結果によると出血率はスタディを通して低かったが、rivaroxaban群においては高かった。52ヵ国の患者8,101人のうち4,050人をrivaroxabanで35日間治療する群に、4,051人をエノキサパリンで10日間治療する群に無作為に割り付けた(両群ともにプラセボの経口投与または皮下注投与が行われた)。一次有効性項目に関しては10日後までは両薬剤ともに同等の結果であり、このエンドポイントに合致したのは両群ともに2.7%であった(非劣性に関してp=0.0025)。35日間の有効性に関してはrivaroxabanの方がエノキサパリン後のプラセボ投与よりも有意に良好な結果であり、4.4%の患者が一次有効性エンドポイントに達したのに対しエノキサパリン群では5.7%であった(優越性に関してp=0.0211)。しかし、10日間および35日間ともにエノキサパリンの方がrivaroxabanよりも出血率は有意に低かった(両者ともp<0.0001)。

OSCAR:高齢高血圧患者において併用療法はアンジオテンシンII受容体拮抗薬単独と同様の結果をもたらす [2011-04-19]

OSCAR: Combination therapy produces similar outcomes compared to angiotensin II receptor blocker alone for elderly hypertensive patients
高齢高血圧患者をアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬(CCB)の併用で治療した場合の心血管イベントおよび死亡は高用量 ARB単独で治療した場合と同様であると第60回American College of Cardiology で発表された。日本人の研究者らは心血管疾患または2型糖尿病を有する高リスクの高齢高血圧患者1,164人を組み入れた。患者らは高用量オルメサルタン(1日40mg、578人)またはCCBとオルメサルタン(1日20mg、586人)併用を投与された。36ヵ月後に両群ともに血圧は適切にコントロールされていたが、血圧は併用療法の方が単剤療法よりも有意により低下した(平均SBPおよびDBPはそれぞれ2.4mmHg[p=0.0315]と 1.7mmHg[p=0.0240]。)一次エンドポイント(心血管イベントおよび総死亡)発現数は単独療法群で58、併用療法群では48であり有意差はなかった(p=0.1717)。既存の心血管疾患を有する患者におけるサブ解析では、併用療法群の方が単剤療法群よりも心血管イベントおよび死亡発現数が有意に少なかった(それぞれ34および51、p=0.02610)。
アンジオテンシンII受容体拮抗薬とカルシウム拮抗薬は高血圧と耐糖能障害を有する患者に対し同等の結果をもたらす [2011-04-19]
Angiotensin II receptor blocker and calcium channel blocker produce similar results in patients with hypertension and gloucose intolerance
高血圧と耐糖能障害を有する患者の心血管イベントに対するアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬(CCB)の有効性を比較した初めての無作為化スタディにおいて、これらの2種類の薬剤間に有意差がないことが示されたと第60回American College of Cardiologyで発表された。日本の研究チームが2型糖尿病または耐糖能異常を有する高血圧患者1,150人をファーストライン治療として ARB(バルサルタン、575人)またはCCB(アムロジピン、575人)を投与する群に組み入れた。平均3.2年後に一次アウトカム項目(心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術、うっ血性心不全による入院、および心臓突然死の合計)が発現したのはバルサルタン群で54人(9.4%)であり、アムロジピン群で56人(9.7%)であった(p=0.85)。これらの5項目のうち4つの発現率においても有意差はなく、唯一うっ血性心不全による入院のみ有意差が認められ、バルサルタン群で3人(0.5%)に発現し、アムロジピン群では15人(2.6%)であった(p=0.01)。総死亡率−このスタディの二次アウトカム−または有害事象に関しても有意差は認められなかった。
新たなデバイスにより従来の治療の無効な高血圧患者の血圧を低下させることができる [2011-04-19]
New device lowers blood pressure in patients who are unresponsive to conventional therapy
頸部圧反射を刺激する新たなデバイスは重度のコントロール不良な高血圧患者が目標血圧を達成し維持させるのに役立つとの研究結果が第60回 American College of Cardiologyで発表された。Rheos®システムを、3剤以上の降圧剤を内服して血圧が>160/80mmHgである難治性高血圧患者 265人に埋め込んだ。患者らは2つのグループに無作為に割り付けられた。グループAのデバイスはスタディ全期間の12ヵ月間圧反射刺激療法を行った。グループBの患者はスタディ前半ではコントロール群となり、6ヵ月後からデバイスが治療を開始するようにプログラムされた。両群ともに収縮期血圧(SBP)の有意な低下を示した。グループAにおいては6ヵ月後に41%の患者において、12ヵ月後には54%の患者においてSBPが目標まで低下した。グループBにおいては驚くべき多大なプラセボ効果が認められた。コントロール期間中に21%が目標SBPを達成し、治療6ヵ月後には46%が目標範囲内であった。12ヵ月後のSBP低下は6ヵ月後に認められた血圧低下の50%以上であり、効果が持続していることが示唆された。拡張期血圧も両群において同様の期間に低下した。

PARTNER:新たな心臓弁システムと標準的な手術の1年生存率は同等である [2011-04-12]

PARTNER: Survival similar at one year for novel heart valve system and standard surgery
高齢ハイリスク患者に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と従来の開心大動脈弁置換(AVR)術を比較した結果、脳卒中や重大な出血などのエンドポイントには差があったが、1年死亡率は同等であったとのPARTNERトライアルの結果が第60回American College of Cardiology学会で発表された。重度大動脈弁狭窄を有するハイリスク高齢患者計699人を26施設においてTAVRまたはAVRに無作為に割り付けた(TAVR348人;AVR350人)。年齢中央値は84.1歳であった。30日間の総死亡率(3.4%対6.5%)および症状改善率はTAVRの方が良好であったが、これらの確率は1年後には同等になった。重大な脳卒中発現率は、30日間(3.8%対2.1%)および1年間(5.1%対2.4%)ともにTAVRにおいて高かった。30日間の主要な血管系合併症もまたTAVR後においてかなり多く認められた(11.0%対3.2%)が、重大な出血の発現率(9.3%対19.5%)および心房細動による不規則な心調律の新規発症(8.6%対16.0%)はTAVR群においてはるかに低かった。人工弁周囲逆流もまた、TAVR後により多く認められた。

EVEREST II:経皮的僧帽弁修復術は患者を選択すれば開心術と比較し優る [2011-04-12]

EVEREST II: Percutaneous mitral valve repair compares favorably with open-heart surgery especially for select patients
一部の僧帽弁逆流(MR)患者においては経皮的僧帽弁修復術は従来の開心術と比較し優るとのEVEREST IIスタディの最新の研究結果が第60回American College of Cardiology学会で発表され、同時にNew England Journal of Medicineに掲載される。このphase IIスタディには僧帽弁手術のクライテリア(MRグレード3+または4+)に合致した患者279人を組み入れた。患者はMitraClipRまたは標準的な手術群に2対1の比率で割り付けられた。これら2つの治療法の有効性は、死亡の回避、僧帽弁手術をさらに行わないこと、MRグレードが術前の最小の3+より低いことの合計で評価された。治療の比較において、経皮的手術群の101人(62.7%)が合計のエンドポイントに合致したのに対し、開心術群においては66人(66.3%)であった。2年後には、MitraClip使用患者の78%が手術を必要としなかった。30日間の主要な有害事象は経皮的手術群において有意に低かった(15.0%対47.9%)。2単位以上の輸血がこの差に最も影響を与えた:経皮的手術群では13.3%であったのに対し開心術群では44.7%であった。

エストロゲンレベルは肺がん患者の予後に影響することが示された [2011-04-12]

ISAR-CABG:Drug-eluting stents lead to improved outcomes in saphenous vein graft lesions
伏在静脈グラフト病変に植え込んだ薬剤溶出ステント(DES)とベアメタルステント(BMS)を比較した最大規模の無作為多施設トライアルの結果、死亡、心筋梗塞、および血行再建術再施行の合計の発現率がDESにおいて低いことが示されたと第60回American College of Cardiology学会で発表された。研究者らは過去に冠動脈バイパス(CABG)手術を施行された患者610人を組み入れた。対象患者は全員がその後に伏在静脈グラフトに1つ以上の病変を発現し、スタディにおいて血管形成術施行時にDES(303人)またはBMS(307人)のいずれかを植え込まれる群に無作為に割り付けられた。1年後の主要な心有害事象はBMS群と比較しDES群において35%少なかった。つまり、一次エンドポイントを発現したのはDES群において16.5%であったのに対しBMS群においては22.1%であった(p=0.028)。DES群におけるイベント発現率低下は、主に標的病変に対する再血行再建術施行率がDES群において7.2%であったのに対しBMS群で12.9%と、DES群において有意に低かった(p=0.020)ためであった。

RIVAL:橈骨動脈からアクセスして冠動脈インターベンションを行うことにより成功率は維持される一方血管系合併症は減少する [2011-04-12]

RIVAL: Radial access for coronary interventions reduces vascular complications while maintaining angioplasty success rates
冠動脈造影および冠動脈インターベンションの際の橈骨動脈穿刺と大腿動脈穿刺を比較した最大規模のスタディにおいて、橈骨動脈からのアクセスにより血管系合併症が減少する一方成功率は維持されることが示されたとの研究結果が第60回American College of Cardiology学会で発表され、Lancetに掲載された。このRIVALスタディにおいて、7,021人の患者が橈骨動脈(3,507人)または大腿動脈(3,514人)からのアクセスにより施術を受ける群に無作為に割り付けられた。一次エンドポイント(30日間の死亡、心筋梗塞(MI)、脳卒中、またはCABG以外による重大な出血)発現に関してはそれぞれ3.7%と4.0%(p=0.50)で、両アプローチにおいて同様の結果であった。血管形成術成功率も両群間で同等であった(p=0.83)。しかし、主要な血管系合併症に関して調査すると、橈骨動脈群において1.4%であったのと比較し大腿動脈群においては3.7%であり、橈骨動脈群の方が成績は良好であった。ST上昇MI患者においても、一次エンドポイントおよび死亡率に関して橈骨動脈の方が結果は良好であった。橈骨動脈穿刺の施術数の多い施設において、大腿動脈穿刺よりも橈骨動脈穿刺の成績が良好であった。穿刺部位の重大な出血は全て大腿動脈穿刺部位において発生した。 
STITCH:心不全患者の一次解析では薬物療法を凌ぐ手術の有益性は認められなかったが、さらに綿密に調査するとより多くの事実が示唆された [2011-04-12]
STITCH: No advantage to surgery compared to medical therapy in primary analysis for heart failure patients, but a closer look suggests more
総死亡率に関していえば、動脈硬化性心不全患者においては薬物療法単独とそれにバイパス手術を加えた場合の結果は同等であることが第60回American College of Cardiology学会で発表された。しかし、このSurgical Treatment of Ischemic Heart Failure(STICH)トライアルの結果、冠動脈バイパス術により死亡または入院を合計したリスクに加え、死亡、特に心疾患による死亡が有意に減少することが示された。研究者らは冠動脈疾患による心不全または陳旧性心筋梗塞を有する患者を組み入れ、602人は理想的な薬物療法のみの群へ、610人はCABGと理想的な薬物療法を組み合わせた群に無作為に割り付けた。平均5年近くの経過観察の後に、薬物療法単独と比較しバイパス術により総死亡率が14%低下した。しかし、この結果は統計学的に有意ではなかった。バイパス術により心血管疾患死(19%)、およびが死亡と全ての入院(26%)も減少し、両方とも統計学的に有意であった(それぞれp=0.05およびp<0.001)。
RAPS:冠動脈バイパス術患者においては伏在静脈グラフトよりも橈骨動脈を用いた方が成績は良好である [2011-04-12]
RAPS: Radial artery outperforms saphenous vein graft in coronary artery bypass graft patients
冠動脈バイパス(CABG)術に用いるのに最良の血管を調査した無作為化多施設スタディの初めての5年間のデータを公表したカナダの研究チームが、橈骨動脈が伏在静脈よりも機能的グラフト閉塞または完全グラフト閉塞率が低いことを示したと第60回American College of Cardiology学会で発表した。RAPSトライアルにおいては3枝病変に対しCABG手術を施行された患者561人を組み入れた。各々の患者において橈骨動脈グラフトおよび伏在静脈グラフトが2つの異なる病変に対し用いられた。研究者らは1年後に生存していた患者440人に対し冠動脈造影を施行し、269人においては術後平均7.6年に再度冠動脈造影を施行した。後期のフォローアップの結果、不完全閉塞率は、橈骨動脈グラフトおよび伏在静脈グラフトにおいてそれぞれ12.0%と18.8%であり(p=0.05)、橈骨動脈グラフトの方が有意に少なかった。完全閉塞もまた橈骨動脈グラフト(8.9%)において伏在静脈グラフト(17.8%)よりも有意に少なかった(p=0.004)。橈骨動脈において閉塞率が低かったことに加え、橈骨動脈グラフトがよりびまん性病変の血管においてより有用であることも示された。

遺伝性ミトコンドリア障害から母親から遺伝した高血圧に関する知見が得られた [2011-04-05]

Inherited mitochondrial dysfunction provides insights into maternally transmitted hypertension
ある中国人家族のある特異的なミトコンドリア障害から高血圧が母親から遺伝することが示されたとCirculation Researchに掲載された。この障害はミトコンドリアのある点突然変異の結果生じる。ミトコンドリアの遺伝性による高血圧に関連した母子遺伝のエビデンスが示唆された。遺伝子学者らが、同じ女性の子孫27人中15人が治療後も血圧が140/90以上であったある北中国の大家族を発見した。この母親と血縁のない親族で高血圧を有するのは81人中わずか7人であった。研究者らは、母親との関連を確認するため、同じ北部の中国人住民342人とこの家族を比較した。この母親の親族のミトコンドリアゲノム解析および他の検査の結果から高血圧に関連した変異部位が明らかにされ、活性酸素(フリーラジカル)レベルを上昇させるミトコンドリア呼吸鎖の機能障害が示された。この結果から、遺伝性ミトコンドリア障害が高血圧に関連しており、母親遺伝の高血圧に関する新たな知見が得られる可能性があると研究者らは述べている。

心血管リスクファクターを避けることで心房細動全症例の半分以上を予防できる [2011-04-05]

Avoiding cardiovascular risk factors could prevent more than half of all cases of atrial fibrillation
高血圧、喫煙、糖尿病および過剰体重などのリスクファクターを軽減することで心房細動(AF)全症例中の半分以上を減少させることができる可能性があるとのスタディ結果がCirculationに報告された。このスタディは、米国の4つの地域の住民における前向き心疾患スタディAtherosclerosis Risk in Communities Study (ARIC)の参加者14,598人を対象とした。対象者らの平均年齢は54歳であり、55%が女性、75%が白人で25%がアフリカ系米国人であった。スタディは1987年に開始され、平均17年間追跡された。初回の問診および診察の後、研究者らは参加者をAFのリスクファクターに基づき、最良、境界、上昇の3群に分類した。最良リスク群の人は血圧および体重が正常で、心疾患や糖尿病を有さず喫煙歴もなかった。このスタディにおいて、AFエピソードの57%が、高血圧、喫煙、糖尿病、過剰体重および他の心疾患などの特異的なリスクファクターと関連していた。これらのリスクのうち、高血圧が最も強力な予測因子であり、5分の1以上において原因と考えられた。
 
 
 

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