|
◆ |
CRCARE study:自動的な紹介と患者との話し合いにより心臓リハビリテーションの使用が増加する可能性がある [2011-02-22]
|
CRCARE
study: Automatic referrals, plus a patient discussion, may increase use of cardiac
rehabilitation |
心血管疾患患者を自動的に心臓リハビリテーションに紹介し、その後に患者と医師との話し合いをもつことによりこのサービスの利用が増加することが
Archives of Internal Medicine 2月14日号に掲載された。自動的紹介による心臓リハビリテーション継続に関する評価(Cardiac
Rehabilitation Care Continuity Through Automatic Referral Evaluation:CRCARE)研究グループの研究者らはカナダの11の病院の冠動脈疾患患者2,635人を調査した。各病院が4つの紹介方法のうちの1つを使用していた。全体で、心臓リハビリテーションに紹介された患者は入院した年に82.8%のセッションに参加した。病院により使用された方法は心臓リハビリテーション紹介および組み入れに有意に影響した。自動および仲介を組み合わせた紹介により患者が心臓リハビリテーションに紹介される確率が8
倍になり、そのうち70%以上の患者がリハビリテーションプログラムに組み入れられた。自動紹介方法のみを使用した病院では、70.2%の患者が紹介を受け、60%が心臓リハビリテーションに組み入れられた。仲介紹介方法のみを使用した病院の患者のうち紹介されたのは59%であり組み入れられたのは
50.6%であった。通常の方法であると紹介率は32.2%であり組み入れ率は29%であった。 |
|
◆ |
LEAPS:系統立った漸増トレッドミル歩行および運動プラグラムは脳卒中患者において同様の有意な結果をもたらす [2011-02-22]
|
LEAPS: Structured and progressive treadmill walking and exercise programs yield
similar, significant results for stroke patients |
脳卒中発症後1年間に、強度漸増およびバランスエクササイズに焦点を当てた体重免荷トレッドミルを用いた歩行プログラムまたは家庭ベースのプログラムは機能的歩行能力を改善したとのLocomotor
Experience Applied Post-stroke(LEAPS)トライアルの結果がAmerican Stroke Association国際脳卒中学会で発表された。このトライアルは脳卒中発症後間もない参加者408人(平均年齢62歳)を対象とした。全員が、早期(脳卒中発症後2ヵ月)または後期(脳卒中発症後6ヵ月)に行う体重免荷トレッドミルトレーニングを含む系統的漸増課題特異的歩行プログラム、または脳卒中発症後2ヵ月に施行された家庭ベースの系統的漸増筋力およびバランス運動プログラム75〜90分のセッションを36回12〜16週にわたって行う群のいずれかに割り付けられた。1年後に早期ウォーキング群、後期ウォーキング群、および筋力とバランスを標的とした運動プログラムのいずれもが歩行速度、運動能力回復、バランス、機能状態、およびQOLにおいて同様に重要な改善を示した。全ての群において最大の改善は治療の初回12セッション後に認められた。 |
|
◆ |
メタボリックシンドロームの高齢者において認知機能低下が認められる [2011-02-15]
|
Cognitive
decline seen in older people with metabolic syndrome |
ウエスト周囲径が大きく血圧が高くメタボリックシンドロームを形成する他のリスクファクターを有する高齢者は、記憶力低下のリスクが高い可能性があると
Neurology 2月2日号オンライン版に掲載された。このスタディのためにフランスの3都市の65歳以上の高齢者7,087人がメタボリックシンドロームの検査を受けた。参加者のうち計16%がメタボリックシンドロームを有していた。参加者らは2および4年後に一連の記憶力検査と認知機能検査を受けた。検査には記憶力検査、視覚的ワーキングメモリ検査および言語の流暢度の検査が含まれた。その結果、メタボリックシンドロームを有する者は有さない者と比較し記憶力検査において認知機能低下を有する確率が20%高かった。メタボリックシンドロームを有する者はまた、シンドロームを有さない者と比較し、視覚的ワーキングメモリ検査において認知機能低下を有する確率が13%高かった。具体的には、中性脂肪が高値でHDLコレステロールが低値であると記憶力スコアが低かった;空腹時血糖の高くない糖尿病は視覚的ワーキングメモリ検査および言語流暢度検査のスコアが低かった。 |
|
◆ |
非常に低レベルの鉛への曝露でも妊娠高血圧が引き起こされる可能性がある [2011-02-15]
|
Very low levels of lead exposure may lead to pregnancy-induced hypertension |
ごく少量の鉛でも妊婦にとっては有害となる可能性があるとのスタディ結果がEnvironmental
Health Perspectivesに掲載された。血中鉛レベルが推奨閾値よりはるかに低いレベルであっても、鉛をより多く保有している女性は血圧が有意に高かった。Maryland州BaltimoreのJohns
Hopkins病院の研究チームがモニターした妊婦285人のうち約25%において臍帯血中鉛レベルが約1ug/dLより高値であった;これらの女性においては収縮期血圧が6.9mmHg高く、拡張期血圧が4.4mmHg高かった。これらの結論にたどり着くまでに研究チームは、人種、肥満、血圧、世帯収入および喫煙などの血圧上昇に関連する他の因子で統計学的に補正した。CDC(疾病予防管理センター)は妊婦または子供の血中鉛レベルが5ug/dL以上の場合には鉛への曝露を軽減する対策を開始するように忠告している。筆者らは、今回のスタディから妊婦においては5ug/dLを十分に下回っていても心血管系への影響があることが示唆されたと考えている。 |
|
◆ |
脳卒中家族歴はMIリスクを評価する上で心筋梗塞の家族歴と同様に有用である可能性がある [2011-02-08]
|
Family
history of stroke may be as useful as family history of myocardial infarction
in gauging MI risk |
母親が脳卒中の既往を有する女性は、脳卒中リスクが高いのに加え心筋梗塞(MI)のリスクも高い可能性があるとの家族歴と心疾患に関する研究結果が、
American Heart Association学会誌Circulation: Cardiovascular Geneticsに掲載された。このスタディは、6年半の間に脳卒中、TIAまたは急性冠症候群と診断された患者を包括的に検出するために複数の方法を用いた。2,200人以上の患者のうち女性の心疾患患者は、父親が脳卒中を患った者よりも母親が脳卒中を患った者の方が多かった。このスタディの結果、MI
または狭心症患者の約24%およびほぼ同じ割合の脳卒中患者が第一度近親者に少なくとも1人の脳卒中既往歴を有する者が存在した。急性冠症候群を有する女性患者は第一度近親者に男性よりも女性の脳卒中既往者を有する確率が高かった。男性患者においては逆であった。患者の脳卒中歴は、心疾患が冠動脈造影で示されるか、または多枝病変であるかを予測するには役立たなかった。 |
|
◆ |
心臓関連株リステリアが致死的となり得る心臓感染症の原因となる [2011-02-08]
|
Cardiac-associated strains of listeria lead to potentially fatal heart infection |
食物由来細菌のある菌株が心臓に侵入し、重篤で難治性の心臓感染症の原因となり得るとのスタディ結果がJournal
of Medical Microbiologyオンライン版で閲覧可能である。細菌であるリステリア・モノサイトゲネスは、一般的にはソフトチーズや冷凍加工食品において検出される。重症リステリア感染症の約10%は難治性心臓感染症を引き起こす。研究者らは心内膜炎患者から分離したあるリステリア株を用いて心臓分離株または
lab株をマウスに感染させた。その結果、心臓株はマウスの心臓に10倍多く感染した。一般的にリステリアの標的臓器である膵および肝の細菌レベルは、二群のマウスにおいて差がなかった。さらに、lab株感染群のマウスの多くは心臓には全く感染が認められなかったが、心臓株感染マウスの90%において心臓感染が認められた。研究者らは計10個に及ぶより多くのリステリア株を入手し同様の実験を行った。その結果、これらの他の株のうち、やはり心臓を標的とすると思われるものは一つのみであった。 |
|
◆ |
脳卒中後に脳卒中センター指定された病院に入院することにより死亡リスクが低下する [2011-02-01]
|
Following
stroke, admission to designated stroke center hospitals associated with reduction
in risk of death |
虚血性脳卒中を発症し一次脳卒中センターに指定された病院に入院した患者は、非指定病院に入院した患者と比較し、30日間の死亡リスクがやや低いと
JAMA 1月26日号に掲載された。研究者らは脳卒中センターに指定された病院および指定されていない病院に入院した急性虚血性脳卒中患者(30,947人)の死亡率を比較した。この結果が脳卒中に特異的かどうかを評価するため、研究者らは消化管出血(39,409人)または心筋梗塞で入院した患者(40,024
人)に関しても指定病院と非指定病院における死亡率を比較した。急性虚血性脳卒中患者において30日間の総死亡率は脳卒中センター指定病院に入院した患者で10.1%であり、指定されていない病院におけるその割合は12.5%であった。この解析結果から、脳卒中センターと指定された病院に入院することにより30日総死亡率が実質2.5%低下することが示された。血栓溶解療法を施行されたのは、脳卒中センター指定病院に入院した患者の4.8%であり、指定されていない病院に入院した患者の1.7%であった(補正後の差は2.2%)。1日、7日、1年後フォローアップ時死亡率においても差が認められた。 |
|
◆ |
高性能エアーフィルターは大気汚染に関連した心血管系の健康上のリスクを低下させる [2011-02-01]
|
High efficiency particle air filters reduce cardiovascular health risks associated
with air pollution |
安価なエアーフィルターの使用が大気汚染の曝露により生じる心血管系疾患リスクの軽減に役立つ可能性があるとのスタディ結果が、American
Journal of Respiratory and Critical Care Medicineプリント版に先立ちオンライン版に掲載された。研究者らは25の住居に住む成人45人を組み入れた。各住居を連続7日間2回にわたりモニターし、この期間中に主な活動場所と参加者の寝室において高性能(HEPA)フィルターを作動させた。参加者は、彼らの活動、居場所および大気汚染源への近接度を60分ごとに記録するよう依頼された。HEPAフィルターは通常どちらかの7日間稼動させ、他の7日間には内部フィルターは設置されなかった。携帯用HEPAフィルターは微粒子を屋内で平均60%、および木材燃焼煙を75%減少させた。HEPAフィルターの使用により血管内皮機能が改善し(反応性充血インデクスが9.4%増加)、炎症が減少した(C反応性蛋白が32.6%低下)。 |
|
|